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医療脱毛の副作用 硬毛化って何?治るの?

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医療脱毛は、ムダ毛の悩みを解消する人気の施術ですが、気になる副作用として「硬毛化」があります。硬毛化とは、脱毛後に毛が逆に濃く太くなる現象で、まるで頑張って雑草を抜いたのに、より強い雑草が生えてきたようなものです。

医療脱毛を受ける方の約1~2%に起こると言われる硬毛化は、レーザーの出力設定や肌質との相性が原因と考えられています。しかし、適切な治療法や予防策を知っていれば、安心して医療脱毛を受けられます。この記事では、硬毛化の症状や原因、治療法、予防策について詳しく解説します。硬毛化の不安を解消し、理想のツルツル肌を目指しましょう。

医療脱毛の副作用に関する基礎知識

医療脱毛は、ムダ毛を減らすための効果的な方法として人気が高まっていますが、施術を受けるにあたっては、副作用の可能性についても理解しておくことが大切です。医療脱毛は医療行為であることを踏まえ、メリットだけでなく、起こりうるリスクについても知っておきましょう。

医療脱毛での一般的な副作用とは

医療脱毛で起こる可能性のある副作用には、以下のようなものがあります。

  • 赤み(紅斑): レーザーや光が照射された部分が、一時的に赤くなることがあります。これは、照射によって皮膚が軽い炎症を起こしている状態です。日焼けをした後のように、皮膚がヒリヒリと感じることがあります。多くの場合、数時間から数日で治まりますが、肌が敏感な方は、赤みが長引くこともあります。
  • 腫れ(浮腫): 照射部位が蚊に刺された後のように膨らむことがあります。これも赤みと同様に、一時的な炎症反応によるものです。
  • 痛みや熱感: 照射時に輪ゴムで軽く弾かれたような痛みや、熱さを感じる場合があります。痛みの感じ方には個人差があり、毛の太さや量、肌の状態、使用する機器などによっても異なります。例えば、髭など毛が太い部分では、多少痛みを感じやすい傾向があります。
  • 痒み: 照射部位にかゆみを感じることがあります。かゆみが強い場合は、冷やすとかゆみを抑える効果があります。
  • 乾燥: 照射後は、肌が乾燥しやすくなることがあります。これはレーザーによって肌の水分量が一時的に減少することが原因です。
  • 毛嚢炎: 毛穴に細菌が感染し、炎症を起こすことがあります。赤いポツポツとしたニキビのようなものができ、痛みやかゆみを生じることがあります。

これらの副作用はほとんどの場合、一時的なものであり、適切なアフターケアを行うことで改善されます。しかし、まれに症状が長引いたり、重症化したりする場合もあります。医療脱毛は、医療機関で行われる医療行為です。医師や看護師から、施術後の注意点やアフターケアの方法について、しっかりと説明を受けましょう。

副作用が起こるリスク要因

医療脱毛の副作用のリスクを高める要因としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 肌質: 肌の色素が濃い方や、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患がある方は、副作用が起こりやすいため注意が必要です。肌の色素が濃い方は、レーザーがメラニン(肌の色素)に反応しやすいため、炎症を起こしやすくなる可能性があります。アトピー性皮膚炎など、皮膚に炎症がある場合は、レーザー照射によって症状が悪化することがあります。
  • 毛質: 毛が太く濃い方は、レーザーや光のエネルギーが強くなるため、副作用のリスクが高まります。レーザーはメラニン色素に反応するため、毛が太く濃い部分には、より多くのエネルギーが照射されることになります。
  • 健康状態: 風邪をひいている、体調が優れない、睡眠不足などの場合は、肌の回復力が低下し、副作用が起こりやすくなることがあります。
  • ホルモンバランス: 生理前や妊娠中は、ホルモンバランスが乱れやすく、肌が敏感になっているため、副作用が起こりやすくなることがあります。
  • 服用中の薬: 薬によっては、肌が敏感になることがあります。

硬毛化の症状とそのメカニズム

硬毛化とは、医療脱毛の施術後に、施術部位の毛が濃く太くなったり、毛の数が増えたりする現象です。硬毛化が起こるメカニズムは完全には解明されていませんが、レーザーや光の刺激によって、毛根にある毛乳頭や毛母細胞が活性化することが原因の一つと考えられています。

レーザー脱毛は、毛根にあるメラニン色素に反応するレーザーを照射することで、毛乳頭や毛母細胞に熱ダメージを与え、毛の再生を抑制する仕組みです。レーザー脱毛は、毛の黒い色素(メラニン)に吸収されやすい性質を利用して、毛根に熱エネルギーを与え、毛の成長を抑制します。これは、例えるなら、黒い紙に虫眼鏡で太陽の光を集めると、黒い紙だけが熱くなって燃えるのと同じような仕組みです。

しかし、レーザーの出力設定が適切でない場合や、肌や毛質に合っていない機器を使用した場合、毛乳頭や毛母細胞が破壊されずに、逆に活性化してしまうことがあります。その結果、硬毛化が起こり、施術前よりも毛が濃く太くなってしまうことがあります。

硬毛化は、レーザー脱毛や光脱毛を受ける方の約1~2%に起こると言われており、特に顔や背中、肩など、産毛が生えている部位に起こりやすい傾向があります。顔や背中などは、他の部位に比べて産毛が多く、毛が細いため、レーザーの出力設定が適切に行われないと、硬毛化のリスクが高まる可能性があります。

硬毛化は、レーザー脱毛や光脱毛の有効性を低下させるだけでなく、見た目の問題を引き起こすこともあります。そのため、硬毛化を予防するためには、施術を受ける前に、医師によるカウンセリングをしっかりと受け、自分の肌や毛質に合った機器を使用してもらうことが重要です。また、施術後は、医師の指示に従って、適切なアフターケアを行うようにしましょう。

例えば、最近の研究では、ダイオードレーザーという種類のレーザーが、他のレーザーと比べて硬毛化のリスクが低いという報告があります。ダイオードレーザーは、他のレーザーに比べて、メラニン色素への吸収が穏やかであるため、肌への負担が少なく、硬毛化のリスクを抑えることができると考えられています。

医療脱毛を受ける際には、これらの副作用やリスクについて事前にしっかりと理解しておくことが大切です.

硬毛化の治療法と改善策

医療脱毛を受ける際に気になることの一つに、「硬毛化」という言葉を耳にしたことはありませんか? 硬毛化とは、脱毛 Behandlung後、本来減るはずの毛が逆に濃く、太くなってしまう現象のことです。まるで、頑張って雑草を抜いていたら、以前より強い雑草が生えてきてしまったようなものです。

脱毛は、毛を作る指令を出す「毛乳頭」という部分を破壊することが目的です。しかし、レーザーの出力設定が適切でなかったり、肌や毛質に合っていない機器を使用したりすると、この毛乳頭が破壊されずに、逆に刺激を受けてしまうことがあります。

硬毛化は、誰にでも起こるわけではありませんが、特に顔や背中、肩など、産毛が生えている部位に起こりやすい傾向があります。顔や背中などは、他の部位に比べて産毛が多く、毛が細いため、レーザーの出力設定が適切に行われないと、毛乳頭を刺激してしまうリスクが高まる可能性があります。

硬毛化は、レーザー脱毛や光脱毛を受ける方の約1~2%に起こると言われており、決して珍しい副作用ではありません。

硬毛化が発生した場合の対処法

「もしかして硬毛化?」と感じたら、自己処理は避け、すぐに医療機関を受診するようにしましょう。自己処理を続けると、症状が悪化したり、肌への負担が大きくなったりする可能性があります。医療機関では、医師があなたの肌の状態や毛質、脱毛の経過などを丁寧に診察し、適切な治療法を提案してくれます。

推奨される治療方法とその効果

硬毛化の治療には、主に以下の方法が挙げられます。

  1. 経過観察: 硬毛化の程度が軽度であれば、自然に改善する可能性もあります。
  2. 外用薬: 毛の成長を抑える効果のある外用薬を処方する場合があります。
  3. レーザー治療: 硬毛化した毛に対して、異なる種類のレーザーを照射することで、毛根の活動を抑制し、脱毛効果を高めます。最近の研究では、ダイオードレーザーという種類のレーザーが、他のレーザーと比べて硬毛化のリスクが低いという報告があり、安全性と有効性が期待されています。
  4. 針脱毛(電気脱毛)は、毛穴に細い針を挿入し、電流を流して毛根細胞を破壊する脱毛方法です。以下は、針脱毛についての説明です。

    針脱毛の特徴
    永久脱毛: 針脱毛は、FDAにより永久脱毛として認められた唯一の方法です。
    効果: 毛根に直接作用するため、確実に毛を減らすことができます。
    適用可能な部位: 顔、体のほとんどの部位に適用可能です。
    時間とコスト: 毛穴ごとに処理するため、時間がかかり、比較的高額です。
    痛み: 個人差がありますが、多少の痛みを伴うことがあります。

  どの治療法が最適かは、患者さまの症状や毛質、肌の状態によって異なります。医師とよく相談し、最適な治療方針を決定しましょう。

硬毛化を防ぐための予防策

硬毛化は、完全に防ぐことが難しい場合もありますが、以下の点に注意することでリスクを減らすことができます。

  • 医療機関の選択: 医療脱毛は、医師または看護師が施術を行う医療行為です。経験豊富な医師や看護師が在籍し、最新の脱毛機器を導入している医療機関を選びましょう。
  • カウンセリング: 医療脱毛を受ける前に、医師に自分の肌の状態や毛質、アレルギーの有無などを伝え、しっかりとカウンセリングを受けましょう。硬毛化のリスクや、施術後の注意点について詳しく説明を受けることが重要です。
  • 施術前の自己処理: 自己処理は、肌への負担を最小限にするため、電気シェーバーを使用し、肌を傷つけないように優しく行いましょう。

医療脱毛は、正しく行えば安全で効果的な脱毛方法です。硬毛化のリスクを正しく理解し、予防策を講じることで、安心して医療脱毛を受けていただけます。

ジェントルマックスの特徴と安全性

医療脱毛は、ムダ毛を減らすための効果的な方法として人気が高まっていますが、様々な機器が存在します。その中でも今回は「ジェントルマックス」という医療脱毛機器に焦点を当て、その特徴や安全性について詳しく解説していきます。

ジェントルマックスの技術的特性

ジェントルマックスは、アレキサンドライトレーザーとYAGレーザーという2種類のレーザーを搭載している点が特徴です。これは、料理で例えると、食材や料理に合わせて包丁を使い分けるようなもので、より効果的で安全な脱毛を実現するために重要な役割を果たします。

アレキサンドライトレーザーは、メラニン色素に吸収されやすいという特性を持っています。メラニン色素は、毛に多く含まれているため、このレーザーを照射すると、毛根に熱エネルギーが伝わり、毛の成長を抑制することができます。アレキサンドライトレーザーは、日焼け肌の方や色黒の方には使用できない場合があり、照射範囲が狭いため施術に時間がかかる場合もある点が注意点として挙げられます。

一方、YAGレーザーは、アレキサンドライトレーザーよりも波長が長く、肌の奥深くまで到達しやすいという特徴があります。これは、例えるなら、根が深い雑草にも届く強力な除草剤のようなもので、太くて濃い毛や、肌の色が濃い方にも効果を発揮します。YAGレーザーは、アレキサンドライトレーザーに比べて痛みが強い場合があり、施術費用が高い場合もあることが懸念点となります。

他の医療脱毛機器との違い

医療脱毛機器は、ジェントルマックス以外にも、ダイオードレーザー脱毛機、ルビーレーザー脱毛機など、様々な種類があります。これらの医療脱毛機器と比較して、ジェントルマックスは、2種類のレーザーを搭載しているため、より幅広い肌や毛の状態に対応できるという点において、他の機器の一歩先を行く存在と言えるでしょう。

医療脱毛における機器の選択は、治療の効果や安全性に大きな影響を与えるため、医師と患者がしっかりと話し合い、最適な機器を選択することが重要です。最近の研究では、ダイオードレーザーは、3ヶ月後と約6ヶ月後の追跡調査において、他のレーザー治療と比較して、有意にムダ毛が少ないという結果が出ています。

ジェントルマックスの施術における安全性と効果

ジェントルマックスは、厚生労働省から医療機器として承認を受けている、安全性の高い医療脱毛機器です。厚生労働省の承認を得ているということは、厳しい安全基準をクリアしているという証であり、患者さんにとって安心材料の一つと言えるでしょう。

ジェントルマックスは、効果と安全性のバランスが取れた医療脱毛機器ですが、施術を受けるクリニックや医師によって、効果やリスクは異なります。そのため、施術を受ける前に、クリニックの評判や医師の経験などをよく確認することが大切です。これは、引っ越しをする際に、不動産屋さんの評判や物件の情報を事前に調べておくのと同じくらい重要なことです。

レーザー脱毛は、1回の施術では効果が得られないため、複数回の施術が必要です。施術を受ける間隔や回数は、肌や毛の状態によって異なりますが、一般的には、4~8週間の間隔で、5~10回程度の施術が必要となります。

まとめ

医療脱毛は、ムダ毛の減少に効果的な一方、硬毛化などの副作用のリスクも伴います。硬毛化は、レーザー照射によって毛乳頭が活性化し、毛が濃く太くなる現象です。原因はレーザー出力設定の誤りや肌質との相性が考えられます。硬毛化が疑われる場合は、自己処理を避け、医療機関を受診しましょう。治療法には経過観察、外用薬、レーザー治療などがあり、医師と相談して最適な方法を選びます。予防策としては、経験豊富な医師が在籍し、最新機器を導入している医療機関を選び、カウンセリングで自分の肌質や毛質を伝えることが重要です。ジェントルマックスは、アレキサンドライトレーザーとYAGレーザーを組み合わせた医療脱毛機器で、幅広い肌質や毛質に対応可能です。厚生労働省から承認を受けており、安全性の高い機器ですが、効果やリスクはクリニックや医師によって異なるため、事前に確認することが大切です。

全ては患者さんの「もっと早く治療しとけばよかった・・・」を無くしたいから。

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令和6年8月21日 天白橋内科内視鏡クリニック 野田久嗣

・医学博士
・日本内科学会認定内科医
・日本消化器病学会消化器病専門医
・日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医
・がん治療認定医

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参考文献

  • Kao YC, Lin DZ, Kang YN, Chang CJ, Chiu WK, Chen C. Efficacy of Laser in Hair Removal: A Network Meta-analysis. Journal of cosmetic and laser therapy 25, no. 1-4 (2023): 7-19.

追加情報

[title]: Efficacy of Laser in Hair Removal: A Network Meta-analysis.,

[summary]: ## 【タイトル】 レーザー脱毛の有効性に関するネットワークメタ分析

【要約】

  • 本研究は、様々なレーザー脱毛の施術における効果を評価することを目的とした。
  • PubMedとEMBASEから取得した研究を質的に評価し、絶対毛髪数と脱毛率に関するデータを抽出した。
  • 異なる測定単位を用いた研究を統合するため、頻度論的ネットワークメタ分析を用いて標準化平均差 (SMD) を算出した。
  • 13件の無作為化比較試験 (RCT) (n = 652) をネットワークメタ分析に組み入れた。
  • 統合結果から、ダイオードレーザーはコントロール群と比較して、3ヶ月 (SMD = -13.21, 95% 信頼区間 [CI]: -22.25〜-4.17) および約6ヶ月 (SMD = -11.01, 95% CI: -18.24〜-3.77) 後のフォローアップにおいて、有意に絶対毛髪数が少なかった。
  • ただし、レーザー施術間の有意な差は認められなかった。
  • 観察された副作用はすべて一時的で、永続的な傷跡を残すものはなかった。
  • レーザーまたは高強度パルス光を用いた不要な毛髪の除去は安全かつ有効である。しかし、どのタイプの施術が長期的により効果的であるかは、より長いフォローアップ期間での研究が必要である。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37493187,

[quote_source]: Kao YC, Lin DZ, Kang YN, Chang CJ, Chiu WK and Chen C. “Efficacy of Laser in Hair Removal: A Network Meta-analysis.” Journal of cosmetic and laser therapy : official publication of the European Society for Laser Dermatology 25, no. 1-4 (2023): 7-19.