名古屋市天白区の天白橋内科内視鏡クリニックの院長野田です。
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お待たせし過ぎたかもしれませんし、誰もお待ちではないかもしれません。
今回は高血圧についてです。
高血圧とは
高血圧とは、イメージの通り、血圧が高い状態です。高血圧と聞くと、とてもありふれたもので、健康診断で指摘されても、放っておいてしまっている人はとても多いのではないでしょうか。たかが高血圧でも、実は命を落としてしまうことがあります。そこで今回は、高血圧の危険性、診断基準、予防と治療について少し詳しめに解説していきたいと思います。
高血圧の危険性
高血圧は、血管へのダメージを蓄積させてしまいます。その結果、血管の壁がどんどん脆くなってしまい、血管が傷つき出血し、それが脳に起こると脳出血と呼ばれるものです。そして血圧が高いと、一度出血してしまったら、どんどん出続けてしまうという悪循環に陥ってしまいます。
出血までにならなくても、血管の壁が傷つくことで、そこに白血球やコレステロールなどがあつまり、プラークという塊を作ることがあります。プラークはどんどん大きくなると、血液の通り道を狭くさせる原因となります。またプラークが破裂することがあり、そこで血液が遮断されてしまい脳梗塞や心筋梗塞を引き起こしてしまいます。
そして、さらに大きな血管に影響を及ぼすと、大動脈解離や、くも膜下出血など、すぐに命を失ってしまうような非常に怖い病気の原因となってしまいます。
高血圧の原因
高血圧の原因のほとんどは、特定することができません。そういった特に決まった原因のなさそうな高血圧は「本態性高血圧」と名付けられています。本態性高血圧がおよそ高血圧の8割くらいを占めています。
逆に、原因のはっきりした高血圧もあります。「二次性高血圧」と呼ばれています。例えば血管を収縮させるホルモンが過剰に分泌される病気や、体内の水分量を保たせるホルモンの過剰分泌などが挙げられます。また、睡眠時無呼吸症候群も二次性高血圧の原因として重要です。高血圧の患者さんを診察した際には、このようなあきらかな原因がないかを採血等で確認することが望ましいとされています。二次性高血圧の場合は、原因にあわせて最適な薬を選んだり、睡眠時無呼吸症候群への治療や、場合によっては片方の副腎などを手術で摘出する場合もあります。
ほとんどの場合は原因の特定できない「本態性高血圧」と呼ばれることが多く、年齢が上がるにつれて非常に患者さんが増えていきます。ではこの本態性高血圧ですが、本当に原因がないのか?というお話に移りたいと思います。実は原因はおおよそ分かっていて、でも二次性高血圧とちがって手術で取り除いたりすることができないというのが、本態性高血圧の特徴になります。
実際には本態性高血圧の原因はたくさん分かっています。塩分過剰摂取、喫煙、肥満、運動不足などが代表的です。喫煙、肥満、運動不足などは最近別のページでも取り上げることが多かったので、今回は塩分について説明を加えたいと思います。塩分に気をつけるというのは常識的になってきていると思いますが、実際に意識して生活している人は少ないと思います。食事から塩分をたくさん摂取してしまうと、塩分に含まれているナトリウムが血液の浸透圧を上げてしまいます。血液中の浸透圧が上がってしまうと、血液は水分(H2O)を手放したくない、むしろもっと水(H2O)が欲しいという状態になります。この状態で尿をつくる腎臓では、より水分を蓄えるように働きかけてしまい、尿から出す水分量を減らしてしまいます。こうなると血液の水分量が増え、つまり結果的に血管という空間の中の水が増えますから、ぱんぱんに張って、圧が高くなってしまいます。このようにして血圧が上がるのが、塩分の過剰摂取による血圧上昇のメカニズムです。本当は他にもいろんなメカニズムで血圧は上がってしまいますが、いずれにしても塩分の過剰摂取に注意するという結論に行き着きますので、その他の細かい部分は割愛させていただきます。
高血圧を防ぐには?
本態性高血圧を防ぐには、塩分過剰摂取、喫煙、運動不足、肥満などを一つずつ解決していかなければなりません。喫煙は他の記事にもある通り、本当に悪影響しか及ぼしません。新型タバコもリスクがあると思われます。また運動に関しては、強めの有酸素運動で心臓や肺の機能をあげることで、結果的に血管の柔軟性を保つと考えられていますが、すでに高血圧の方では、高い負荷の運動では、非常に血圧が高くなってしまいますので注意が必要です。現在の状況にあわせてちょうど良い運動強度や量を目指してみてくださいね。
塩分管理に関しては、私もそうですが、非常に難しいですね。健康な人でも男性7.5g、女性6.5gを目指し、高血圧の方は6.0gを切ることを目標とします。さまざまなサイトにこの塩分量をクリアするための食事内容が記載されていますが、塩分がしっかり管理されている食事の代表は、病院食です。美味しくないイメージがどうしてもありますよね?どれだけ頑張って美味しく味付けしようにも、塩分の制限があるために、なかなか難しいのも納得です。
高血圧の基準とまとめ
高血圧の診断は実は結構複雑です。病院でも家でもかまいませんが、血圧が115/75以下であれば、あなたは高血圧ではありません。病院や検診で120/80より高ければ、正常のギリギリライン。130/80を越えれば黄色信号、140/90を越えれば高血圧の域となります。
注意しなければならないのは、病院や検診の時だけ血圧の高い「白衣高血圧」の方がいらっしゃるということです。外で血圧を測る時に緊張して血圧が上がってしまい、家に帰ってからは正常範囲内であるような方が一定数いるようです。このような方は、厳密な意味での、高血圧という診断にはなりませんが、高血圧予備軍であることは間違いないので注意が必要です。また白衣高血圧の方に、安易に血圧を下げる薬を使ってしまうと、家での血圧が下がりすぎて、フラフラしたりめまいのような症状が出現しかねませんので、薬の使用には注意しなければなりません。
高血圧の治療は、しっかりと受診を続けることが、本当に大切です。そして家での毎日の血圧を測り、塩分摂取量を管理し、運動をするという努力をした上で、必要最低限の薬を使うというのが、基本的な方針となります。もちろん状況に応じて、ご自身の努力だけではどうにもならない場合がありますし、運動の程度は人によりことなります。あなたに合わせた治療方法の選択が必要ですので、ぜひ内科のかかりつけ医を持つようにしてください。
全ては患者さんの「もっと早く検査や治療しとけばよかった・・・」を無くしたいから。
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令和4年1月17日 天白橋内科内視鏡クリニック 野田久嗣
・医学博士
・日本内科学会認定内科医
・日本消化器病学会消化器病専門医
・日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医
・がん治療認定医
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