名古屋市天白区の天白橋内科内視鏡クリニックの院長野田です。
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今回は改めて消化器内科について解説します。内科や胃腸科との使い分けなどについて触れていきます。
消化器内科とは
消化器内科とは、主に「消化」に関連する部分を診る科ですが、実は非常に多くの分野に分かれます。一般的な消化器内科は、胃潰瘍や胃腸炎の治療、胃カメラ・大腸カメラというイメージがあるでしょうか。なんとなく「胃」や「小腸」「大腸」が思いつきやすい消化器ですが、その他にも肝臓、胆嚢、膵臓など栄養の吸収や管理に関わる部分もあります。
消化器内科の中で、大きなテーマの一つが、「癌」です。日本人の死因の上位を占めているのが、大腸癌や胃癌など、消化器の癌です。これらはいずれも内視鏡での定期検査で、早期発見できれば、大きな外科手術をせずに済んだり、命に関わる前に治してしまうことができるかもしれません。
次の分野が、「救急」に関わる部分です。あまりイメージがわかないかもしれませんが、消化器の救急疾患で、命を落としてしまうことは実は結構多いです。命を落としかねない急な病気というと、心筋梗塞・脳梗塞など心臓や脳に関わる病気のイメージが強いかもしれませんが、実は消化器の病気も適切な治療を受けなければ命を落としてしまうことがあります。また適切な治療を行なったとしても、あまりに急激なケースなどでは救うことができない場合もあり、非常に怖い病気がたくさんあります。救急患者を多く受け入れる病院では、夜中の緊急内視鏡治療などは本当によくあります。
消化器に関連する急な病気は、例えば消化管出血、腸閉塞、急性膵炎、急性胆嚢炎、肝不全などが挙げられます。いずれも出血がひどくなったり、炎症がひどくなれば命に関わることがありますし、肝臓の機能が落ちてくると、どんどん全身の状態が悪くなり、最終的に命を失ってしまいます。急な発熱などは、どうしても新型コロナウイルス感染症が心配になる時代になってしまっています。また医療機関側も発熱の患者さんを受けにくくなってしまっており、電話口で断られてしまうケースもよく聞きます。しかし発熱の患者さんの中には、急性胆嚢炎や胆管炎など、消化器に関わる病気の方もたくさんいらっしゃいますので、特にお腹の痛みがあるなど異常を感じた場合にはできるだけ早めに医療機関を受診するようにしましょう。
最後に大きな分野として、「難病」があります。消化器の難病で代表的なものは、クローン病や潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患という種類の病気です。これらは若い世代に多く、どんどん増えてきてしまっており、現代の食生活の影響ではないかと考えられています。これらの難病は、下痢や便秘などの症状に悩まされる以外にも、癌のリスクにもなります。そして、改善(寛解)と悪化を繰り返します。そのため非常に長い間通院や検査、治療を行わなければならない、本当に大変な病気なのです。そして、新しい薬がどんどん出ている分野ですので、研究的な側面も非常に強いです。
消化器内科の使い分け
消化器内科を受診するきっかけはいくつかあると思いますが、ここでは代表的なケースの「急を要する腹痛」、「長く困っている胃腸の調子の悪さ」、「症状は何もないけれども検診を受けたい」といったことについて解説していきます。
例えば強い腹痛を感じたとき、どこに受診するのが良いでしょうか?強い腹痛は、消化器内科の病気の可能性ももちろんありますが、おなじ消化器の領域であったとしても「外科」による治療が必要であったり、腹部大動脈瘤など心臓血管外科の出番の可能性もあります。そのため強い腹痛を感じた時は、近くの消化器専門のクリニックを受診するよりは、比較的いろんな科がそろっている総合病院を受診する方が良いかもしれません。症状の強さや全身の状態にあわせて、最初から大きな病院に受診した方が良いケースも多いです。
次に、長く続いていて困っている、胃腸の調子の悪さについてです。これはいわゆる「内科」でも受診可能ですが、もし近くに「胃腸科」などがあれば専門的に診てくれるかもしれません。また、広くいろんな病気を含めてもらえる一般内科にかかっておくと、意外な原因の見落としも防げるかもしれません。また内視鏡を専門とする医療機関に受診すれば、難病も含めてある程度は診断できることが多いです。もちろん難病は、医者にとっても難しい場合が多いですので、さらに専門の医療機関を紹介される場合が多いと思います。
最後に「検診」についてです。症状がなくても、一定年齢を超えた方は、胃癌・大腸癌のリスクがありますので、定期的に内視鏡ができる医療機関を受診することをお勧めします。特に大腸癌は増加傾向にありますし、以前詳しく解説していますが、早期発見できなければ、人生にとても大きな影響を及ぼします。そのため症状が出てからでは遅く、症状がないうちから定期的に受診することを強くお勧めします。大腸カメラは、とても苦痛が強いイメージがどうしてもありますが、機械や技術の進歩、そして鎮静薬の使用などでだいぶ負担が軽くなってきています。また、最近ではだいぶ減ってきましたが、「ピロリ菌」についても消化器内科で一度チェックした方が良いと思います。胃潰瘍や胃癌の原因となり、薬を飲むだけで治療できる場合もありますので、まずはピロリ菌がいるかいないかの診断を受けることをお勧めいたします。
まとめ
このように消化器内科の受診は、人生のいろんな局面で必要になってきます。また幸いどこも調子悪くなく、健康に過ごされている方でも、一定年齢を超えたら定期的な内視鏡検査が望ましいですので、是非かかりつけの消化器内科を見つけることをおすすめいたします。
全ては患者さんの「もっと早く検査や治療しとけばよかった・・・」を無くしたいから。
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令和4年1月15日 天白橋内科内視鏡クリニック 野田久嗣
・医学博士
・日本内科学会認定内科医
・日本消化器病学会消化器病専門医
・日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医
・がん治療認定医
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