骨粗鬆症の新しい治療 イベニティとは? 骨折を予防しましょう骨粗鬆症の新しい治療 イベニティとは? 骨折を予防しましょう

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骨折、寝たきりのリスク、骨粗鬆症。当院では危ないとわかっていても検査、治療に進まない人が多い。なぜだろうか・・・イベニティとともに

こんにちは。内視鏡といえば天白橋、天白橋内科内視鏡クリニックの院長こと野田久嗣です。


最近看板をだしすぎて主張が激しいと言われる始末ですが、もうちょっと忙しくなるまで激しく主張していきます。よろしくおねがいいたします。

さて、クリニックは定期的に通院されている方や、当院は内科、内視鏡クリニックなので、発熱や腹痛、下痢、血便など自覚症状がある方が多く受診されます。

一方で、予防医療と言いますか、転ばぬ先の杖、病気になる前に治す、ならないように予防するのも大切です。

例えば、当院ですと、大腸内視鏡検査をして、大腸がんになる前のポリープを切除する、胃カメラをやってピロリ菌を除菌して胃癌になりにくくなる、などが考えられます。

私は先日(2025年1月16日)にヘルニアの手術を受けてきました。もともと右足の痛み、痺れがひどくずっと悩んていたところヘルニアがみつかり、薬でも治らない状況で、藁をもすがる気持ちで手術を受けてきました。術翌日も仕事しましたが、わりと激痛で、しびれもひどく、泣きたいながらも頑張って仕事をしました。

何をそんなアピールしているのか?って話ですが、ヘルニア自体は予防がちょっと難しいですが、骨折は骨粗鬆症を治療することで予防することができるということです。

骨折してしまうと当然仕事なんてできなくなるでしょうし、寝たきりになって筋力が落ちると自宅に帰れなくなる可能性もあります。

なので、骨粗鬆症も早期発見早期治療をお勧めします。

まずは、下の簡単骨チェックからどうぞ。

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さらに、2月から整形外科専門医の告野先生が週1回ですが骨粗鬆症外来をやってくれることになりました。

内視鏡内科の院長だとちょっと説得力がないみたいで、骨チェックが黄色信号、赤信号、ダブル赤信号ですら精査にいってもらえないことが多々ありまして。
泣きついた次第です。

株式会社Curelity

告野英利 (Hidetoshi Tsugeno)

共同創業者 代表取締役CEO

プロフィール

2018年 浜松医科大学医学部卒、整形外科専門医、名古屋大学大学院医学系研究科客員研究員。

名古屋大学関連病院勤務ののち、2024年 株式会社Curelityを創業し、代表取締役として「骨粗しょう症診療支援事業」に取り組む。

ぜひに、ぜひとも骨粗鬆症も治療して骨折を予防できたらとおもっております。

それでは本題です。

あなたは骨粗鬆症の治療法でお悩みではありませんか?様々な治療法がある中で、自分に最適な治療法を見つけるのは難しいものです。

特に近年、新たな治療薬として注目されている「イベニティ」という薬をご存知でしょうか? これは注射薬であり、骨を強くする効果が期待できます。

日本では高齢化社会に伴い骨粗鬆症患者数が増加傾向にあり、骨折は寝たきりや要介護状態のリスクを高めます。 実は骨粗鬆症は自覚症状がないまま進行する「サイレントディジーズ」とも呼ばれ、骨折して初めて気づくケースも少なくありません。

この記事では、骨粗鬆症治療薬「イベニティ」について、その効果や副作用、費用、そして他の治療法との比較など、様々な情報を網羅的に解説します。あなたに最適な治療法を見つけるための一助として、ぜひご一読ください。

イベニティ(ロモソズマブ)による骨粗鬆症治療のすべて

骨粗鬆症の治療は多岐にわたり、テレビCMなどで「骨密度アップ!」といった謳い文句を目にするものの、実際どのような薬があるのか、自分に合う治療法はどれなのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。

この記事では、新しい骨粗鬆症治療薬であるイベニティについて、小学生でも理解できるようにわかりやすく解説します。イベニティは注射薬であり、骨を強くする効果が期待できます。副作用などの気になる点も含め、イベニティ治療について一緒に考えていきましょう。

イベニティ(ロモソズマブ)とは?

イベニティ(ロモソズマブ)は、骨粗鬆症の治療に用いられる新しい注射薬です。私たちの骨は常に古い骨が壊される「骨吸収」と、新しい骨が作られる「骨形成」を繰り返しています。このバランスが崩れ、骨吸収が骨形成を上回ると、骨がスカスカになり、もろくなってしまいます。これが骨粗鬆症です。

骨粗鬆症は、静かに進行し、骨折するまで自覚症状がないことが多いため「サイレントディジーズ(沈黙の病気)」とも呼ばれています。初期にはほとんど自覚症状がありませんが、進行すると、背中や腰が曲がってきたり、身長が縮んだり、ちょっとしたことで骨折しやすくなります。高齢化社会の日本で患者数は増加傾向にあり、特に閉経後の女性に多くみられます。

イベニティは、骨を作るのを助け、骨が壊されるのを抑える、まさに一石二鳥の薬です。

イベニティの効果と作用機序

イベニティは、骨の中の「スクレロスチン」という物質にくっついて、その働きを邪魔する薬です。スクレロスチンは骨形成を阻害する物質であるため、イベニティがくっつくことで骨が作られやすくなります。

例えるなら、家を建てる工事現場で、邪魔な岩をどかしてくれるようなイメージです。

さらに、イベニティは骨を壊す細胞(破骨細胞)の働きも抑えるため、骨が壊されるのを防ぎます。これは、工事現場で完成した建物を壊されないように守るようなものです。

つまり、イベニティは骨を作るのを助け、壊すのを抑えることで、骨を強くしてくれるのです。

イベニティの投与方法と費用

イベニティは月に一度、病院で看護師による皮下注射で投与します。注射は、お腹やお尻などに注射針を刺す方法で、チクッとする程度の痛みです。

費用は健康保険が適用され、3割負担の方で1回あたり約5,000円程度です(医療機関によって異なる場合があります)。1年間(12ヶ月間)の投与が必要となるため、年間の費用は約6万円程度となります。

イベニティに向いている人・向いていない人

イベニティは、骨粗鬆症で骨折のリスクが高い人、例えば以前に骨折したことがある人や骨密度が非常に低い人に向いています。

特に、他の骨粗鬆症治療薬で効果が不十分な場合や、副作用などで他の治療薬を継続できない場合に有効な選択肢となります。

一方で、イベニティを使えない人もいます。例えば、重度の腎臓病の人やカルシウムの値が低い人、心臓の病気や脳卒中などの既往がある人は、イベニティを使用することで病状が悪化する可能性があるため使用できません。

また、妊娠中や授乳中の人も使用できません。イベニティは新しい薬であるため、長期的な安全性に関するデータはまだ十分ではありません。そのため、使用にあたっては医師とよく相談し、メリットとデメリットを理解した上で治療を受けることが重要です。

イベニティの副作用と注意点

どんな薬にも副作用はあります。イベニティでよく見られる副作用は、注射部位の痛み、赤み、かゆみなどです。また、風邪のような症状が出る人もいます。これらの副作用は、ほとんどの場合軽度で一時的なものです。

しかし、まれに重い副作用が出ることもあります。例えば、心筋梗塞や脳卒中、顎骨壊死などです。これらの副作用が出たら、すぐに病院に連絡してください。

また、イベニティを使用して骨密度が上がったとしても、薬をやめてしまうと骨密度は再び下がってしまう可能性があります。

骨粗鬆症は、生活習慣の改善も重要です。カルシウムやビタミンDを多く含む食品を摂取したり、適度な運動をしたり、禁煙や節酒を心がけたりすることも大切です。

さらに、転倒予防のために、家の中の整理整頓や、段差をなくすなどの工夫も必要です。イベニティ治療は、これらの生活習慣の改善と並行して行うことで、より効果的になります。

骨粗鬆症の診断と治療法

骨粗鬆症は、骨がもろくなり、骨折しやすくなる病気です。骨粗鬆症を「スナック菓子のようだ」と表現されることがあります。これは、骨の内部構造がスカスカになり、軽い力で骨折しやすくなる様子を例えた表現です。

骨粗鬆症は自覚症状がないまま進行することが多く、骨折して初めて気づくというケースも少なくありません。高齢化社会の日本では患者数が増加傾向にあり、特に閉経後の女性に多く見られます。

早期発見と適切な治療が重要です。この記事では、骨粗鬆症の診断方法と様々な治療法について、わかりやすくご説明します。

骨粗鬆症の診断方法:骨密度検査など

骨粗鬆症の診断には、主に骨密度検査が用いられます。骨密度検査は、骨の強度を測る検査です。

骨密度検査で最もよく用いられるのは、DEXA法(デキサ法、二重エネルギーX線吸収測定法)と呼ばれる検査です。これは、微量のX線を照射して骨の密度を測定する方法です。ベッドに横になるだけで検査は終わり、痛みもありません。検査時間は5分程度と短く、患者さんの負担も少ない検査です。

DEXA法以外にも、超音波を用いた骨密度検査方法もあります。踵の骨(かかとの骨)に超音波をあてて骨密度を測定する方法で、簡便に検査できるというメリットがあります。

骨密度検査の結果は、若年成人の平均値と比較して評価されます。Tスコアと呼ばれる指標を用いて評価し、-2.5SD以下だと骨粗鬆症と診断されます。-1.0SD〜-2.5SDの場合は骨減少症と診断され、骨粗鬆症の一歩手前の状態とされています。

骨密度検査以外にも、血液検査で骨代謝マーカーを測定したり、レントゲン検査で骨折の有無を確認したりすることもあります。骨代謝マーカーは、骨の新陳代謝の状態を反映する血液検査の項目です。骨の新陳代謝が活発なほど、骨代謝マーカーの値は高くなります。

レントゲン検査では、骨折の有無を確認できます。圧迫骨折など、骨粗鬆症が原因で生じた骨折がないか確認します。

骨粗鬆症の治療薬の種類と特徴:ビスホスホネート製剤、SERMなど

骨粗鬆症の治療薬には、大きく分けて骨吸収抑制剤と骨形成促進剤があります。

薬の種類 特徴 具体例
ビスホスホネート製剤 骨を壊す細胞の働きを抑える薬 アレンドロン酸ナトリウム、リセドロン酸ナトリウム
SERM(選択的エストロゲン受容体調節薬) 女性ホルモンに似た働きで骨を守る薬 ラロキシフェン塩酸塩
RANKL阻害剤 骨を壊す細胞を減らす薬 デノスマブ
PTH製剤 骨を作る細胞の働きを高める薬 テリパラチド

ビスホスホネート製剤は、内服薬で、週に1回または月に1回服用します。SERMも内服薬で、毎日服用します。RANKL阻害剤は、注射薬で、半年に1回注射します。PTH製剤も注射薬で、毎日自分で注射します。それぞれの薬には、それぞれメリット・デメリットがあります。医師とよく相談して、自分に合った薬を選びましょう。

すべての骨折予防薬は治療しますが、病気を治癒するわけではありません。薬剤が中止されると、骨格の劣化は遅かれ早かれ再開されます。非ビスホスホネートでは早く、ビスホスホネートでは遅く再開されます。骨密度が正常に達した場合でも、骨粗鬆症と骨折のリスクの上昇は依然として存在します。後続のDXA Tスコアが-2.5を超えていても、骨粗鬆症の診断は持続します。骨折を回避するためには、継続的なモニタリングと戦略的な介入が必要です。

イベニティ以外の骨粗鬆症治療の選択肢

イベニティ以外にも、様々な骨粗鬆症治療の選択肢があります。ビスホスホネート製剤、SERM、RANKL阻害剤、PTH製剤など、様々な種類の薬があり、それぞれ作用機序や投与方法が異なります。例えば、ビスホスホネート製剤は、お菓子のようにポリポリ食べられる錠剤や、月に一度飲む薬などがあります。また、注射薬もあります。それぞれの薬にはメリット・デメリットがあるので、医師と相談して、自分に合った薬を選ぶことが大切です。

治療効果を高める生活習慣の改善:食事・運動・転倒予防

薬物療法だけでなく、生活習慣の改善も骨粗鬆症の治療には重要です。食事では、牛乳やヨーグルトなどの乳製品、小魚、豆腐、小松菜、ひじきなどを積極的に摂り、カルシウムとビタミンDを十分に摂取しましょう。

運動は、ウォーキングやジョギングなどの骨に適度な刺激を与える運動が効果的です。また、家の中でも、つまずきやすい場所を整理したり、滑り止めマットを敷いたりするなど、転倒予防にも心がけましょう。これらの生活習慣の改善は、骨粗鬆症の治療効果を高めるだけでなく、健康寿命を延ばすことにも繋がります。

天白橋内科内視鏡クリニックでの骨粗鬆症治療

骨粗鬆症は、骨がもろくなり骨折しやすくなる病気です。特に高齢化が進む日本では、患者数が増加傾向にあります。骨折は寝たきりや要介護状態のリスクを高めるため、骨粗鬆症の予防と早期治療が重要です。

骨粗鬆症は更年期以降の女性に多い病気ですが、男性も発症する可能性があります。加齢とともに骨量が減少していくため、誰でも骨粗鬆症になるリスクがあると言えるでしょう。

骨粗鬆症は自覚症状に乏しい病気です。そのため、骨折するまで気づかないケースも少なくありません。骨粗鬆症が原因で起こる骨折は、日常生活の些細な動作がきっかけで起こることがあります。例えば、くしゃみや咳をしただけで骨折してしまうこともあります。

当クリニックでは、骨密度検査をはじめとした様々な検査を行い、患者さんの状態を正確に診断します。そして、患者さん一人ひとりに最適な治療プランを提案させていただきます。

天白橋内科内視鏡クリニックでのイベニティ治療

当クリニックでは、骨粗鬆症治療薬としてイベニティ(一般名:ロモソズマブ)の処方も行っています。イベニティは、皮下注射で月に1回投与する薬です。骨を強くする働きと骨がもろくなるのを抑える働きがあり、骨折リスクの減少が期待できます。

他の治療薬で効果が不十分だった方や骨折リスクが高い方にもおすすめです。

薬物療法は骨粗鬆症治療の重要な柱の一つですが、それだけで十分ではありません。効果的な治療のためには、患者さん自身の生活習慣の改善も重要です。栄養バランスの良い食事を摂ること、適度な運動をすること、そして転倒しないように注意することも大切です。

イベニティは新しい薬であるため、長期的な安全性のデータはまだ十分に得られていません。そのため、治療を受ける際は医師とよく相談し、メリットとデメリットを理解した上で判断することが重要です。

骨粗鬆症治療の流れと費用

当クリニックでは、まず問診と診察を行います。患者さんの病状や生活習慣、そして治療に対する希望などを詳しく伺います。その後、骨密度検査などの検査を行い、骨粗鬆症の診断を確定します。必要に応じて、血液検査やレントゲン検査なども行います。

検査結果に基づいて、患者さん一人ひとりに最適な治療プランを一緒に考えていきます。治療には薬物療法だけでなく、食事や運動といった生活習慣の改善も重要です。骨を強くするために必要な栄養素であるカルシウムやビタミンDを十分に摂取できるよう、栄養指導も行っています。また、転倒予防のための運動指導や日常生活における注意点などもアドバイスします。

費用については、健康保険が適用されます。具体的な金額については、受ける検査や処方される薬によって異なりますので、お気軽にお問い合わせください。

骨粗鬆症は、適切な治療を継続することで進行を抑制し、骨折のリスクを減らすことが可能です。健康な骨を維持するためには、定期的な検査と適切な治療、そして日々の生活習慣の見直しが不可欠です。

アクセス方法と診療時間

天白橋内科内視鏡クリニックは、名古屋市営地下鉄鶴舞線「原駅」から徒歩2分の場所にあります。お車でお越しの方は、提携駐車場もご利用いただけます。診療時間は、月曜日から土曜日の午前9時から12時、午後16時から19時までです。休診日は、日曜日と祝日です。

その他の診療内容:風邪、内視鏡検査など

当クリニックでは、骨粗鬆症だけでなく、風邪やインフルエンザなどの一般的な内科疾患、生活習慣病、消化器疾患など、幅広く診療を行っています。内視鏡検査(胃カメラ・大腸カメラ)にも対応しており、気になる症状があればお気軽にご相談ください。また、医療アートメイクやエクソソーム点滴療法などの美容医療にも力を入れています。

よくある質問

Q: イベニティは誰でも受けられますか?

A: いいえ、イベニティはすべての患者さんに適応されるわけではありません。骨粗鬆症の重症度や他の病気の有無、そして妊娠・授乳の有無などによって、適応とならない場合があります。医師が患者さんの状態を診察し、総合的に判断します。

Q: イベニティの治療期間はどれくらいですか?

A: イベニティは、12ヶ月間投与します。その後は、他の骨粗鬆症治療薬に切り替える、もしくは治療を継続するかどうかを検討します。これは、イベニティの投与を中止すると骨密度が再び低下する可能性があるためです。継続的なモニタリングと戦略的な介入が必要です。

Q: 骨粗鬆症の予防のために、どんなことをすれば良いですか?

A: カルシウムやビタミンDを多く含む食品を積極的に摂取し、適度な運動をすることが大切です。日光浴もビタミンD産生に効果的ですが、過度な紫外線は皮膚がんのリスクを高めるため、適切な時間で行うようにしてください。また、禁煙、過度の飲酒は骨密度を低下させるため避けるべきです。

まとめ

イベニティについて、その効果や副作用、費用、そして実際に治療を受ける流れまで詳しく解説しました。骨粗鬆症は自覚症状が乏しいため、気づかないうちに進行してしまう怖い病気です。特に閉経後の女性は注意が必要ですが、男性でも発症する可能性はあります。

イベニティは、骨を強くする効果が期待できる新しい注射薬ですが、他の治療薬と同様に、メリットとデメリットを理解した上で治療を受けることが大切です。この記事が、骨粗鬆症の治療やイベニティについて知るきっかけとなり、ご自身の健康管理に役立てていただければ幸いです。少しでも不安を感じたら、まずは医療機関に相談してみましょう。

全ては患者さんの「もっと早く治療しとけばよかった・・・」を無くしたいから。

詳しくは当院のホームページ(←こちらをクリック)からどうぞ。


 

令和7年1月21日 

天白橋内科内視鏡クリニック 野田久嗣

・医学博士
・日本内科学会認定内科医
・日本消化器病学会消化器病専門医
・日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医

参考文献

  1. LeBoff MS, Greenspan SL, Insogna KL, Lewiecki EM, Saag KG, Singer AJ, Siris ES. “The clinician’s guide to prevention and treatment of osteoporosis.” Osteoporosis international 33, no. 10 (2022): 2049-2102.

追加情報

[title]: The clinician’s guide to prevention and treatment of osteoporosis.,

骨粗鬆症の予防と治療に関する臨床医向けガイド

【要約】

  • 骨粗鬆症は米国および世界で最も一般的な代謝性骨疾患です。
  • 骨粗鬆症は骨折を合併するまで無症候性です。
  • 骨折は、骨折を経験する個人に莫大な医療的および個人的な負担をかけ、経済的に大きな損失をもたらします。
  • 50歳以上の成人における新規骨折は、特に最初の骨折から1年後に、その後の骨折のリスクが顕著に高まることを示唆しています。
  • 患者が不運な事故と認識しているものが、かなりの外傷の結果であっても、骨の脆弱性と将来の骨折のリスクの増加を示す警告サインとみなされる場合があります。
  • 骨粗鬆症性骨折で最も一般的な臨床的または無症候性の椎体骨折は、追加の椎体骨折のリスクが5倍、他の部位での骨折のリスクが2〜3倍増加します。
  • 治療されていない骨粗鬆症は、しばしば障害や早死につながる、再発性の骨折の悪循環につながる可能性があります。
  • 適切な患者では、効果的な骨折予防薬による治療は骨折を予防し、転帰を改善します。
  • プライマリケアの提供者と専門医は、骨折を特定し、実証された骨粗鬆症の介入を開始できる重要なゲートキーパーです。
  • 骨粗鬆症の検出、診断、および治療は、すべての成人医療施設において日常的な慣行であるべきです。
  • 骨粗鬆症の予防と治療に関する正確な情報を提供するために、骨健康と骨粗鬆症財団(BHOF)(旧国立骨粗鬆症財団)は、1999年に初めて臨床医向けガイドを発行しました。
  • その後、骨粗鬆症の診断技術と治療法が大幅に改善されました。
  • これらの進歩にもかかわらず、患者のケアには懸念すべきギャップが残っています。
  • リスクのある患者は、しばしば骨折確率を確立するためにスクリーニングされず、骨折予防について教育されていません。
  • 最も懸念されるのは、骨折を経験した高リスクの女性および男性の大多数が診断されず、効果的なFDA承認の治療を受けていないことです。
  • 適切な治療を処方された人でも、処方通りに薬を服用する可能性は低い。
  • 臨床医向けガイドは、閉経後の女性と50歳以上の男性における骨粗鬆症の予防、リスク評価、診断、および治療に関する簡潔な推奨事項を提供します。
  • これは、骨密度測定の適応症だけでなく、薬物療法のための骨折リスクしきい値も含まれています。
  • 現在、骨を構築または骨の分解を減少させる薬剤は、発生する骨折を大幅に減少させます。
  • すべての骨折予防薬は治療しますが、病気を治癒するわけではありません。
  • 薬剤が中止されると、骨格の劣化は遅かれ早かれ再開されます。非ビスホスホネートでは早く、ビスホスホネートでは遅く再開されます。
  • 骨密度が正常に達した場合でも、骨粗鬆症と骨折のリスクの上昇は依然として存在します。
  • 後続のDXA Tスコアが-2.5を超えていても、骨粗鬆症の診断は持続します。
  • 骨折を回避するためには、継続的なモニタリングと戦略的な介入が必要です。
  • 薬物療法に加えて、十分なカルシウムとビタミンDの摂取、喫煙と過度のアルコール摂取の回避、体重をかけたり抵抗を訓練する運動、転倒予防が、骨折予防の手段に含まれます。
  • 可能な場合は、このガイドの推奨事項はRCTからの証拠に基づいています。ただし、関連する公開されたデータと専門家の臨床経験からのガイダンスは、RCTの証拠が現在不足しているか、年齢や罹患率のためにRCT参加の対象とならなかった多くの骨粗鬆症患者には適用できない分野における推奨事項の基礎を提供します。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35478046,

[quote_source]: LeBoff MS, Greenspan SL, Insogna KL, Lewiecki EM, Saag KG, Singer AJ and Siris ES. “The clinician’s guide to prevention and treatment of osteoporosis.” Osteoporosis international : a journal established as result of cooperation between the European Foundation for Osteoporosis and the National Osteoporosis Foundation of the USA 33, no. 10 (2022): 2049-2102.