ゴールデンウィークが終わりましたが、
長く楽しい時間の反面、
不規則な生活になりやすい方も
多いのではないでしょうか。
たくさん美味しいものを食べて、
お酒が好きな方は、お酒を嗜みましたか?
そして五月病になりやすい時期です。
新しい環境から1ヶ月が過ぎ長期連休明けに
体調が優れない、
気持ちが落ち込みやすい状態が続き
環境に適応できない状態がストレスに繋がります。
暴飲暴食やストレスは自律神経を乱して
胃に負担がかかりやすいです。
胃の不調、ありませんか?
胃カメラ(胃内視鏡)の検査をされたことがある方は
嫌な思い出になっている方もいらっしゃるかもしれません。
喉の奥の舌の根元あたりに触れると
嘔吐反射が起こります。
「オエッ」となったことがある方にとって
胃カメラでの検査は気が進まないかもしれません。
しかし胃カメラでないとわからない病気もあるため
とても大切な検査になります。
【鼻からの胃カメラ検査】
喉奥に当たりにくく検査ができるため、
「オエッ」となりにくいので
苦痛が少なく、呼吸しやすいく
会話ができることや
口からの胃カメラのサイズよりも小さいので
違和感が少し軽減される方もいらっしゃいます。
ただ、鼻腔が狭い方はカメラが当たって痛みが出たり、
口からの胃カメラに変更になる可能性があります。
【口からの胃カメラ検査】
口からの胃カメラは喉の奥で内視鏡が入る時に当たるので
どうしても嘔吐反射が起こりやすいです。
鎮静剤で軽減する方法もありますが、
お車でお越しいただくとご自身で運転での
ご帰宅ができなくなりますので、
代わりに運転できるお連れ様に来ていただくか
公共交通機関のご利用をお願いします。
【胃カメラで主にわかる病気一例】
・逆流性食道炎
ストレスや胃に負担のかかる飲食が多い方、
食べた後にすぐに横になるなどで
胃酸が逆流してしまい
食道に胃酸の防御機能がないため炎症を起こします。
胃がムカムカしたり、酸っぱい感じや
ゲップが多くなることが主な症状です。
過去に一過性の逆流性食道炎になっていた場合、
傷跡が残ってるのを胃カメラで確認できる場合があります。
・ピロリ菌
正式名はヘリコバクター・ピロリ。
胃の中に棲みつくと、胃炎を引き起こしやすくする細菌です。
他にも胃がんや十二指腸潰瘍のリスクが上がります。
除菌をしないと自然に死滅は基本的にはしません。
現代は衛生環境が良くなっているため、
感染してる人の数は減少傾向です。
・胃がん
早い段階では自覚症状がほとんどなく、
かなり進行しても症状がない場合があります。
食欲不振や吐き気、不快感、黒い便(血便)
が出ることもあります。
傾向としては男性の割合が高いです。
胃の粘膜から徐々に外側に深く進行していきます。
一番外側の漿膜(しょうまく)
と呼ばれるところまで到達すると
近くにある大腸、膵臓、横隔膜、肝臓に
直接広がっていきます。
がん細胞はリンパ液や血液の流れで
胃から離れた場所にも転移が起こることもあります。
早期で転移がない場合は内視鏡切除が可能なため
身体的負担が軽く、手術が可能です。
胃がんの早期発見・早期治療は5年生存率が高いです。
・スキルス胃がん
内視鏡では見つけることが難しい場合がありますが、
胃の柔軟性が失われる特徴があるため
胃に空気を入れて膨らませる検査で発見できる場合があります。
進行が早く、転移してることが多いです。
若年層の女性に多い傾向ですが原因は不明です。
進行すると胃壁が硬く厚くなります。
気づいた時にはかなり進行していることがほとんどです。
食欲不振や胃がムカムカするなど
ちょっと今日は体調が悪いなと思われるようなものが
初期症状に多いと言われています。
・十二指腸潰瘍
胃の次に食べ物が通る小腸の一部です。
胃壁よりも薄いため
潰瘍(粘膜が深く欠損した状態)
が深く進行しやすいです。
ピロリ菌の感染率が非常に高いです。
・食道がん
喉と胃の間をつなぐ管状の臓器です。
食道の粘膜の表面にがんができます。
20%ほどの割合で重複がん(複数の臓器に発生するがん)
が発生すると言われ、
胃や大腸、口頭、肺などの臓器が多いと言われています。
罹患率は男性の割合が多いです。
・アニサキス症
内視鏡で除去可能で除去後は痛みが治ります。
イカやサバ、アジ、サンマ、カツオなど幅広い魚に寄生し、
魚介類が死亡後に内臓から筋肉に移動するため
お刺身を食べた際に胃にアニサキスが入ってしまいます。
胃に刺さる痛みではなく、胃壁とアニサキスの
アレルギー反応により激しい腹痛が発生します。
胃の場合は食後数時間〜数十時間後
腸の場合は食後数十時間〜数日後
で症状が出てきます。
【胃に負担がかかりやすいもの】
・お酒を飲む機会が多い
・喫煙習慣がある
・辛いものなど香辛料をよく摂取する
・脂肪分の多いものをよく食べる
・カフェイン
・炭酸飲料
【胃を労るためには】
・温かい飲み物
・調理方法を低脂質にするため茹でる、蒸すようにする
(揚げたり焼くと高脂質になります)
・辛いもの、塩味の強いもの、酸味の強いものを控える
胃が弱ってる時は腸も疲れてる可能性があるので、
食物繊維の多い野菜などは控えてあげるといいかもしれません。
食物繊維が多いと消化のスピードを緩やかにする分、
腸が長時間働き続けることになるため休まりません。
【内視鏡で切除の痛みはある?】
内視鏡での切除による痛みですが、
管腔臓器は切られても痛みを感じません。
なので胃も腸もポリープ切除や
病理検査(病変した細胞の一部を薄く切り取り、
顕微鏡で性質を調べる)などで切除する場合、
痛い感覚はありません。
内視鏡手術は回復も早いです。
手術(外科治療)になると、体表の痛みが伴い、
治癒までに時間もかかり、合併症のリスクもあるため、
身体的負担が大きくなります。
【胃カメラの費用について】
事前診療(初診料、内視鏡検査に必要な薬剤、血液検査) | 約2,200円~約3,850円 |
---|---|
内視鏡検査(検査のみ) | 約4,400円 |
内視鏡検査(組織を採取して検査を行った場合) | 検査のみに加えて約5,500円~約7,700円 |
★タイトルの内容解説⇒
胃カメラ、鼻から、口からどっちが楽?
どんなとき検査を受けたらいいの?
人それぞれですが・・・、
鼻からのほうが楽な患者様が多いと思います。
初めて胃カメラ検査した10年ほど前に鼻から入れましたが、
個人的には苦痛ではなく
もちろん鼻に入れるので多少の違和感はありますが、
痛いこともなく自分の胃の中を見せてもらいながら
会話が普通にできるくらいに楽でした。
自分の内臓の中を見れることって
頻繁にないのでとても興味深かったです。
胃カメラの検査のタイミングですが
定期的に1年に1回は受けていただくのがベストです。
食欲不振、吐き気、胃痛、胃もたれ等、
慢性的に続いている場合は
軽く考えずに検査をしましょう。
軽い胃潰瘍で胃に穴が開いても
痛みや違和感など個人差はありますが、
自覚症状がない方もいらっしゃいます。
日本では死亡原因が一番高いのががんです。
胃カメラで胃がんは早期発見ができる可能性が高いですし
血液検査だけではわからないことも多いので
早期治療のためにも定期的な胃カメラの検査をしていただき、
皆様に長く健康でいていただきたいです。
名古屋市では年齢や回数の条件がありますが、
【ワンコイン検診】
で様々ながん検診が500円で受診できます。
院長が詳しく解説していますので、
リンク先をご覧ください。
全ては患者さんの「検査しとけばよかった・・・」を無くしたいから。
詳しくは当院のホームページ(←こちらをクリック)からどうぞ。
令和5年5月12日 天白橋内科内視鏡クリニック 野田久嗣
・医学博士
・日本内科学会認定内科医
・日本消化器病学会消化器病専門医
・日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医
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