名古屋市天白区原にあります、天白橋内科内視鏡クリニックです。原駅から徒歩約二分のところにあり、無料駐車場もあります。名古屋市天白区原にあります、天白橋内科内視鏡クリニックです。原駅から徒歩約二分のところにあり、無料駐車場もあります。

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糖質制限ダイエットの注意点など。

名古屋市天白区の天白橋内科内視鏡クリニックの院長野田です。

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みなさんお待たせしました。専門医がお答えシリーズです!
お待たせし過ぎたかもしれませんし、誰もお待ちではないかもしれません。

当院に受診しようか迷われている方で、当院のGoogle口コミに対する返事に違和感を感じる方もおられると思います。
一度当院の口コミに関する考え方をお目通し頂き、ご理解いただけるのであれば院長と相性がいいと思います。
口コミに対する思い→ここから

今回はここ数年でメジャーなダイエット法の一つにもなった糖質制限ダイエットについてです。

糖質制限とは

 糖質制限とは、健康な身体を維持し必要な活動を行うために、摂取しなければならないカロリー量のうち、糖質の占める割合を減らすということが根本的な目的と言えます。そして身体の脂肪を代謝させてエネルギーを作り出すことで効率良いダイエットにつながるのではないかという考え方です。

 しかし人間が健康を保ち、十分な活動をするためには、最低限の必要なカロリーを摂取しなければなりません。この必要なカロリーを摂りつつ、糖質を減らすという加減が非常に難しく、これまでたびたび様々な専門家たちが賛成や反対などの意見をぶつけ合っています。たしかに、必要な糖質量を保てない場合は低血糖を起こしたり、結局必要なエネルギー自体を摂取できなければ、異化といって体の筋肉が壊されエネルギーを無理やり作り出すという身体によくない方向に進むことがあります。もちろん糖質の過剰摂取は糖尿病や肥満の原因となりますから注意が必要ですが、糖質制限もやりすぎると危険なことがあります。また糖質を減らした分、タンパク質や脂質から必要なエネルギーを摂取しなければなりませんが、このときに脂肪分の多い肉ばかりに偏りすぎたり、飽和脂肪酸摂取が多くなると、今度は中性脂肪や悪玉コレステロールの上昇など脂質異常症につながることもあります。またタンパク質の量を極端に増やすと、腎臓の負担も増えますので、腎機能が落ちている人は特に気をつけなければなりません。

 私の糖質制限に関しての個人的意見は、「糖質の過剰摂取に注意する」「食事制限はやりすぎず、適度な運動を行う」という可もなく不可もないところに行き着いてしまいます。

 もちろん専門家として「推奨」「反対」を明確にできればいいのですが、受け取り方によっては過度な期待や過度な制限による有害事象を起こされても困ります。また、様々な研究データが出ていますが、いずれも結局は両極端ではいけないという結論に至っているように思えます。

 

糖質制限推奨派の意見と注意点。

 糖質制限推奨派の主張の多くは、糖質から得られるエネルギーを減らすことで、肝臓に溜まっている脂肪酸という成分からエネルギーを作り出させるというメカニズムを利用したものだと思われます。このメカニズムにより確かにエネルギーは作り出されて体の脂肪が利用されていき、ダイエットにつながるかもしれません。しかし、この際に脂肪酸からケトン体という物質が作り出され、このケトン体が過剰になると身体が酸性に傾き、ケトアシドーシスという状態に陥ることがあります。まだ私は糖質制限によるケトアシドーシスには幸い出会ったことがありませんが、まともに栄養を取らずアルコールばかり摂取している人ではケトアシドーシスで命を落とされた方もたまにみることがありました。専門的な知識をつければつけるほど、正直怖い部分です。そのため安易に極端な制限は広くお勧めできるものではありません。

 

 

糖質過剰摂取の問題点

 糖質過剰摂取は言うまでもなく、糖尿病の原因となります。糖尿病のメカニズムですが、血糖値を下げるためにインスリンというホルモンが膵臓から分泌されますが、このインスリンがずっと高い状態が維持されてしまうとだんだん効きが悪くなってきたり、次第に膵臓のインスリンを作る能力が低下していくというイメージで構いません。この糖尿病は腎臓、末梢神経や眼、そして全身の血管にダメージを与えてしまい、透析や手足の感覚障害、失明、心筋梗塞、脳梗塞など非常に多彩な病気を引き起こしてしまいます。肥満でなければ大丈夫というイメージもあるかもしれませんが、糖尿病だけでも十分これらのリスクを上げてしまいますので、本当に注意が必要です。実際に糖尿病予備軍や診断、治療については別のページに詳し目に書かせていただきましたのでぜひご覧ください。


糖質過剰摂取への対策

 実は必要なカロリーに対する糖質の割合というのは、世界規模でみると貧富の差に関連すると言われています。貧困国では糖質の占める割合が高いというデータがあります。そして普段の買い物でも実感しますが、とにかく炭水化物は安いです。肉・魚や野菜などはコストパフォーマンスが悪いですよね。特に菓子パン、うどんなど小麦製品は200円〜300円払えば手間もなくお腹いっぱい食べられるイメージで、朝食や昼食に用いがちではないでしょうか。それに対して良質な脂肪酸を含む魚は、高いわりに処理が大変だし、骨も多く、可食部は限られているなど、毎日食べるには向かない印象も強いかと思います。

 健康を最優先にした食事を考えるときには、常に費用と手間の問題が立ちはだかります。極端な糖質制限をする必要はありませんが、しっかり食事にはお金をかけないと健康を害することもありえます。長い目でみれば、病気になって通院で時間を取られ、治療費がかかり、かつ収入も減るなどの可能性を考えれば、今の食事や運動への投資は十分価値のあるものだと思います。未来の自分や家族への投資と考えて、健康的な食事に対する支出を見直してみてはいかがでしょうか。

 

ほどよい糖質管理

 私の薦める食事管理について説明して終わりにしたいと思います。必要なエネルギーの産出方法はさまざまなサイトで記載されていますが、身長、性別、活動量、年齢などによって推定されます。そのエネルギー量のうち糖質と食物繊維をあわせた炭水化物を50%〜60%程度に抑える。そしてそのほかを良質なタンパク質と脂質に置き換えるというのがほどよいところかなと思います。タンパク質もできればDHAやEPAが豊富な魚を増やすことで、より健康的な身体を作っていくことが期待できるのではないでしょうか。もちろん一人一人にあわせた管理が重要ですし、すでに病気をお持ちの方は医師と十分に相談しなければなりません。総合的に相談できるかかりつけ医を作るのも大切ですね。

全ては皆さんの「もっと健康に気を使っていたらよかった・・・」を無くしたいから。

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令和4年1月15日 天白橋内科内視鏡クリニック 野田久嗣

・医学博士
・日本内科学会認定内科医
・日本消化器病学会消化器病専門医
・日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医
・がん治療認定医

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