AGAの治療薬はどれがいい?ミノキシジルの副作用や効果ついて解説AGAの治療薬はどれがいい?ミノキシジルの副作用や効果ついて解説

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AGAの治療薬はなにがいいのか?第三弾 ミノキシジルについて解説

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AGA治療薬として人気のミノキシジル。薄毛に悩む多くの人が、その効果に期待を寄せていることでしょう。しかし、「ミノキシジルは本当に効果があるのか?」「副作用は大丈夫なのか?」など、疑問を持つ方も多いのではないでしょうか?この記事では、ミノキシジルがもたらす育毛効果の仕組み、使用手順、他のAGA治療薬との違い、副作用とその対策、そして購入方法や費用について詳しく解説していきます。ミノキシジルを正しく理解し、効果的に利用することで、薄毛の悩みから解放される一歩を踏み出しましょう。

ミノキシジルの効果と使用方法の特徴

薄毛に悩む皆さんの多くが気になっているであろうAGA治療薬。今回はその中でも有名なミノキシジルについて、その効果や他のAGA治療薬との違い、使用上の注意点などを詳しく解説していきます。

ミノキシジルがもたらす育毛効果の仕組み

ミノキシジルは、もともと高血圧の治療薬として開発された成分です。血管を広げて血圧を下げる効果を狙っていたのですが、その過程で思わぬ副作用が見つかりました。服用していた患者さんに、体毛が濃くなるという現象が observed されたのです。これは、ミノキシジルが血管拡張作用によって頭皮の血行を促進し、毛根に栄養を届けやすくすることで、発毛を促す効果があることを示していました。

例えるなら、植物に水をあげるイメージです。水は植物にとって栄養と同じですね。十分な水がなければ、植物は育ちません。ミノキシジルは、頭皮に水路を作り、毛根という植物に栄養をたっぷり届けてくれる役割を果たすのです。

AGA(男性型脱毛症)は、男性ホルモンの影響でヘアサイクルが乱れ、髪の毛が十分に成長する前に抜け落ちてしまう状態です。ミノキシジルは、AGAの原因となる男性ホルモンの影響を直接抑制するわけではありません。しかし、弱ってしまった毛根に栄養を送り込むことで、髪の毛の成長サイクルを正常に戻し、抜け毛を減らしながら、新しい髪の毛が生えてくるのを助けてくれるのです。

使用手順と推奨期間はどのくらいか

ミノキシジルは、頭皮に直接塗布する外用薬と、内服薬の2種類のタイプがあります。外用薬は、1日2回、朝と晩に、脱毛が気になる部分の頭皮に直接塗布します。内服薬は、医師の指示に従って服用します。

効果を実感するためには、少なくとも6ヶ月以上の継続的な使用が推奨されています。これは、髪の毛の成長サイクルが約3ヶ月から6ヶ月であるためです。

効果には個人差があり、すぐに効果が現れる人もいれば、効果が現れるまでに時間がかかる人もいます。私のクリニックにも、3ヶ月ほどで効果を実感される方から、半年ほどかかる方まで、様々な方がいらっしゃいます。また、使用を中止すると効果がなくなるため、継続的な使用が大切です。

他のAGA治療薬との効果の違い

AGA治療薬には、ミノキシジルの他に、フィナステリドやデュタステリドなど、様々な種類があります。フィナステリドやデュタステリドは、AGAの原因となる男性ホルモンの生成を抑えることで、抜け毛を抑制する効果があります。

ミノキシジルは、これらの薬とは作用機序が異なり、毛根に直接作用することで発毛を促します。そのため、フィナステリドやデュタステリドが効果を発揮しにくい人でも、ミノキシジルを使用することで効果が期待できる場合があります。

また、最近の研究では、脂肪組織から採取した幹細胞から作られる「脂肪由来幹細胞コンディショニングメディア」とミノキシジルの組み合わせが、毛髪再生に効果がある可能性が示唆されています。この研究では、この組み合わせ治療によって、毛髪の本数、密度、太さが増加し、脱毛の割合が減少したという結果が出ています。この研究は、6週間という短期間で行われましたが、それでも有意な効果が認められています。これは、ミノキシジル単独では得られない効果であり、今後の治療法の発展に期待が持てます。

このように、ミノキシジルは他のAGA治療薬とは異なる特徴を持つため、自分に合った治療法を選択するためにも、医師に相談することが重要です。AGAの治療は、早期に開始することが重要です。症状が進行してからでは、治療効果が得にくくなる場合もあります。薄毛が気になり始めたら、一人で悩まずに、早めに専門医を受診しましょう。

ミノキシジルの副作用とその対策

ミノキシジルは発毛効果が高い一方で、頭皮環境や体質によっては副作用が現れる可能性があります。効果を最大限に引き出しつつ、安心して使い続けるために、起こりうる副作用とその対策について詳しく理解しておきましょう。

主な副作用の症状と発生するリスク

ミノキシジルを使用する中で特に注意したい副作用として、頭皮のかゆみ、かぶれ、発赤などがあります。これらの症状は、ミノキシジルに含まれる成分が頭皮に合わなかった場合に起こるアレルギー反応や、使い始めの時期に起こりやすい一時的な反応として考えられます。

例えば、私のクリニックに通院している患者さんの中にも、ミノキシジルを使い始めた直後に頭皮にかゆみを感じ、使用を中止してしまった方がいました。しかし、医師に相談したところ、使用を継続することでかゆみが治まる可能性もあることを説明され、再度使用してみた結果、数週間後にはかゆみが治まり、その後は順調に発毛効果を実感できたというケースもあります。

また、「初期脱毛」と呼ばれる症状が出ることもあります。これはミノキシジルの効果によって髪の毛のヘアサイクルが変化し、休止期の毛が抜け落ちることで一時的に抜け毛が増える現象です。一見すると症状が悪化しているように感じますが、古い毛が抜け落ち、新しい毛が生えてくるための準備段階といえます。

その他、動悸や息切れ、めまい、頭痛、むくみといった全身性の副作用が現れる可能性もゼロではありません。これらの副作用は、ミノキシジルが血管拡張作用を持つことに起因すると考えられています。

副作用 症状 発生リスク
頭皮の症状 かゆみ、かぶれ、発赤、乾燥 比較的高い
初期脱毛 一時的な抜け毛の増加 比較的高い
全身性の副作用 動悸、息切れ、めまい、頭痛、むくみ、体重増加 低い

副作用を軽減するための使用上の注意

ミノキシジルの副作用を最小限に抑え、安全に使用するためには、いくつかの注意点があります。

まず、使用する前に頭皮を清潔な状態にしておくことが大切です。皮脂や汚れが残っていると、ミノキシジルの浸透を妨げたり、頭皮トラブルの原因となる可能性があります。

次に、決められた量をきちんと守り、頭皮にやさしく塗布しましょう。必要以上に多く使用しても効果が高まるわけではなく、むしろ副作用のリスクを高める可能性があります。頭皮に傷や湿疹などがある場合は、使用を控えるか、医師に相談の上使用するようにしてください。

また、使用後は手をよく洗いましょう。ミノキシジルが目に入ったり、口に入ったりすると、思わぬ健康被害を引き起こす可能性があります。特に、小さなお子さんやペットのいる家庭では、保管場所にも十分注意が必要です。

副作用が現れた場合の対処法

ミノキシジルを使用中に副作用が現れた場合は、自己判断で使い続けることは大変危険です。すぐに使用を中止し、医師に相談することが大切です。症状が軽い場合は、使用を中止することで改善することがほとんどです。症状が重い場合や、不安な場合は、迷わず医療機関を受診しましょう。

また、他のAGA治療薬との併用を考えている場合や、持病がある場合は、事前に医師に相談することをおすすめします。自己判断で治療を進めることは大変危険です。

最近では、脂肪組織由来の幹細胞を培養した際に得られる分泌液である「脂肪由来幹細胞コンディショニングメディア(ADSC-CM)」とミノキシジルの併用療法が、毛髪再生のための治療薬として期待されています。

これは従来のミノキシジル単独療法よりも高い効果が期待できる可能性を秘めています。AGA治療は、一人ひとりの症状や体質に合わせて適切な治療法を選択することが重要です。医師とよく相談し、自分に合った治療法を見つけていきましょう。

ミノキシジルの購入方法と費用について

髪の毛のことで悩み始めると、あれこれ試してみたくなりますよね。育毛シャンプー、育毛剤、育毛サロン…ドラッグストアに行くと、たくさんの商品が並んでいて目移りしてしまいます。

その中でも、「ミノキシジル」という名前は聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?

ミノキシジルは、もともと高血圧の治療薬として開発された成分ですが、発毛効果が認められ、AGA治療薬として広く使われるようになりました。

「でも、いざミノキシジルを買おうと思っても、どこで買えばいいんだろう?」 「病院で処方してもらうのと、市販薬で買うのとでは、何か違いがあるの?」

そんな疑問をお持ちのあなたへ、ミノキシジルの購入方法と費用について、詳しく解説していきます。

購入できる場所とオンラインショップの紹介

ミノキシジルは、以下の3つの方法で購入できます。

  1. 病院(クリニック)

    AGA治療専門クリニックや皮膚科など、薄毛治療を行っている医療機関を受診し、医師の診察を受けた上で処方箋をもらい、院内もしくは院外処方箋薬局で購入します。

    病院で処方されるミノキシジルは、市販薬よりも濃度が高いものが多く、効果を実感しやすいというメリットがあります。

    AGA治療は保険適用外のため、全額自己負担となりますが、医師の診察を受けながら、自分に合った治療法や濃度のミノキシジルを選べるので安心です。

    例えば、私のクリニックでは、患者さんの症状や体質、生活習慣などを考慮した上で、最適な治療プランを提案しています。ミノキシジルの濃度も、1%、5%、15%など、患者さんの状態に合わせて調整しています。

  2. 薬局

    薬局でも、ミノキシジル配合の育毛剤が市販されています。

    「第一類医薬品」に分類されるため、購入時に薬剤師から説明を受ける必要があります。

    病院を受診する時間がない方や、まずは手軽に試してみたいという方におすすめです。

  3. オンラインショップ

    Amazonや楽天市場などの大手通販サイトや、個人輸入代行サイトなどでも購入できます。

    海外製のミノキシジルが購入できる場合もあり、価格が安いというメリットがありますが、品質管理が徹底されていない場合もあるため注意が必要です。

    また、個人輸入代行サイトを利用する場合、偽造品や粗悪品をつかまされるリスクもゼロではありません。

    医師の診察を受けずに、自己判断で購入するのはリスクが伴うことを理解しておきましょう。

ミノキシジルの価格帯とコストパフォーマンス

ミノキシジルの費用は、購入場所や濃度、容量、メーカーなどによって異なります。

購入場所 価格帯 備考
病院(クリニック) 1ヶ月あたり5,000円~15,000円程度 処方箋発行料や診察料などが別途かかる場合があります。
薬局 1ヶ月あたり3,000円~8,000円程度 医薬品の種類や容量によって異なります。
オンラインショップ 1ヶ月あたり2,000円~5,000円程度 個人輸入代行サイトの場合は、送料や手数料がかかる場合があります。

病院で処方されるミノキシジルは、濃度が高く、効果も期待できますが、その分費用も高額になる傾向があります。

「費用を抑えたいから…」と安易にオンラインショップで個人輸入するのはリスクがあります。

AGA治療は、継続することが大切です。

治療を継続しやすいように、費用面についても医師に相談しながら検討することをおすすめします。

保険適用の可能性と費用負担の詳細

AGA(男性型脱毛症)は、進行性の脱毛症であり、放置すると薄毛が進行する可能性があります。

有効な治療法は確立されていますが、残念ながら、現在のところ保険適用外となっています。

そのため、ミノキシジルを含め、AGA治療にかかる費用は全額自己負担となります。

ただし、円形脱毛症や粃糠性脱毛症など、他の病気が原因で脱毛している場合は、保険適用となる可能性があります。

「自分の症状では、保険適用されるのか?」と迷う場合は、医療機関を受診して医師に相談してみましょう。

AGA治療は自由診療のため、医療機関によって費用設定が異なります。

費用が気になる場合は、事前にホームページで確認したり、電話で問い合わせたりするのも良いでしょう。

まとめ

ミノキシジルは、AGA治療薬として効果が期待できる成分です。血管拡張作用によって頭皮の血行を促進し、毛根に栄養を届けやすくすることで発毛を促します。効果を実感するためには、少なくとも6ヶ月以上の継続的な使用が推奨されています。副作用には、頭皮のかゆみ、かぶれ、発赤、初期脱毛などがあります。副作用を軽減するためには、使用前に頭皮を清潔にする、決められた量を守る、使用後は手を洗うなどの注意が必要です。ミノキシジルは病院、薬局、オンラインショップで購入できます。価格帯は購入場所や濃度、容量によって異なります。AGA治療は保険適用外のため、全額自己負担となります。費用面も含めて医師に相談し、自分に合った治療法を見つけることが大切です。

全ては患者さんの「もっと早く治療しとけばよかった・・・」を無くしたいから。

詳しくは当院のホームページ(←こちらをクリック)からどうぞ。




令和6年8月26日 天白橋内科内視鏡クリニック 野田久嗣

・医学博士
・日本内科学会認定内科医
・日本消化器病学会消化器病専門医
・日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医
・がん治療認定医

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参考文献

  • Legiawati L, Suseno LS, Sitohang IBS, Yusharyahya SN, Pawitan JA, Liem IK, Kurniawati T, Ardelia A and Paramastri K. “Combination of adipose-derived stem cell conditioned media and minoxidil for hair regrowth in male androgenetic alopecia: a randomized, double-blind clinical trial.” Stem cell research & therapy 14, no. 1 (2023): 210.

追加情報

男性型脱毛症における脂肪由来幹細胞コンディショニングメディアとミノキシジルの組み合わせによる毛髪再生:ランダム化二重盲検臨床試験

【要約】

  • 導入: 男性型脱毛症(AGA)の治療法はまだ満足のいく結果を出しておらず、副作用が耐え難い場合もある。最近の研究では、脂肪組織由来の幹細胞コンディショニングメディア(ADSC-CM)が毛髪成長と再生を誘発する可能性があることが報告されている。

  • 目的: 男性AGAにおけるADSC-CMとミノキシジルの組み合わせ療法の効果を調査する。

  • 方法: この研究は6週間行われた。被験者は2つのグループに分けられた:濃縮されたADSC-CM群と非濃縮されたADSC-CM群。頭皮は垂直に分割され、30Gの針で前頭部から頂点に向かって約1cm間隔で皮内注射が行われた。治療側には2mlのADSC-CM、他の側にはプラセボとして0.9%のNaClが注入された。患者は注射後に5%のミノキシジルを1日2回塗布した。改善は写真とトリコスキャンで2週ごとに評価された。

  • 結果: 6週間後、両側の毛髪数、毛髪密度、平均厚さが有意に増加し、痩毛率は毛髪率の増加と比例して減少した。治療群間には統計的に有意な差は見られなかった。副作用はほとんど報告されず、被験者は結果に満足していた。

  • 結論: ADSC-CMとミノキシジルの組み合わせは、毛髪再生のための有望な治療薬となりうる。より広範な人口、長期間、異なる研究デザインでの追跡研究によって、ADSC-CMの毛髪成長への正確なメカニズムを確認するためにさらなる研究が必要とされる。

  • 登録番号: Clinicaltrials.gov、NCT05296863. 2022年3月25日に登録され、https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT05296863

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37605227

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[quote_source]: Legiawati L, Suseno LS, Sitohang IBS, Yusharyahya SN, Pawitan JA, Liem IK, Kurniawati T, Ardelia A and Paramastri K. “Combination of adipose-derived stem cell conditioned media and minoxidil for hair regrowth in male androgenetic alopecia: a randomized, double-blind clinical trial.” Stem cell research & therapy 14, no. 1 (2023): 210.