大腸カメラが嫌われる理由・大腸がんの予防について大腸カメラが嫌われる理由・大腸がんの予防について

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なぜ大腸カメラは大切だけど嫌われるのか?大腸癌は予防できる?専門医がお答えします。

みなさんお待たせしました。専門医がお答えシリーズです!
お待たせし過ぎたかもしれませんし、誰もお待ちではないかもしれません。

専門医がお答えシリーズは、今回からしばらくは、大腸カメラや下痢や便秘、血便など大腸関連の投稿になっております。


と、その前に・・・

名古屋市天白区の内科、消化器内科、消化器内視鏡、胃カメラ、大腸カメラ、コロナの検査、コロナワクチン、日帰り大腸ポリープ切除といえば天白橋内科内視鏡クリニックの院長野田です。
https://tenpakubashi-cl.com/staff/


思いつきでオリコン1位、ミリオン獲得のミュージシャンの方にクリニックのテーマ曲を作っていただきました。
暇つぶしによろしければお聞きください。
→Trust〜水明〜(クリック)

  大腸カメラについて!
 
お産と比較される痛み。2リットルの涙(下剤)。やりたくない!! 


わかります・・・
  

 

 大腸癌を予防しよう!

 まず大腸癌は、非常に患者さんが多く、命に関わる重大な病気です。また手術で取り切ったとしてもステージにあわせて抗がん剤の投与や、場所によっては永久的もしくは一時的に人工肛門を作らなければならないという非常に厄介なものです。そのため、できる限り予防につとめ、それでも完全には防ぐことができないために、超早期に大腸カメラで取り切ってしまうというのが理想です。

 これまでの調査で大腸癌を引き起こす危険性の高いもののなかで、気をつければその危険性を減らすことができるものがあります。それは「過量のアルコール、加工肉、肥満」です。また強い関連性が疑われるものとしては喫煙、赤身肉の多量摂取が挙げられます。

 逆に、大腸癌の危険性を減らす可能性が高いものとして、「食物繊維、全粒穀物、乳製品、カルシウムなど、そして運動習慣」が報告されています。カルシウムに関してはサプリメントで取るという方法もありますが、サプリメントではその他に余計な添加物が入っていたり、適切な吸収が行われない可能性もありますので、できる限り普段の食事から摂取することが重要です。

大きいハンバーガーの画像


 やはり一般に欧米化した食生活、加工食品やファストフードを最小限に抑え、定期的な運動習慣で適正体重を保つ、タバコはやめてお酒もほどほどにというのが大切になってきます。正直これらを急に全部変えると、ストレスも溜まり耐えられないこともあると思います。


タバコを吸う女性の画像


 大腸癌を早期発見しよう!癌になる前に

 大腸癌の発症は、遺伝や体格的要因など、自分ではどうしようもない場合もあり、また現代の生活習慣からどうしても完全に欧米化を脱却するのは難しいと思います。現代人ではどんなに気をつけても大腸癌のリスクからは逃れられませんので、早期発見が予防の次に大切になります。

日本では40歳以上を対象とした便潜血の検査が市町村単位で実施されていますが、実際に行ったことのある方は少数ではないかと思います。また便潜血陽性といわれても、自覚症状が特にないため医療機関に受診していないという方も多いと思います。しかし、進行大腸癌になってしまう人の多さ、またなってしまった時の大変さなどを考えると、ご自身の安心のためにも、ぜひこのような機会を利用して検査することをお勧めします。

内視鏡器具の画像

 検診での便潜血陽性と言われた場合や、血便、便秘や便の性状がおかしい場合、貧血、腹痛、体重減少がある場合には、専門医による大腸カメラできちんと検査を受けることが勧められます。特に喫煙歴、肥満、血縁の方に大腸癌がいる場合は要注意です。

 40歳以上のかたで、これらに当てはまることがなかったとしても、定期的な大腸カメラでの検診を受けることもできます。通称人間ドックと呼ばれておりますが、自費診療で大腸カメラを受けることも可能です。しかし、意外と詳しく問診すると大腸癌のリスクやその症状を否定できないもの、もしくは他の大腸関連の病気が疑われるケースがありますので、その場合は保険適用で大腸カメラを受けることができます。逆にいうとご自身で大腸癌が心配という方は、保険適用にならないことのほうが少ないのではないでしょうか。このあたりは制度上の問題点や、細かい注意点がありますので、まずは医療機関に相談されるのが良いかと思います。

 

 大腸カメラでポリープがあると言われた方へ

 検診で行われた大腸カメラではその場でのポリープ切除は行われないことが多いです。検診はあくまで検査であり、治療やその後の経過観察には医療機関に受診するよう言われることがあります。またポリープにもかなりいろんな種類があり、サイズや形、表面の構造などから大腸癌もしくは将来的に大腸癌になるリスクが高いと判断されればやはり切除した方が良いでしょう。(リンク→大腸カメラ ポリープ)もしリスクの多少あるポリープが見つかってしまった場合には1年〜3年程度で再度大腸カメラを行なって経過をみる必要があります。また大腸カメラでポリープを切除した方もその病理検査(顕微鏡で詳しく診断)の結果によっては1年程度で大腸カメラを行なったほうが良いケースがあります。そのような具体的な数字も今回のガイドラインに記載されておりますので、大腸カメラをおこなったあとに専門医より具体的な数字などをお伝えさせていただきます。また、ポリープがなく、リスクも低いというかたでも5年〜10年に1回は大腸カメラを受けることが勧められておりますのでこちらも当院を受診された際に説明させていただいております。


医師が患者に説明している画像

 質の良い大腸カメラ

 今回のガイドラインでは大腸カメラの質の高さ(安全性やポリープの見落としを減らす)を示す指標についても触れられております。

 まず当然ですが、大腸カメラを行う医師の「技術的」な側面があります。医師のこれまでの経験やレベルを示すものにはたくさんの指標がありますが、その中でも「専門医」という指標があります。当院では大腸カメラの質を担保すべく、日本消化器内視鏡学会専門医が丁寧に検査をさせていただいております。また大腸カメラの際に、大腸の一番奥である盲腸まで到達してきちんと観察できるかということが重要になってきます。当院ではほとんどの患者様で盲腸まで到達して丁寧に観察しております。大腸カメラの前に行う腸管洗浄によっても大腸カメラの質が変わってきます。大腸の表面にある便をきれいに洗い流すことができればそれだけ小さいポリープまで見落とすことが減りますので非常に大切なことです。当院ではモビプレップを利用した有効性、安全性の高い腸管洗浄を心がけております。

 大腸カメラの安全性についてですが、大腸の粘膜を傷つけてしまう出血や、脆い部分に穴を開けてしまう穿孔などが重要な合併症として挙げられます。当院では熟練の技術やスタッフのトレーニングにより、もちろん安全な治療を心がけておりますが、患者様の合併症リスクなどを予想して事前にきちんと説明させていただき、十分納得した上で大腸カメラを施行させていただいております。

 大腸カメラの質に関わる指標として、最後に「患者因子として快適性」が重要となります。これは当たり前かもしれませんが、患者さんにとって苦痛が少ないことが質の良い大腸カメラであるということです。苦痛に対しては、大腸カメラの動かし方を技術的に工夫することや、鎮静薬を使用することで、昔に比べるとかなり改善されております。10年くらい前とは比べ物にならないくらい苦痛が改善しておりますので、久しぶりに大腸カメラを受けたという方々からは、「こんなに楽になったのか」という声もいただいております。もうそろそろ受けなければという方々もぜひご相談ください。

【大事なこと】

最近では胃カメラから洗腸剤を投入する、下剤を飲まない大腸カメラを売りにしているクリニックが散在しますが、当院は対応しておりません。理由として、いいブログを発見したのでご紹介させていただきます。

かくたに内視鏡消化器内科クリニック   角谷宏先生

 
危険!警告!不正!下剤を飲まない大腸内視鏡検査

 

 専門医から皆様へ

 大腸カメラを専門に行なっている医師として、今回のブログ投稿が皆様にとって質の良い医療の提供のきっかけとなればと思います。今回記載したものは日本消化器内視鏡学会ガイドラインの多くの方々に関わる部分を簡単に解説したものです。実際の適用には専門医であったり熟練した医師が判断する必要がありますので、安易に自分で判断せずお気軽に医療機関に相談してください。

 

 当院では日本消化器内視鏡学会専門医が患者様一人一人にあわせたタイミングでの検査および安全な治療を心がけて診療しております。これまで大腸カメラに抵抗のあった方々もぜひお気軽に相談してください。

全ては患者さんの「検査しとけばよかった・・・」を無くしたいから。
詳しくは当院のホームページ(←こちらをクリック)からどうぞ。



令和4年3月25日加筆修正 天白橋内科内視鏡クリニック 院長 野田久嗣

・医学博士
・日本内科学会認定内科医
・日本消化器病学会消化器病専門医
・日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医
・がん治療認定医

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