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日本人の多くを悩ませる「便秘症」について

名古屋市天白区の天白橋内科内視鏡クリニックの院長野田です。

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みなさんお待たせしました。専門医がお答えシリーズです!
お待たせし過ぎたかもしれませんし、誰もお待ちではないかもしれません。

さて、本日は「便秘症の種類」「便秘薬の種類」についてのお話です。

誰でも一度は経験する便秘症。その治療薬も様々ですが、使い方によっては依存してしまったり、どんどん量が増えたりしてしまいます。そうならないような食生活、運動習慣を身に付けるとともに、便秘薬の種類を把握して適切に使い分けるようにしましょう。

便秘症とは


便秘症とは、量と硬さともに満足いく生理的排便ができず、「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」のことをいいます。便秘は日本人のおよそ15%が悩まされている非常にありふれた症状です。そして、毎日悩まされる問題にもなりますので、症状としては非常に厄介ですね。

便秘の種類


便秘の原因は、ほとんどの場合は「機能性」とよばれる大きな原因がないものです。逆に「器質性」と呼ばれる便秘は、大腸癌、炎症性腸疾患や物理的に腸が詰まってしまう病気などでみられます。

器質性便秘は非常に怖い病気です。これらの病気は消化器内科に受診し、大腸カメラなど検査を受けることでしか見つけることが出来ません。特に40歳以上の方の便秘症は一度大腸カメラを受けることをおすすめいたします。また器質性便秘症の方が便秘薬などでなんとかしようと粘ってしまうと、非常に重症になってから発見され、手遅れになることがあります。そうでなくても日本人は、大腸癌で亡くなる方が非常に多いですから、早めに大腸カメラを受けてみましょう。

機能性便秘症は、摂取した食事が大腸を通過するまでの時間がどれくらいか、十分にいきむことができるかなどで分類されます。今回は詳しいことは省略しますが、正確な診断のためには消化器内科を受診するしかありません。薬の使い分けにも通じますので、是非一度消化器内科を受診してみてください。

便秘薬の種類

刺激性下剤

刺激性下剤は、主に腸を動かすための刺激を与える薬です。便がやわらかいけれども、十分に、いきんで排便することができない方には有用です。センナといわれる成分を含むセンノシドや、ピコスルファートという名前の薬が代表的です。特にセンナの作用は強力で、妊娠中の方は絶対使用してはいけない、要注意の薬です。
刺激性下剤を使い始めると「やめると調子が悪くなる」という方が多くいます。習慣的に刺激性下剤を飲むと、依存状態となり、刺激性下剤なしでは排便できないという状態になってしまいます。刺激性下剤の使いはじめは非常に難しく、漫然と習慣的に飲んではいけない薬ですので、適宜医師と相談することが大切です。ピコスルファートは処方箋なしでドラッグストアで買うこともできますが、自己判断での漫然とした使用はお勧めできません

浸透圧性下剤

浸透圧性下剤は、浸透圧の差を利用して、腸内に水分を引き込むことで、便をやわらかくして排出しやすくさせます。浸透圧性下剤の中にも種類があり、代表的なものとして、酸化マグネシウムや、大腸カメラ前に使用するモビプレップ®などがあります。
即効性はありませんが、じっくりしっかり出してくれて、また依存性もないとされていますので、初めて使うにはおすすめの薬です。酸化マグネシウムはドラッグストアでも買えます。
浸透圧性下剤は、医療機関でも、便秘の人にまず使うものとして挙げられやすい薬です。即効性がないので、便秘傾向な人は食生活や運動習慣を見直すとともに、定期的に浸透圧性下剤を使っていくということが重要です。

その他の下剤

主に医療機関で処方される薬の中には、腸管に働きかけて水分を分泌させるような薬もあります。アミティーザ®やリンゼス®という名前の薬です。比較的新しい薬であり、積極的に処方する医師も多くはないと思います。ジェネリックがなく高額であったり、妊婦に使えないなど制約があります。ご高齢の方の便秘には使いやすい薬です。

座薬の下剤

座薬で直接腸に作用するタイプの薬もあります。二酸化炭素を直腸の中に発生させて、腸を刺激し排便を促すような薬です。代表的なものに新レシカルボン坐剤®などがあります。15分前後で効果が得られるような、即効性の高い薬ですが、刺激性下剤と同様に依存性があります。また座薬ですので腸を傷つけてしまうようなリスクもあります。ドラッグストアでも手に入る薬ですが、最初に使うような薬ではないので、自己判断での安易な使用はお勧めできません。

市販の下剤

市販の下剤は主に「酸化マグネシウム」という浸透圧性下剤であることが多いです。そのため比較的副作用が少なく安全に使えるということがメリットになります。しかし市販薬は基本的に高額で、同じ内容であれば健康保険を使用した処方薬の方が安価になってしまいます。国のメッセージとしても、しっかり消化器内科を受診したうえで処方してもらうということが重要となります。
一方で、ピコスルファートやコーラック®、新レシカルボン坐剤®など刺激性下剤や強力な作用を引き起こす薬もあります。よっぽどの緊急時では使用することも考えらえますが、最小限の量と期間にすることが大切です。
また急な便秘は、器質性便秘の可能性や重大な病気の可能性がありますので、強い腹痛や発熱を伴う場合、40歳以上の方などは、消化器内科や内科を受診してください。

まとめ

便秘はまず怖い病気が隠れていることがあります。一方で様々な種類の下剤がドラッグストアで手に入ってしまいますから、受診せず自己判断で下剤を使用して、背景にある隠れた病気が進行してしまって重症になることがよくあります。
そのため便秘の方は、一度は医療機関を受診して相談し、特に40歳以上の方は大腸カメラを受けることをおすすめします。
幸い機能性便秘で、なかなか治療方法が無い方が多いです。そういう方の便秘対策の基本は、食事と運動にあります。そのうえで薬に頼るなら浸透圧性下剤から始めることが大切です。刺激性下剤もドラッグストアで手に入ってしまいますが、自己判断での使用はおすすめできません。


全ては患者さんの「もっと早く検査や治療しとけばよかった・・・」を無くしたいから。

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令和4年5月13日 天白橋内科内視鏡クリニック 院長 野田久嗣

・医学博士
・日本内科学会認定内科医
・日本消化器病学会消化器病専門医
・日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医
・がん治療認定医

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