シアリスの副作用や効果、ED治療薬の正しい服用方法を解説シアリスの副作用や効果、ED治療薬の正しい服用方法を解説

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大事な時に勃たない! EDか? そんな時のお薬 おすすめ第三弾 シアリスについて解説

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「大事な時に勃たない…」そんな悩みを抱えている男性は少なくありません。2023年の調査によると、日本の男性の約3割がEDの症状を経験していると言われています。しかし、EDは決して恥ずかしいことではありません。適切な治療を受けることで、多くの男性が自信を取り戻し、充実した性生活を送っています。

この記事では、ED治療薬として人気の高いシアリスについて解説します。シアリスの効果や副作用、他のED治療薬との比較、そして正しい服用方法まで、詳しく解説していきます。シアリスがあなたの性生活の質を向上させる助けとなることを願っています。

シアリスの効果と期待される作用

「いざという時にうまくいかない…」それは、もしかしたらEDかもしれません。ED治療薬として有名なシアリスは、そんな悩みを抱える方の強い味方です。 シアリスは、効果の持続時間が最大36時間と他のED治療薬と比べて長いことが特徴です。服用すれば、その間ずっと効果が続くわけではありません。性的に興奮した時に自然な勃起を促す効果が期待できます。

勃起不全改善のメカニズム

それでは、シアリスはどのようにして勃起不全を改善するのでしょうか? その秘密は、シアリスに含まれる「タダラフィル」という成分にあります。タダラフィルは、血管を拡張する働きを持つPDE5阻害薬というタイプの薬です。

男性が性的に興奮すると、ペニスに血液が流れ込み、勃起が起こります。この時、PDE5という酵素が働くと、血管が収縮してしまい、勃起が弱くなったり、持続しなくなったりします。

タダラフィルは、PDE5の働きを抑えることで、ペニスへの血流を改善し、勃起を促します。 例えば、ホースの水の通り道をイメージしてみてください。蛇口をひねってもホースが狭いと、水が勢いよく出ませんよね? タダラフィルは、ホースを広げて水の通りを良くするように、血管を広げて血流をスムーズにする働きがあるのです。

性生活の質の向上に寄与する要素

シアリスは、多くの患者さんの性生活の質の向上に貢献しています。 シアリスは、他のED治療薬と比較して効果が長く続くため、性行為のタイミングを気にする必要がなく、自然な流れで性行為を楽しむことができます。

例えば、「週末にパートナーと旅行に行くので、その間は自然な形で過ごしたい」というような場合、シアリスは効果が長く続くため、金曜日に服用すれば、日曜まで効果が期待できます。

また、服用から効果発現までの時間が短いため、 spontaneous な性行為の機会を逃しません。

さらに、シアリスは食事の影響を受けにくいというメリットもあります。 食事のタイミングを気にせず服用できるため、旅行や外食など、様々なシーンで活躍します。

他のED治療薬との効果比較

ED治療薬には、シアリスの他に、バイアグラ、レビトラなどがあります。それぞれの薬によって効果の持続時間や効果発現までの時間、食事の影響などが異なります。

ED治療薬 主な特徴 効果の持続時間 効果発現までの時間 食事の影響
バイアグラ 最も有名なED治療薬 約4時間 約30分 影響あり
レビトラ 効果発現までの時間が短い 約4-5時間 約15-30分 影響あり
シアリス 効果の持続時間が長い 最大36時間 約30分 影響を受けにくい

シアリスは効果の持続時間が最大36時間と長く、食事の影響を受けにくいという特徴があります。そのため、性行為のタイミングを気にすることなく、自然な流れで性行為を楽しみたい方におすすめです。

一方、バイアグラやレビトラは効果の持続時間が短いため、性行為のタイミングを事前に決めておく必要があります。

また、これらの薬は食事の影響を受けるため、服用するタイミングや食事内容に注意が必要です。

自分に合ったED治療薬を選択するためには、医師に相談することが大切です。特に、抗うつ薬など、他の薬を服用している場合は注意が必要です。例えば、抗うつ薬の中には、性機能障害の副作用を起こす可能性のあるものがあります。抗うつ薬を服用している患者さんがED治療薬を使用する場合は、医師との相談の上、慎重に使用する必要があります。

シアリスの副作用と注意点

シアリスは効果の高いED治療薬ですが、薬である以上、体質や体調によっては、副作用が出る可能性もゼロではありません。服用前にどんな副作用が起こりうるのか、また、そのリスクを減らすにはどうすればいいのかを知っておくことが大切です。

よく見られる副作用の種類

シアリスで比較的よく見られる副作用には、次のようなものがあります。

  • 頭痛: 頭をハンマーで叩かれたような激しい痛みではなく、鈍く痛む、締め付けられるような感じがしたりするなど、人によって感じ方は様々です。
  • 顔のほてり: 温泉に入った後のように顔が熱くなり、赤くなることがあります。症状が重い場合は、冷水で冷やしたタオルを顔に当てるとよいでしょう。
  • 消化不良: 胃がもたれたり、むかついたりすることがあります。消化のよいものを食べるようにし、それでも症状が改善しない場合は、市販の胃薬を服用するのも良いでしょう。症状が続く場合は医師に相談しましょう。
  • 鼻詰まり: 風邪を引いた時のような鼻が詰まった感じがしたり、鼻水がでたりすることがあります。安静にしていても改善しない場合は、市販の鼻炎薬を使用するのも一つの方法です。
  • 筋肉痛: 運動した後のような体の筋肉が痛むことがあります。痛みが強い場合は、無理せず安静にしましょう。

これらの副作用は、多くの場合、一時的なもので、薬の効果が切れるのと同時に、時間が経つにつれて自然に治まります。

副作用が出るリスクを減らす方法

シアリスの副作用が出るリスクを減らすためには、以下の点に注意することが大切です。

  • 医師の指示を守って服用する: 自己判断で服用量を変えたり、服用を中止したりしないでください。決められた量を決められた期間服用することが重要です。
  • アルコールの摂取を控える: アルコールと一緒に服用すると、シアリスの効果が強く出過ぎてしまったり、副作用が強く出やすくなることがあります。
  • グレープフルーツの摂取を控える: グレープフルーツジュースも同様です。グレープフルーツに含まれる成分が、シアリスの代謝に影響を与え、副作用のリスクを高める可能性があります。
  • 持病がある場合は医師に伝える: 持病によっては、シアリスの服用が適さない場合や、服用量を調整する必要がある場合があります。例えば、高血圧や心臓病の薬を服用している場合は、シアリスとの飲み合わせに注意が必要です。

服用を避けるべき状態や病歴

以下のような状態や病歴がある場合は、シアリスの服用を医師に相談の上、慎重に判断する必要があります。

  • 心臓病: 狭心症や心筋梗塞などの心臓病を患っている場合は、シアリスの服用によって症状が悪化する可能性があります。シアリスは血管を広げる作用があるため、心臓に負担がかかってしまうことがあります。
  • 低血圧: 低血圧の人は、シアリスを服用すると、さらに血圧が下がり、めまいなどを起こす可能性があります。
  • 脳卒中: 過去に脳卒中を起こしたことがある人は、再発のリスクがあるため、シアリスの服用はおすすめできません。シアリスの服用によって血圧が変動し、脳卒中のリスクを高める可能性があります。
  • 網膜色素変性症: 網膜に異常がある病気で、シアリスの服用によって視覚に影響が出る可能性があります。
  • シアリスのアレルギー: シアリスの成分にアレルギー反応を起こしたことがある場合は、服用を避けてください。

また、うつ病などの精神疾患の治療に用いられる薬を服用している場合、シアリスを含むED治療薬を服用すると、ED治療薬の効果が十分に得られないだけでなく、性機能障害が悪化する可能性があるという研究結果も出ています。心配な点があれば、自己判断せずに医師や薬剤師に相談するようにしましょう。

例えば、抗うつ薬の中には、性欲減退や勃起機能障害、射精障害などの性機能障害を引き起こす可能性のあるものがあります。抗うつ薬を服用している患者さんがED治療薬を使用する場合は、医師との相談の上、慎重に使用する必要があります。場合によっては、抗うつ薬の種類を変更したり、ED治療薬以外の治療法を検討したりする必要があるかもしれません。

シアリスの正しい服用方法

シアリスは、効果的にED症状を改善する便利な薬ですが、正しく服用しないと、期待した効果が得られない場合や、予期せぬ副作用が現れる可能性もあります。

服用タイミングと用量の目安

シアリスは、性行為の約30分前に服用するのが効果的です。効果が最大36時間続くため、他のED治療薬と比べて時間に余裕を持って服用できます。

例えば、「金曜日の夜にシアリスを服用すれば、日曜日の朝まで効果が期待できる」と考えると、週末のお泊りデートなどを控えている方には非常に心強い味方と言えるでしょう。

食事の影響を受けにくいという特徴も、時間に追われ忙しい現代人にとっては嬉しいポイントです。「仕事が終わってからディナーに出かけるけど、その前に慌てて薬を飲まなきゃ…」なんて心配も無用です。

しかし、自分の症状に合った適切な服用量は人それぞれ異なります。

初回は一般的に10mgから開始しますが、効果が不十分だと感じたら、自己判断で服用量を増やすのではなく、必ず医師に相談してください。医師は、あなたの体質や症状に合わせて、最適な服用量を判断してくれます。

他の薬との併用時の注意事項

シアリスは、他の薬と一緒に服用する場合、注意が必要です。

特に、狭心症の治療薬として処方されるニトログリセリンなどの硝酸剤を服用している場合、シアリスと併用すると血圧が急激に低下し、めまい、失神、最悪の場合、心筋梗塞や脳梗塞などの命に関わる重篤な副作用を引き起こす可能性があります。

また、意外に思われるかもしれませんが、グレープフルーツジュースも注意が必要です。グレープフルーツに含まれる成分は、シアリスの代謝を遅らせてしまい、体内の薬の濃度が必要以上に高くなってしまう可能性があります。これは、副作用のリスクを高めることにつながるため、シアリスを服用する際には、グレープフルーツジュースは避けるようにしましょう。

その他にも、現在服用している薬がある場合は、市販薬やサプリメントも含め、必ず医師に伝えてください。

服用前に医師に相談する重要性

シアリスは多くの患者さんに効果があるED治療薬ですが、すべての人に安全に服用できるわけではありません。

例えば、重度の肝臓病や腎臓病がある方、低血圧の方、心臓や血管の病気がある方などは、シアリスの服用が適さない場合があります。

また、うつ病などの精神疾患の治療薬を服用している場合、性機能障害の副作用が発生する可能性があり、薬の種類によってはシアリスとの併用が適さない場合があります。

例えば、抗うつ薬の中には、性欲減退や勃起機能障害、射精障害など、性に関する様々な問題を引き起こす可能性のあるものが報告されています。

実際に、これらの薬を服用している患者さんがED治療薬を使用する場合、医師とよく相談の上で、慎重に使用する必要があります。場合によっては、抗うつ薬の種類を変更したり、ED治療薬以外の治療法を検討したりする必要があるかもしれません。

ご自身の健康状態や体質、服用している薬などを考慮した上で、シアリスを安全に服用するためにも、必ず服用前に医師に相談し、指示を受けるようにしてください。

医師は、あなたの症状や病歴、服用している薬などを総合的に判断し、あなたにとって最適な治療法を提案してくれます。

まとめ

シアリスは、勃起不全(ED)の治療薬として、効果が最大36時間と長く、食事の影響を受けにくいことが特徴です。他のED治療薬と比較して、性行為のタイミングを気にせず、自然な流れで性行為を楽しみたい方におすすめです。

しかし、シアリスは薬なので、副作用が出る可能性もあります。頭痛、顔のほてり、消化不良、鼻詰まり、筋肉痛などの副作用が報告されています。これらの副作用は、多くは一時的なものです。

シアリスを安全に服用するためには、医師の指示を守り、アルコールやグレープフルーツジュースの摂取を控えるなど、注意が必要です。心臓病、低血圧、脳卒中、網膜色素変性症などの持病がある方は、服用前に必ず医師に相談してください。

ED治療薬を選ぶ際には、自分の症状や体質、服用している薬などを考慮し、医師に相談することが大切です。

全ては患者さんの「もっと早く治療しとけばよかった・・・」を無くしたいから。

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令和6年8月26日 天白橋内科内視鏡クリニック 野田久嗣

・医学博士
・日本内科学会認定内科医
・日本消化器病学会消化器病専門医
・日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医
・がん治療認定医

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参考文献

  1. Trinchieri M, Trinchieri M, Perletti G, Magri V, Stamatiou K, Cai T, Montanari E and Trinchieri A. “Erectile and Ejaculatory Dysfunction Associated with Use of Psychotropic Drugs: A Systematic Review.” The journal of sexual medicine 18, no. 8 (2021): 1354-1363.

追加情報

[title]: Erectile and Ejaculatory Dysfunction Associated with Use of Psychotropic Drugs: A Systematic Review.,

[summary]: ## 【タイトル】 精神薬物使用と関連する勃起機能障害および射精機能障害:系統的レビュー

【要約】

  • 精神安定剤、抗うつ剤、その他の精神薬物による治療は、性的機能障害の副作用を起こす可能性がある。

  • このレビューでは、精神薬物服用中の患者の男性の性的機能障害に関する証拠をレビューし、これらの機能障害の管理のために、精神科以外の医師に具体的な情報を提供することを目的とする。

  • 2020年10月15日までのMedlineとEmbaseデータベースの系統的検索を実施した。少なくとも5週間、精神薬物をプラセボまたは同クラスの別の薬と比較した、ランダム化比較試験を含めた。

  • 男性の性周期の異なる段階を別々に分析し、女性集団から男性集団を評価できる研究を対象とした。

  • 最終的なレビューには、41の研究が含まれた。プラセボと比較して、抗うつ薬治療と性的機能障害の間には有意な関連性が見られた(性欲減退OR 1.89、95%CI:1.40〜2.56、22シリーズ、11試験、7706参加者;勃起機能障害OR = 2.28、95%CI:1.31〜3.97;11試験、3008参加者;射精機能障害OR = 7.31、95%CI:4.38〜12.20、19試験、3973参加者)。選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)の効果を、セロトニン/ノルエピネフリン再取り込み阻害薬(SNRI)の効果と別に評価した場合、プラセボと比較して、SNRIの使用はSSRIの使用よりも有意に勃起機能障害のリスクが高いことがわかった。抗精神病薬が男性の性周期の段階に及ぼす影響に関するデータは限られているが、アリピプラゾールとリスぺリドンは、他の非定型抗精神病薬と比較して、それぞれ勃起機能障害または射精機能障害のリスクが低く、高くなっていることが示された。

  • 精神薬物服用中の患者の男性の性的機能障害の治療には、異なるメカニズムで性的機能に影響を与えるさまざまな薬物の基本的な知識が必要である。

  • 精神薬物が勃起機能と射精に及ぼす影響は、別々に評価された。作用機序の多様性から、精神薬物群の効果を比較することが難しい。

  • 抗精神病薬の投与は、さまざまなメカニズムで男性の性的機能に影響を与えるが、第一世代の抗精神病薬およびリスぺリドンなどのいくつかの非定型抗精神病薬の投与に関連するプロラクチン値の増加は、男性の性的機能障害の決定に主要な役割を果たしていると考えられる。ほとんどの抗うつ薬は、性欲減退、射精機能障害、勃起機能障害を引き起こすが、SNRIの投与は、特に勃起機能障害のリスクと関連している可能性がある。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34247952,

[quote_source]: Trinchieri M, Trinchieri M, Perletti G, Magri V, Stamatiou K, Cai T, Montanari E and Trinchieri A. “Erectile and Ejaculatory Dysfunction Associated with Use of Psychotropic Drugs: A Systematic Review.” The journal of sexual medicine 18, no. 8 (2021): 1354-1363.