AGAの治療薬はどれがいい?フィナステリドの副作用や効果ついて解説AGAの治療薬はどれがいい?フィナステリドの副作用や効果ついて解説

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AGAの治療薬はなにがいいのか?第一弾 フィナステリドについて解説

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薄毛に悩む男性にとって、AGA治療薬は救世主となる可能性を秘めています。その中でも、フィナステリドは長年使用され、効果が認められている薬ですが、副作用の懸念も拭えません。

「AGAの進行を食い止めるブレーキ役」と称されるフィナステリドは、男性ホルモンの働きを調整することで、薄毛の進行を抑制します。しかし、一部の患者では性欲減退や勃起不全などの副作用が報告されています。

この記事では、AGA治療薬として人気のフィナステリドの効果や副作用について詳しく解説します。服用を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

フィナステリドの副作用に関する重要ポイント

フィナステリドはAGA治療薬として効果が期待できますが、一方で、少なからず副作用の可能性も報告されています。

「薬は毒を以て毒を制す」という言葉のように、効果のある薬には少なからず副作用があります。フィナステリドもその一つであり、服用前にどんな副作用があるのか、それはどれくらいの頻度で起こるのか、もし副作用が出たらどのように対処するべきなのかを知っておくことは非常に大切です。

主な副作用の種類と症状

フィナステリドの副作用として代表的なものは、性機能に関するものがあります。具体的には、性欲の減退、勃起機能の低下、精液量の減少などが挙げられます。

例えば、性欲が減退すると、パートナーへの愛情が冷えたと誤解されてしまうかもしれません。また、勃起機能の低下は性行為の満足度を低下させ、精神的なストレスを与える可能性もあります。精液量の減少は、パートナーが妊娠を希望している場合に不安を与える可能性があります。

これらの副作用は、フィナステリドが男性ホルモンの一種であるDHT(ジヒドロテストステロン)の生成を抑える働きによるものです。

DHTは毛髪の成長を抑制する一方で、性機能にも関与しています。フィナステリドによってDHTが減少すると、その影響は頭皮だけでなく、体全体に及ぶ可能性があります。

わかりやすく例えると、DHTは体の中で「男性らしさ」を司る指揮官のようなものです。フィナステリドという薬はこの指揮官の力を弱めることで、AGA(男性型脱毛症)の進行を抑えようとします。

しかし、この指揮官は髪の毛の成長だけでなく、性機能にも関係しています。そのため、指揮官の力が弱まってしまうと、性機能にも影響が出てしまうことがあるのです。

その他にも、乳房の張りや痛み、抑うつ症状、肝機能障害などの副作用が報告されています。

副作用の頻度と重症度

フィナステリドの副作用は、必ずしもすべての人に現れるわけではありません。臨床試験の結果では、2%以上の頻度で報告されている副作用は以下の通りです。

副作用 頻度
性欲減退 1.8%
勃起機能不全 1.3%
精液量減少 1.2%
乳房の張りまたは圧痛感 0.8%

これらの副作用は、多くの場合、軽度で一時的なものです。服用を中止すれば改善することがほとんどですが、症状が重い場合や長引く場合は、医師に相談することが大切です。

例えば、性欲減退の副作用が出たとしても、2週間程度で改善する人もいれば、数ヶ月間続く人もいます。症状が重い場合は、医師に相談し、フィナステリドの服用を中止するか、他のAGA治療薬への変更を検討する必要があります。

副作用が出た場合の対処法

フィナステリドを服用中に副作用が出た場合は、自己判断で服用を中止せず、必ず医師に相談しましょう。症状や程度によっては、服用量を減らしたり、服用を中止したりするなどの対応が必要になることがあります。

また、副作用を軽減するために、生活習慣の改善も有効です。バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠を心がけましょう。

AGA治療は、患者さん一人ひとりの症状や体質、生活習慣などを考慮して、最適な治療法を選択していくことが重要です。名古屋市天白区の天白橋内科内視鏡クリニックでは、AGA治療に関するご相談も受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。

フィナステリドの効果と期待されるメカニズム

薄毛治療において、フィナステリドは「AGA(男性型脱毛症)の進行を抑えるブレーキ」のような役割を果たします。AGAは、成人男性によく見られる脱毛症で、頭頂部や額の生え際が薄くなっていくのが特徴です。AGAの原因は、男性ホルモンの一種であるテストステロンが、酵素の働きによって、より強力なジヒドロテストステロン(DHT)に変換されることが深く関わっています。

わかりやすく例えると、テストステロンは「新米隊員」、DHTは「鬼軍曹」、そしてフィナステリドは「鬼軍曹の育成を阻止するスパイ」のようなものです。

新米隊員は戦場(頭皮)では、まだそこまで悪さをしません。しかし、鬼軍曹に変身すると、髪の毛の成長を邪魔するようになります。鬼軍曹が増えすぎると、髪の毛は十分に育たず、抜け毛が増えてしまうのです。フィナステリドは、この鬼軍曹になるのを防ぐことで、AGAの進行を遅らせます。

フィナステリドは、DHTの生成を抑えることで、抜け毛を減らし、髪の毛の成長を促進する効果が期待できます。AGAが進行するスピードを緩やかにすることで、豊かな毛量を維持する効果が期待できます。

効果を実感するまでの期間

フィナステリドの効果は、服用後すぐに現れるわけではありません。効果を実感するためには、ある程度の期間、継続して服用することが大切です。

一般的には、3ヶ月から半年程度は継続して服用する必要があると言われています。個人差はありますが、早い人で3ヶ月ほどで効果を実感し始め、半年ほどで効果がはっきりとしてくることが多いようです。

効果がなかなか実感できない場合でも、自己判断で服用を中止せず、医師に相談することが大切です。フィナステリドは服用を中止すると、効果が持続せず、再び脱毛が進行してしまう可能性があります。効果を維持するためには、継続して服用することが重要です。

対象となる脱毛症の種類

フィナステリドは、すべての脱毛症に効果があるわけではありません。主に効果が期待できるのは、AGA(男性型脱毛症)です。AGA以外の脱毛症、例えば、円形脱毛症やストレス性の脱毛症などには、フィナステリドは効果が期待できません。AGAかどうかは、医師による診察で判断しますので、自己判断せずに、まずは医療機関を受診しましょう。

最新の臨床データやエビデンス

フィナステリドは、AGA治療薬として長年使用されており、その効果と安全性が多くの臨床データやエビデンスによって裏付けられています。フィナステリドを1年間服用した男性の約80%に、脱毛の進行抑制効果が見られたという報告もあります。

フィナステリドは米国FDA(米国食品医薬品局)からもAGA治療薬として承認されており、その有効性と安全性が認められています。しかし、フィナステリドは、すべての人に効果があるわけではなく、副作用が出る可能性もあります。服用する際には、医師から十分な説明を受け、メリットとデメリットを理解しておくことが大切です。

最近では、フィナステリドやデュタステリドといった従来からの薬に加えて、新たなタイプのAGA治療薬の開発も進んでいます。新しい薬としては、5-α還元酵素阻害剤(5-ARIs)やアンドロゲン受容体拮抗薬(ARAs)などがあります。さらに、ノコギリヤシやカボチャの種子油などの天然成分を用いた治療法も研究されています。これらの新しい治療法は、従来の治療法では効果が不十分であった患者さんや、副作用が心配な患者さんにとって、新たな選択肢となる可能性があります。

しかし、これらの新しい薬や治療法はまだ開発段階のものも多く、その効果や安全性については、さらなる研究が必要です。新しい治療法を試す場合には、事前に医師とよく相談し、メリットとリスクを十分に理解しておくことが重要です。AGA治療は、患者さん一人ひとりの症状や体質、生活習慣などを考慮して、最適な治療法を選択していくことが重要です。

フィナステリドと他のAGA治療薬の比較

AGA治療薬を選ぶ際、フィナステリドだけが選択肢ではありません。AGA治療薬には、大きく分けて「内服薬」と「外用薬」の2種類があり、それぞれに異なる特徴があります。

内服薬であるフィナステリドは、AGAの原因となる物質の産生を抑える「司令塔」のような役割を担い、体の中からAGAにアプローチします。一方、外用薬であるミノキシジルは、「頭皮の血行促進」を担い、毛根に栄養を届けやすくすることで発毛を促します。

イメージとしては、フィナステリドは「工場の生産ラインを調整する監督者」、ミノキシジルは「材料を運ぶトラック」のようなものです。どちらも重要な役割を担っていますが、その作用機序は異なります。

どちらの治療薬が適しているかは、患者さん一人ひとりの症状の進行度合い、体質、そしてライフスタイルによって異なります。そのため、自己判断で薬を選ぶのではなく、医師とじっくりと相談することが大切です。

フィナステリドのリスクとベネフィット

フィナステリドは有効なAGA治療薬ですが、服用にはメリットだけでなく、デメリットも存在します。フィナステリドは、前述の通りAGAの原因となるDHTの産生を抑えることで、抜け毛を減らし、発毛を促進する効果が期待できます。

これは、AGAで乱れてしまったヘアサイクルを正常な状態に近づけ、髪の毛が長く成長できる環境を整えるためです。フィナステリドは、いわば「薄毛の進行を抑えるブレーキ」のような役割を果たします。

しかし、一方で、フィナステリドを服用することで、性欲減退や勃起不全といった副作用が現れる可能性も否定できません。

フィナステリドは、DHTの産生を抑える過程で、男性ホルモン全体のバランスに影響を与える可能性があります。そのため、性機能に関わる副作用が現れるリスクがあるのです。

フィナステリドの服用を検討する際は、医師からこれらのメリットとデメリットについて、十分な説明を受けることが重要です。

主な併用療法や代替治療法

フィナステリドによる治療効果を高めるために、他の治療法と組み合わせる場合があります。例えば、外用薬であるミノキシジルは、フィナステリドと併用することで、相乗効果が期待できます。

フィナステリドが「AGAの進行を抑える」役割を担う一方で、ミノキシジルは「毛母細胞に働きかけ、発毛を促進する」役割を担います。

フィナステリドとミノキシジルを併用することで、「AGAの進行を抑えながら、発毛を促進する」という相乗効果が期待できます。これは、サッカーで例えるなら、守備の要であるフィナステリドと、攻撃の要であるミノキシジルが協力して勝利を目指すようなものです。

また、AGA治療において、薬物療法だけでなく、生活習慣の改善も非常に重要です。バランスの取れた食事、質の高い睡眠、適度な運動は、髪の毛の成長を促すために欠かせません。

さらに、ストレスはAGAの悪化因子となるため、ストレスを溜め込まないような生活習慣を心がけることも重要です。

相互作用の可能性と注意点

フィナステリドは、他の薬と併用する際には注意が必要です。特に、前立腺肥大症の治療薬や高血圧の治療薬などとの併用は、副作用のリスクが高まる可能性があります。

これは、薬同士の相互作用によって、フィナステリドの血中濃度が上昇したり、逆に効果が減弱したりする可能性があるためです。必ず、服用中の薬がある場合は、医師に伝えるようにしましょう。

また、フィナステリドは服用を中止すると、効果が持続せず、再び脱毛が進行してしまう可能性があります。効果を維持するためには、継続的な服用が必要となります。

まとめ

フィナステリドはAGA治療薬として、男性ホルモンの一種であるDHTの生成を抑え、抜け毛の進行を抑え、発毛を促進する効果が期待できます。しかし、性欲減退や勃起不全などの副作用のリスクも存在します。フィナステリドの効果は服用後すぐに現れるわけではなく、3ヶ月から半年程度は継続して服用する必要があります。効果を実感できない場合でも、自己判断で服用を中止せず、医師に相談することが大切です。フィナステリドは、ミノキシジルなどの他の治療薬と併用することで、相乗効果が期待できます。AGA治療は、患者さん一人ひとりの症状や体質などを考慮して、最適な治療法を選択することが重要です。

全ては患者さんの「もっと早く治療しとけばよかった・・・」を無くしたいから。

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令和6年8月26日 天白橋内科内視鏡クリニック 野田久嗣

・医学博士
・日本内科学会認定内科医
・日本消化器病学会消化器病専門医
・日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医
・がん治療認定医

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参考文献

  • Gupta AK, Talukder M, Williams G. “Emerging and traditional 5-α reductase inhibitors and androgen receptor antagonists for male androgenetic alopecia.” Expert opinion on emerging drugs, no. (2024): 1-11.

追加情報

[title]: Emerging and traditional 5-α reductase inhibitors and androgen receptor antagonists for male androgenetic alopecia.,

男性型脱毛症のための新しい5-α還元酵素阻害剤とアンドロゲン受容体拮抗薬の進展と従来の治療法

【要約】

  • 【導入】 男性型脱毛症(AGA)は、男性の脱毛症の主要原因であり、医療および/または外科的処置が必要なことがよくある。米国FDAは、男性のAGA治療のためにトピカルミノキシジルと経口フィナステリドを承認しています。しかし、これらのFDA承認治療に十分な効果がないAGA患者や、個々の状況によっては副作用が起こることもあります。このような治療の不備を克服するために、研究者らは新たな5-α還元酵素阻害剤(5-ARIs)やアンドロゲン受容体拮抗薬(ARAs)などの代替治療法の探求を行っています。

  • 【カバー範囲】 本記事では、フィナステリドやデュタステリドなどのよく知られた5-α還元酵素阻害剤(5-ARIs)や、新たな5-α還元酵素阻害剤(ARAs)やソーパルメットやカボチャの種油などの天然製品、男性のAGA治療における安全性と有効性について検討しています。

  • 【専門家の意見】 いくつかの新たな5-α還元酵素阻害剤、ARAs、および天然製品は臨床試験で有望な結果を示していますが、男性のAGA治療における安全性と有効性を確認するためにはさらなる研究が必要です。これらの製剤に関して追加のエビデンスが得られるまで、男性のAGAの優先治療法はFDA承認のトピカルミノキシジルと経口フィナステリドです。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38666717,

[quote_source]: Gupta AK, Talukder M and Williams G. “Emerging and traditional 5-α reductase inhibitors and androgen receptor antagonists for male androgenetic alopecia.” Expert opinion on emerging drugs , no. (2024): 1-11.