名古屋市天白区原にあります、天白橋内科内視鏡クリニックです。原駅から徒歩約二分のところにあり、無料駐車場もあります。名古屋市天白区原にあります、天白橋内科内視鏡クリニックです。原駅から徒歩約二分のところにあり、無料駐車場もあります。

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脂肪肝とは。原因はアルコール性?肥満?リスクや対策など

みなさんお待たせしました。専門医がお答えシリーズです!
お待たせし過ぎたかもしれませんし、誰もお待ちではないかもしれません。
天白橋内科内視鏡クリニックの院長野田です。

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尚、スタッフ募集中です。

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思いつきでオリコン1位、ミリオン獲得のミュージシャンの方にクリニックのテーマ曲を作っていただきました。
暇つぶしによろしければお聞きください。

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院長から一言。マジで肝臓大事ですよ。肝硬変なったら悲惨ですからね。ならないように相談してください。


今回の内容は、検診で脂肪肝を指摘されたけど、脂肪肝って何?から原因、今後何が困るのかその対策などについて解説します。

 

「検診で脂肪肝を指摘されたが、どうしたい以下わからず放置している。」

「ダイエットしたほうがいいかなと思っている。」

そんな声を患者さんから聞くことがある脂肪肝。検診などでよく聞く病名ではありますが細かい内容までしっかり把握しているひとは多くないかと思われます。そこで今回は身近な疾患でありながらよくわからない脂肪肝について解説していきたいと思います。

 

◯脂肪肝とは

脂肪肝とはその名の通り、肝臓に中性脂肪が沈着した状態です。

しかしその原因は大きく分けて2つあります。まず、アルコールをたくさん摂取することでの肝臓が負ったダメージが関係しているアルコール性脂肪肝と、アルコールが関与してない非アルコール性の脂肪肝があります。非アルコール性の脂肪肝で最も多いのは肥満によるものです。




◯アルコール性脂肪肝

アルコールは体内に入ると分解されますがその時にアセトアルデヒドという有害な物質ができてしまいます。肝臓はこのアセトアルデヒドを無害化する働きがあります。大量のアルコールを摂取し続けるとこのアセトアルデヒドを処理しきれなくなり、肝臓がダメージをうけます。これによって生じるアルコール性肝障害の第一段階としてアルコール性脂肪肝があらわれます。アルコール性脂肪肝はとにかく節酒・禁酒が第一の治療になります。お酒とうまく付き合いながら血液検査で肝機能を評価しながら定期的にフォローを受けましょう。


◯肥満による脂肪肝

肥満でも脂肪肝は起こります。肝臓は使わなかったエネルギーを中性脂肪やグリコーゲンにして蓄えておくという役割を持っています。食べる量がおおく、運動せずにいると使いきれなかったエネルギーがどんどん肝臓に脂肪として貯蔵されていきます。そうして肝臓にたくさん脂肪が残っている状態が肥満による脂肪肝です。要するに溜め込みすぎた状態ということになります。


◯過度なダイエットは実は脂肪肝のリスク

肥満による脂肪肝を指摘されたため強度の食事制限を行って無理矢理痩せる。そのような無理なダイエットはむしろ脂肪肝になるリスクが上がります。

無理な食事制限に伴って脂肪肝になることがありこれを「低栄養性脂肪肝」と言います。

急激なダイエットをすると体が飢餓状態になります。体は生命を維持しようとエネルギーを作ろうとするのですがこの時に筋肉もエネルギー源として分解されてしまいます。するとエネルギーを消費する筋肉が減少するので脂肪を燃やす効率が悪くなります。

また肝臓に溜め込んだ脂肪を使うために血中に送り出すためには超低密度リポタンパクというタンパク質が必要になり、過度なダイエットで栄養が欠乏するとこの超低密度リポタンパクも無くなるために肝臓に溜め込んだ脂肪を使うことができなくなってしまうのです。

よって脂肪肝を指摘されたときに無理なダイエットは禁物と言えます。


◯脂肪肝の何が怖い

脂肪肝を放置しているとどうなるのでしょうか?まず、脂肪が肝臓に溜め込まれている状況では血中の脂質も以上になることがおおく、そのままでは血管が固くなり詰まりやすくなる動脈硬化が起こる可能性が高くなります。動脈硬化で血管が詰まってしまうと心筋梗塞や脳梗塞など、大きな後遺症を残しうる重大な疾患の引き金になってしまいます。

また非アルコール性脂肪肝(略称 NAFLD;nonalcoholic fatty liver disease)は基本的には肝硬変などの重度の肝障害には進展しないのですがNAFLDのなかに、肝硬変や肝細胞癌などに進展していくタイプのものがありこれを非アルコール性脂肪肝炎(略称NASH;nonalcoholic steato-hepatitis)といいます。脂肪肝を放置しておくと肝臓自体が大きなダメージを受けている可能性があるのです。


◯脂肪肝の治療

アルコール性の場合は禁酒節酒です。

肥満によるものの場合はダイエットが重要になりますが前述のように過度なダイエットは逆効果になるため適度な運動と食生活の調整により徐々に体重を減らし、リバウンドしないようなダイエットが必要です。

糖尿病や脂質異常症といったメタボリックシンドローム関連の病気をお持ちの方はこちらの治療を合わせて行う必要があります。


◯まとめ

今回は脂肪肝について解説しました。放置しておくと重大な疾患につながりかねない脂肪肝。定期的な検診とフォローを行い、予防・改善に努めることが重要です。健康診断で脂肪肝を指摘された方や、お酒を毎日飲まれる方、最近太り気味の方は一度当院にご相談ください。

全ては患者さんの「もっと早く治療しとけばよかった・・・」を無くしたいから。

詳しくは当院のホームページ(←こちらをクリック)からどうぞ。




令和3年10月25日 天白橋内科内視鏡クリニック 野田久嗣

・医学博士
・日本内科学会認定内科医
・日本消化器病学会消化器病専門医
・日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医
・がん治療認定医

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