「自律神経失調症」と診断されたけれど、どうも腑に落ちない…。もしかしたら、他の病気が隠れているのかも?と不安を抱えていませんか?めまい、立ちくらみ、動悸、倦怠感…症状は様々ですが、検査で「異常なし」と言われてしまうケースも多いこの病気。実は、原因特定が難しく、他の疾患との見分けも重要なのです。
現代社会のストレスや生活習慣の乱れ、ホルモンバランスの変化など、様々な要因が複雑に絡み合って発症する自律神経失調症。その原因究明と適切な検査、そして具体的な治療法について、この記事では詳しく解説していきます。
ご自身の症状と照らし合わせながら読み進めることで、具体的な治療法や費用、治療期間の目安など、一歩踏み出すためのヒントが見つかるはずです。
【この記事の著者のご紹介】
みなさんお待たせしました。専門医がお答えシリーズです!
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内視鏡といえば天白橋。内科もやっぱり天白橋。天白橋内科内視鏡クリニックの院長野田です。
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自律神経失調症の症状を詳しく解説!
自律神経失調症は、まるで体のオーケストラの指揮者が混乱しているような状態です。指揮者である自律神経がうまく働かないため、体の様々な楽器(臓器)が調和を奏でることができず、様々な不調が生じてしまうのです。
この章では、自律神経失調症によって現れる様々な症状を、具体的な例を交えながら詳しく解説していきます。ご自身の症状と比較してみることで、自律神経失調症への理解を深めていただければ幸いです。ただし、ここでご紹介する情報は自己診断のためのものではありません。最終的な診断は、医療機関を受診し、医師の診察を受けていただく必要があります。
めまい、立ちくらみ
朝、ベッドから急に立ち上がると、目の前が真っ白になったり、クラッとしたりする経験はありませんか?まるで、ジェットコースターに乗っているような感覚です。あるいは、満員の通勤電車で長時間立っていた時に、ふらふらとしためまいを感じたことはありませんか?
これらの症状は、自律神経の乱れによって血圧のコントロールがうまくいかなくなることが原因で起こります。健康な状態であれば、立ち上がった際に血圧が下がっても、自律神経がすぐに反応し、血圧を正常な値に戻してくれます。しかし、自律神経失調症ではこの調整機能がうまく働かず、めまいや立ちくらみが起こりやすくなるのです。これは、
自律神経失調症の原因と検査について
自律神経失調症は、ジェットコースターのように様々な症状が現れたり消えたりして、本当に不安になりますよね。検査を受けても「異常なし」と言われてしまうことも多く、どうしたら良いのか分からず途方に暮れてしまう方も少なくありません。
実は、自律神経失調症は様々な原因が複雑に絡み合って起こるため、原因を特定することが非常に難しい病気なのです。まるで、糸がもつれてしまった毛糸玉を解きほぐすような作業をイメージしてみてください。
この章では、自律神経失調症の原因と、天白橋内科内視鏡クリニックで行っている検査についてご説明します。不安な気持ちを少しでも和らげ、安心して検査を受けられるよう、一緒に見ていきましょう。
自律神経の乱れを引き起こす要因:ストレス、生活習慣の乱れ、ホルモンバランスの変化、環境の変化など
自律神経の乱れは、様々な要因が複雑に絡み合っていると考えられています。例えるなら、ドミノ倒しのように、一つの要因が次の要因を連鎖的に引き起こし、最終的に自律神経のバランスを崩してしまうのです。主な要因としては、ストレス、生活習慣の乱れ、ホルモンバランスの変化、環境の変化などが挙げられます。
まず、ストレスについて考えてみましょう。ストレスは、仕事でのプレッシャーや人間関係のトラブル、家庭の問題など、心身に負担がかかる出来事によって生じます。プレゼンテーションで失敗した時や、大事な試験を控えている時など、誰でも多かれ少なかれストレスを感じますよね。学校でのいじめや受験のプレッシャーなども、子供にとっては大きなストレスとなります。
次に、生活習慣の乱れです。不規則な生活や睡眠不足、栄養バランスの偏った食事、運動不足なども、自律神経のバランスを崩しやすくします。例えば、徹夜でゲームをした後に、インスタント食品で食事を済ませる、といった生活を続けていると、自律神経が乱れてしまう可能性が高くなります。
ホルモンバランスの変化は、特に女性に関係が深い要因です。思春期や更年期、妊娠中などは、女性ホルモンの変動が自律神経に影響を与え、様々な症状を引き起こすことがあります。まるで、嵐の海で船が揺れているように、ホルモンバランスの変化によって心身が不安定になりやすい時期と言えるでしょう。
環境の変化も、自律神経の乱れに大きく影響します。引っ越しや転勤、転職、結婚、出産、子どもの入学や卒業、親の介護など、人生には様々な転機があります。これらの変化は、新しい環境に適応しようと頑張るあまり、知らず知らずのうちにストレスをため込んでしまうことがあります。慣れない土地での一人暮らしや、新しい職場での人間関係など、環境の変化は心身に大きな負担をかける可能性があるのです。
これらの要因が単独で、あるいは複数組み合わさって自律神経のバランスを崩し、様々な症状を引き起こすと考えられています。心臓の自律神経制御は、健康な状態でも、病気の状態でも常に変化し続けている動的な過程であり、糖尿病や原発性自律神経不全症候群など、自律神経系に直接影響を与える疾患によって本態性自律神経機能不全が生じます。また、心臓病などの疾患によって二次的に誘発される自律神経機能の変化を反映して、二次性自律神経機能不全が生じるケースもあります。
天白橋内科内視鏡クリニックで行う検査:問診、診察、血液検査など
天白橋内科内視鏡クリニックでは、最初から自律神経の失調を疑いません。まずは内科として身体症状から疑われる内科疾患の除外からスタートします。それでもどれにも当てはまらない場合、自律神経失調症の検査として、まず問診を行います。患者さんの訴える症状だけでなく、普段の生活習慣や過去の病歴なども詳しくお聞きし、現在の状態を総合的に把握するように努めています。これは、まるで探偵が事件の真相を解明するために、様々な情報を集める作業に似ています。
次に、診察を行います。血圧、脈拍、体温などを測定し、身体の状態を客観的に評価します。聴診器を使って心臓や肺の音を聴いたり、お腹を触診したりすることもあります。これらの診察によって、目に見えない体内の変化を捉え、病気のサインを見つけることができるのです。
さらに、必要に応じて血液検査を行います。血液検査では、貧血や甲状腺機能異常など、自律神経失調症と似た症状を引き起こす他の病気が隠れていないかを調べます。これは、他の病気の可能性を除外し、自律神経失調症の診断をより確かなものにするために重要な検査です。
また、当クリニックでは、自律神経機能検査(心拍変動解析)も導入しています。この検査は、安静時の心拍数の変化を測定することで、自律神経の活動状態を客観的に評価することができます。まるで、心拍数という小さな変化から、自律神経という大きなシステムの状態を推測するような、精密な検査と言えるでしょう。
これらの検査結果を総合的に判断し、患者さん一人ひとりに最適な治療方針を決定します。
他の疾患との鑑別診断の重要性
自律神経失調症は、他の病気と症状が似ていることが多いため、きちんと見分けることが非常に重要です。例えば、めまいや動悸は、貧血や心臓病、甲状腺の病気などでも起こることがあります。また、倦怠感や食欲不振は、うつ病や胃腸の病気の可能性もあります。
そのため、天白橋内科内視鏡クリニックでは、問診や診察、血液検査などを通して、他の病気がないかを丁寧に確認しています。もし他の病気が疑われる場合は、専門の医療機関をご紹介いたします。
自律神経失調症は、心臓病などの他の疾患によって二次的に引き起こされることもあるため、様々な側面から心臓自律神経制御を調べることで、他の疾患との鑑別が可能になります。適切な検査を行うことで、本当に必要な治療に繋げることができ、患者さんに安心して治療を受けていただくことができるのです。
自律神経失調症の治療法と天白橋内科内視鏡クリニックでの診療
自律神経失調症と診断されて不安な気持ちを抱えている方もいるかもしれません。 「この先どうなるんだろう?」 「この症状は治るのだろうか?」 様々な不安が頭をよぎることでしょう。
ご安心ください。自律神経失調症は、適切な治療を行えば、多くの場合改善が見られます。
天白橋内科内視鏡クリニックでは、患者さん一人ひとりの状況に寄り添い、最適な治療法を見つけるお手伝いをしています。
ここでは、一般的な治療法と当クリニックの特徴についてご説明しますので、一緒に治療への一歩を踏み出してみましょう。
薬物療法:抗不安薬、抗うつ薬など
自律神経失調症の治療薬として、主に抗不安薬と抗うつ薬が用いられます。
抗不安薬は、「ドキドキする」「不安で落ち着かない」といった症状を和らげる薬です。 緊張した時に一時的に服用する頓服のようなものから、毎日服用することで不安感を軽減するものまで、様々な種類があります。
例えば、講演会などの大切な場面の前に緊張しやすい方には頓服タイプの抗不安薬を、日常的に強い不安感に悩まされている方には持続性の抗不安薬を処方するケースがあります。
抗うつ薬は、「気分が落ち込む」「やる気が出ない」といった症状を改善する薬です。 実は、抗うつ薬は自律神経のバランスを整える効果も持っているため、自律神経失調症にも用いられます。
薬にはそれぞれ効果と副作用があるため、医師と相談しながら、ご自身に合ったものを選択していくことが重要です。 副作用としては、抗不安薬では眠気やふらつき、抗うつ薬では吐き気や食欲不振などが挙げられますが、全ての方に現れるわけではなく、また、時間の経過とともに軽減することも多いです。
漢方薬も、体に優しく自律神経のバランスを整えるのに役立ちます。西洋薬とは異なるアプローチで、体質改善を目的として使用されることもあります。
自律神経失調症は、糖尿病などの疾患によって二次的に引き起こされる場合もあるため、原因疾患の治療も重要な要素となります。
生活指導:規則正しい生活習慣、ストレスマネジメント、リラックス法など
薬物療法と同じく重要なのが、生活習慣の見直しです。 睡眠不足や不規則な食事、運動不足は、自律神経のバランスを崩しやすくします。
規則正しい生活習慣を心がけ、自律神経に良い生活リズムを送りましょう。
- 毎日同じ時間に寝起きする
- バランスの取れた食事を3食きちんと摂る
- 1日30分程度の軽い運動を続ける(ウォーキングやヨガなど)
- 趣味の時間を楽しむ
- 好きな香りのアロマを焚いたり、ゆったりとお風呂に浸かったりする
など、できることから少しずつ始めてみましょう。 いきなり全てを完璧にこなそうとせず、まずは「毎日7時間睡眠をとる」「朝食は必ず食べる」など、一つずつ目標を立てて取り組むのがおすすめです。
ストレスをうまくコントロールすることも大切です。 ストレスは自律神経の大敵です。 自分にあったストレス解消法を見つけることも重要です。 例えば、好きな音楽を聴いたり、ペットと触れ合ったり、自然の中で過ごしたり、友人とのおしゃべりを楽しんだり、様々な方法があります。 自分に合った方法を見つけることができれば、ストレスを軽減し、自律神経のバランスを整えることに繋がります。
天白橋内科内視鏡クリニックの特徴:駅近でアクセス良好
天白橋内科内視鏡クリニックでは、患者さん一人ひとりの症状や生活スタイルに合わせた丁寧な問診を心がけています。自律神経失調症は、症状が多岐にわたり、原因も複雑であるため、しっかりと時間をかけてお話を伺うことが大切だと考えています。
お伺いした情報に基づき、患者さんと一緒に治療方針を決めていきます。
当クリニックは、地下鉄原駅より徒歩2分とアクセスも良く、お仕事帰りや買い物のついでにも立ち寄りやすい環境です。提携駐車場も完備しているので、お車での来院も便利です。また、様々な検査機器も備えていますので、他の病気の可能性もきちんと調べることができます。
治療にかかる費用と期間の目安
治療にかかる費用は、健康保険の適用範囲内で、初診料、再診料、薬剤費などが発生します。3割負担の方ですと、初診時は2,000円程度、再診時は1,000円程度が目安となります。薬剤費は、処方される薬の種類や量によって異なります。治療期間は、症状の程度や生活環境、治療への取り組み方によって個人差があります。一般的には、数ヶ月から1年程度かかることが多いです。
その他相談できる窓口
当クリニック以外にも、お住まいの地域には、様々な相談窓口があります。 例えば、保健所や精神保健福祉センターなどでは、専門の相談員が対応しています。 また、インターネット上にも、信頼できる情報源がたくさんあります。 厚生労働省のホームページなども参考になるでしょう。
心配なことがあれば、一人で抱え込まずに、いつでもご相談ください。
まとめ
自律神経失調症は、自律神経の乱れによりめまい、立ちくらみなど様々な症状が現れます。原因はストレス、生活習慣の乱れ、ホルモンバランスの変化、環境の変化など多岐にわたり、特定が困難です。
天白橋内科内視鏡クリニックでは、問診、診察、血液検査、自律神経機能検査(心拍変動解析)を行い、他の疾患との鑑別診断を行います。治療は薬物療法(抗不安薬、抗うつ薬、漢方薬)、生活指導(規則正しい生活習慣、ストレスマネジメント、リラックス法など)を組み合わせ、費用は保険適用で3割負担の方の初診時は約2,000円、再診時は約1,000円が目安、治療期間は数ヶ月から1年程度です。
当クリニックは駅近でアクセス良好、丁寧な問診と患者に寄り添った治療を心がけています。他には保健所、精神保健福祉センター、厚生労働省のホームページなども相談可能です。
全ては患者さんの「もっと早く治療しとけばよかった・・・」を無くしたいから。
詳しくは当院のホームページ(←こちらをクリック)からどうぞ。
令和6年11月22日
天白橋内科内視鏡クリニック 野田久嗣
・医学博士
・日本内科学会認定内科医
・日本消化器病学会消化器病専門医
・日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医
参考文献
- Goldberger JJ, Arora R, Buckley U, Shivkumar K. “Autonomic Nervous System Dysfunction: JACC Focus Seminar.” Journal of the American College of Cardiology 73, no. 10 (2019): 1189-1206.
追加情報
[title]: Autonomic Nervous System Dysfunction: JACC Focus Seminar.,
自律神経系の機能不全:JACCフォーカスセミナー
【要約】
心臓の自律神経制御は、健康状態と疾患の両方において動的な過程である。
心拍数、拡張機能、伝導、収縮性の制御には、多段階の神経ネットワークが関与している。
本態性自律神経機能不全は、糖尿病や原発性自律神経不全症候群など、自律神経に直接影響を与える疾患から生じる。
二次性自律神経機能不全は、心臓病などの他の疾患によって二次的に誘発される自律神経機能の変化を反映している。
様々な検査により、安静時または安静時からの生理学的変化を伴う状態における心臓自律神経制御の様々な側面を調べることができる。
これらの評価の予後的な意義は確立されているが、臨床的有用性や死亡率との正確なメカニズム的関連性は必ずしも十分に確立されていない。
心臓自律神経機能不全とその悪影響を明確に示し、臨床的意思決定の指針となるツールを開発するためには、さらなる研究が必要である。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30871703,
[quote_source]: Goldberger JJ, Arora R, Buckley U and Shivkumar K. “Autonomic Nervous System Dysfunction: JACC Focus Seminar.” Journal of the American College of Cardiology 73, no. 10 (2019): 1189-1206.