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頭がいたい。頭痛の時は内科でいいの?え、何科行けばいいの?

「頭が痛い…いつものことだから大丈夫」と放置していませんか?実はその頭痛、重大な病気のサインかもしれません。頭痛には種類があり、放置するとQOL(生活の質)の低下につながることも。肩や首のこりからくる緊張型頭痛、脈打つような痛みが特徴の片頭痛、目の奥に激しい痛みが走る群発頭痛など、様々なタイプがあります。さらに、脳腫瘍やくも膜下出血といった深刻な病気が隠れているケースも。この記事では、よくある頭痛の原因から危険な頭痛の見分け方、適切な受診科、そして家庭でできる治療法と予防法まで、詳しく解説します。ご自身の頭痛を理解し、適切な対処法を見つけるためにも、ぜひ読み進めてください。


【この記事の著者のご紹介】
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頭痛の種類と症状:知っておきたい4つのポイント

皆さんは、頭が痛くなった時、どんな風に感じますか?「いつもの頭痛かな?」と軽く考えていませんか?実は、頭痛には様々な種類があり、それぞれ原因や対処法が異なります。今回は代表的な4つの頭痛について、症状や特徴を詳しく解説していきます。ただの痛みと安易に考えて放置せず、ご自身の頭痛について理解を深め、適切な対処に役立てていただければと思います。

緊張型頭痛:肩や首こりの延長で起こる頭痛

緊張型頭痛は、最も一般的な頭痛の一つです。その名の通り、肩や首の筋肉の緊張が原因で起こります。デスクワークやスマートフォンの長時間使用など、現代人の生活習慣と密接に関係しています。

私は、毎日何十人もの患者さんを診察する中で、首や肩のこりを訴える方に「そういえば、最近頭痛もありませんか?」と尋ねると、「そういえば…」と思い当たる方が非常に多いことに気づきました。緊張型頭痛は、それくらい私たちの生活に身近な存在なのです。

症状としては、頭全体を締め付けられるような重苦しい痛み、頭重感などが特徴です。まるで頭に輪ゴムを巻かれているような、あるいはヘルメットがきつすぎるような、鈍い痛みと表現されることもあります。ズキンズキンと脈打つような痛みではないことが、片頭痛との大きな違いです。

例えば、長時間の会議の後や、パソコン作業に集中した後に、このような頭痛を感じたことはありませんか?また、精神的なストレスも緊張型頭痛の大きな要因となります。心配事やプレッシャーを抱えている時、無意識のうちに肩や首に力が入ってしまい、筋肉が緊張することで頭痛を引き起こすのです。

緊張型頭痛は、慢性的に続く場合もありますが、多くの場合、一時的なものです。適切な休息やストレッチ、入浴などで症状が和らぐことが多いですが、慢性化している場合は、医療機関への相談も検討しましょう。

片頭痛:ズキンズキンと脈打つように痛む頭痛

片頭痛は、ズキンズキンと脈打つような激しい痛みが特徴です。片側のこめかみから目のあたりが痛むことが多いですが、両側が痛む場合もあります。緊張型頭痛とは異なり、拍動に合わせたリズミカルな痛みであることが特徴です。

私のクリニックにも、片頭痛に悩まされている患者さんが多く来院されます。ある患者さんは、「まるで頭の中でドラムが鳴っているみたい」と表現していました。その言葉通り、片頭痛の痛みは日常生活に大きな支障をきたすほどの激しさになることもあります。

片頭痛は、頭の血管が拡張することで起こると考えられています。ストレスや睡眠不足、気候の変化、女性の場合は生理周期の変動などが、片頭痛の引き金になることがあります。例えば、徹夜明けに激しい頭痛に見舞われたり、台風が接近する日に頭痛がひどくなるといった経験はありませんか?そうした場合は、片頭痛の可能性が高いと言えるでしょう。

片頭痛の特徴として、吐き気や嘔吐、光や音、においなどに過敏になるといった随伴症状を伴うことが挙げられます。これらの症状のために、日常生活に支障が出てしまう人も少なくありません。Aguilar-Sheaらの報告によると、片頭痛は世界で2番目に多い障害の原因となっており、その影響の大きさが伺えます。適切な診断と治療によって、症状をコントロールし、日常生活への影響を最小限に抑えることが重要です。

群発頭痛:目の奥に激しい痛みが起こる頭痛

群発頭痛は、比較的稀なタイプの頭痛ですが、その痛みは非常に強烈です。目の奥に激しい痛みが起こり、えぐられるような、突き刺されるような感覚を伴います。あまりの痛みの激しさから、「自殺頭痛」と呼ばれることもあるほどです。

私は、救急外来で勤務していた頃に、群発頭痛の発作で来院された患者さんを診た経験があります。その患者さんは、あまりの痛みに床を転げ回り、もがき苦しんでいました。群発頭痛の痛みは、想像を絶するほどの激しさなのです。

群発頭痛は、男性に多くみられ、20歳から50歳に好発します。「群発期」と呼ばれる1~2ヶ月間、毎日のように頭痛が起こり、その後数ヶ月から数年、頭痛が全く起こらない「寛解期」を繰り返すという特徴的な経過をたどります。群発期には、毎日決まった時間に頭痛が起こることが多く、夜中に突然痛みに襲われて目が覚めることも少なくありません。

その他の頭痛:くも膜下出血や脳腫瘍などのサインの場合も

頭痛の中には、くも膜下出血や脳腫瘍などの深刻な病気が隠れている場合もあります。特に、「今まで経験したことのないような激しい頭痛」が突然起こった場合は、すぐに救急車を呼ぶ必要があります。バットで殴られたような、あるいは頭に何かが爆発したような、非常に強い痛みを伴うことが多いです。

その他にも、発熱、意識障害、手足のしびれや麻痺、ろれつが回らない、視野が狭くなる、物が二重に見えるなどの症状を伴う場合は、緊急の対応が必要です。

また、副鼻腔炎や緑内障、顎関節症など、比較的よくある病気も頭痛の原因となることがあります。長引く頭痛や、いつもと違う頭痛がある場合は、自己判断せずに医療機関を受診するようにしましょう。

頭痛の原因と適切な受診先:天白橋内科内視鏡クリニックを受診すべき?

ズキンズキン、ガンガン、締め付けられるような重い痛み…、頭痛は本当につらいものです。

「いつもの頭痛だから大丈夫」と軽く考えて放置していませんか?実は、その頭痛、重大な病気のサインかもしれません。

私は内科医として、毎日多くの頭痛に悩む患者さんを診察しています。その中で感じるのは、「適切なタイミングで適切な医療機関を受診することの重要性」です。

今回は、よくある頭痛の原因から、放置してはいけない危険な頭痛の見分け方、そして当クリニックでできることまで、詳しく解説していきます。ご自身の頭痛について理解を深め、適切な行動につなげていただければ幸いです。

ストレスや生活習慣の乱れが原因となる頭痛

現代社会はストレスが多く、生活習慣も乱れがちです。睡眠不足、不規則な食事、運動不足、長時間のパソコン作業…。これらはすべて、頭痛の引き金になり得ます。

例えば、こんな経験はありませんか?

  • 大締切のプレゼン前、徹夜続きで頭がズキズキ痛む。
  • デスクワークで同じ姿勢を長時間続け、肩や首がガチガチになると、後頭部が重く感じる。
  • 家庭や職場での人間関係に悩んでいる時期、頭が締め付けられるような痛みを感じる。

これらは、ストレスや生活習慣の乱れが原因で起こる頭痛の典型的な例です。

このような頭痛は、生活習慣を改善することで症状が和らぐことが多いです。例えば、十分な睡眠をとる、バランスの取れた食事を心がける、適度な運動をする、リラックスする時間を作るなどです。

しかし、これらの対策を試みても頭痛が改善しない場合や、頻繁に頭痛が起こる場合は、医療機関への相談をおすすめします。

病気が原因となる頭痛:脳腫瘍、くも膜下出血など

頭痛の中には、脳腫瘍やくも膜下出血といった命に関わる病気が隠れている場合があります。

これらの病気のサインとなる頭痛は、今まで経験したことのないような激しい痛みであることが多いです。「バットで殴られたような」「頭に何かが爆発したような」などと表現されるほどの激痛が突然襲ってきます。

また、以下のような症状を伴う場合は、すぐに救急車を呼ぶ必要があります。

  • 意識障害(ぼーっとする、呼びかけに反応しないなど)
  • 手足のしびれや麻痺
  • ろれつが回らない
  • 視野が狭くなる、物が二重に見える
  • 激しい嘔吐
  • 高熱

これらの症状は、脳に異常が起こっているサインかもしれません。一刻も早い対応が必要です。

もちろん、すべての激しい頭痛が重大な病気のサインというわけではありません。しかし、少しでも不安な場合は、自己判断せずに医療機関を受診しましょう。

どの診療科を受診するべきか:内科?脳神経外科?

頭痛で病院を受診する際、「どの診療科に行けば良いのかわからない」という方も多いのではないでしょうか。

慢性的な頭痛でお悩みの方は、頭痛外来や脳神経内科を受診するのがおすすめです。これらの診療科では、頭痛の専門医が詳しい検査や診断を行い、適切な治療を提供してくれます。

近くに頭痛外来や脳神経内科がない場合や、どの科を受診すべきか迷う場合は、まずは内科を受診してみましょう。内科では、問診や診察、必要に応じて血液検査などを行い、頭痛の原因を探ります。緊張型頭痛や片頭痛など、一般的な頭痛であれば内科で治療が可能です。また、他の病気の疑いがある場合は、適切な専門医療機関へ紹介してもらえます。

突然の激しい頭痛や、意識障害、手足のしびれなど、緊急を要する症状がある場合は、ためらわずに救急車を呼びましょう。

天白橋内科内視鏡クリニックでできること:診察、検査、治療

当クリニックでは、頭痛でお悩みの方に対し、丁寧な問診、診察、そして必要に応じて血液検査などを行い、頭痛の原因を探っていきます。

緊張型頭痛や片頭痛、群発頭痛など、一般的な頭痛であれば、当クリニックで適切な治療を受けることができます。Aguilar-Sheaらの報告にもあるように、片頭痛は世界で2番目に多い障害の原因となっており、適切な診断と治療が重要です。当院では、最新の知見に基づいた治療を提供し、患者さんの症状緩和に努めています。

また、他の病気の疑いがある場合は、適切な医療機関にご紹介いたしますのでご安心ください。

頭痛は、放置すると日常生活に大きな影響を及ぼす可能性があります。少しでも気になる症状がある場合は、お気軽に当クリニックにご相談ください。

頭痛の治療法と予防法:日常生活でできる3つの対策

頭痛は、日常生活に支障をきたすつらい症状です。慢性的に頭痛を抱えている方も多く、放置するとQOL(生活の質)の低下につながることもあります。「いつもの頭痛だから…」と安易に考えて放置せず、ご自身の頭痛について理解を深め、適切な対処に役立てていきましょう。今回は、日常生活でできる頭痛の治療法と予防法を3つの対策に分けてご紹介します。すぐに始められるものばかりなので、ぜひ試してみてください。

薬物療法:市販薬や処方薬

つらい頭痛を早く治したい!そんな時は薬の力を借りるのも一つの方法です。薬には、ドラッグストアで購入できる市販薬と、医師が処方する処方薬があります。

市販薬で代表的なのは、アセトアミノフェンやイブプロフェン、ロキソプロフェンなどです。これらの薬は、痛みや熱を下げる効果があり、緊張型頭痛や生理痛による頭痛などによく効きます。

薬の種類 効果 適した頭痛の種類
アセトアミノフェン 痛み、熱を下げる 緊張型頭痛、生理痛による頭痛、風邪による頭痛など
イブプロフェン 痛み、熱、炎症を抑える 緊張型頭痛、片頭痛、生理痛による頭痛、歯痛、腰痛など
ロキソプロフェン 痛み、熱、炎症を抑える 緊張型頭痛、片頭痛、生理痛による頭痛、歯痛、腰痛、捻挫など

市販薬を選ぶ際には、ご自身の症状に合わせて選ぶことが重要です。薬剤師に相談するのも良いでしょう。市販薬を服用しても痛みが治まらない、痛みがひどい、頻繁に頭痛が起こる場合は、我慢せずに医療機関を受診しましょう。

医療機関では、症状や原因に合わせて適切な薬を処方してもらえます。例えば、片頭痛にはトリプタン系の薬が処方されることがあります。これは、片頭痛の原因物質を抑える効果があります。吐き気がある場合は、吐き気止めも一緒に処方されることがあります。

私は、患者さんからよく「市販薬で十分ですか?それとも病院に行った方がいいですか?」という質問を受けます。その際にお伝えしているのは、「頭痛の頻度、痛みの程度、そして市販薬の効果」を基準に判断することです。週に何度も頭痛が起こる、痛みが激しくて日常生活に支障が出る、市販薬を飲んでも全く効果がない、といった場合は、医療機関への受診をお勧めしています。

薬は、用法・用量を守って正しく服用することが大切です。自己判断で服用を中止したり、量を変えたりすることは危険なので、必ず医師や薬剤師の指示に従ってください。特に、片頭痛は世界で2番目に多い障害の原因となっているため、自己判断で治療を中断せず、医療機関を受診し適切な治療を受けることが重要です。

生活習慣の改善:睡眠、食事、運動

頭痛は、毎日の生活習慣と密接に関係しています。睡眠不足、不規則な食生活、運動不足、過度なストレスなどは、頭痛を悪化させる大きな要因となります。

例えば、私の患者さんの中には、夜勤で生活リズムが不規則になり、慢性的な頭痛に悩まされている方がいます。また、ストレスの多い仕事をしている方で、週末になると決まって頭痛が起こるという方もいます。

質の良い睡眠をしっかりとることは、頭痛予防に非常に効果的です。毎日同じ時間に寝起きする、寝る前にカフェインを摂らない、快適な睡眠環境を整えるなど、睡眠の質を高める工夫をしてみましょう。

食事も大切です。栄養バランスの取れた食事を心がけ、頭痛を誘発する食品(チョコレート、チーズ、赤ワイン、加工肉など)は控えめにしましょう。また、水分不足も頭痛の原因となるので、こまめに水分補給を行いましょう。

適度な運動も頭痛予防に効果的です。ウォーキングや軽いジョギング、ヨガなど、自分に合った運動を習慣的に行いましょう。運動によってストレス発散にもつながり、心身のリフレッシュにもなります。

その他の治療法:鍼灸、マッサージ、リラクゼーション

薬や生活習慣の改善以外にも、頭痛を和らげる方法はあります。鍼灸治療やマッサージは、筋肉の緊張をほぐし、血行を促進することで頭痛を和らげる効果が期待できます。

私は、以前肩こりがひどく、頭痛にも悩まされていた時期がありました。マッサージ治療院に通い、定期的にマッサージを受けるようになってから、頭痛の頻度が明らかに減った経験があります。

リラクゼーション法(ヨガ、瞑想、アロマテラピー、呼吸法など)も、ストレスを軽減し、リラックスすることで頭痛を予防する効果があります。自分に合った方法を見つけて、積極的に試してみましょう。

色々な方法を試しても頭痛が改善しない場合は、医療機関への受診を検討しましょう。

まとめ

頭痛の種類と原因、対処法をまとめました。

頭痛には、緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛など様々な種類があります。緊張型頭痛は肩や首こりの延長で起こる頭の締め付けられるような痛み、片頭痛はズキンズキンと脈打つ痛み、群発頭痛は目の奥の激しい痛みです。

原因は、ストレスや生活習慣の乱れ、脳腫瘍やくも膜下出血などの病気の場合もあります。

治療法は、市販薬や処方薬による薬物療法、睡眠・食事・運動といった生活習慣の改善、鍼灸・マッサージなどの代替療法があります。

どの診療科を受診すべきかは、慢性頭痛なら頭痛外来や脳神経内科、緊急を要する症状なら救急車を呼びましょう。そうでない場合はまずは内科を受診し、適切な医療機関に紹介してもらうと良いでしょう。

全ては患者さんの「もっと早く治療しとけばよかった・・・」を無くしたいから。

詳しくは当院のホームページ(←こちらをクリック)からどうぞ。


 

令和6年11月24日 

天白橋内科内視鏡クリニック 野田久嗣

・医学博士
・日本内科学会認定内科医
・日本消化器病学会消化器病専門医
・日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医

参考文献

  • Aguilar-Shea AL, Membrilla Md JA, Diaz-de-Teran J. Migraine review for general practice. Atencion primaria 54, no. 2 (2022): 102208.

追加情報

[title]: Migraine review for general practice.,

一般診療における片頭痛のレビュー

【要約】

  • 片頭痛は世界で2番目に障害の原因となっている。

  • 診断は病歴と臨床検査に基づき、画像検査は通常不要である。

  • 片頭痛は、オーラ(前兆)の有無と頭痛の頻度に基づいて分類される。

  • 頭痛日数の多寡によって、片頭痛がエピソード性か慢性性かが決定される。

  • 片頭痛の治療は、頭痛そのものの治療と発現予防の両面から行われる。

  • 本レビューでは、最新の情報を用いて実践的な観点から片頭痛にアプローチしている。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34798397,

[quote_source]: Aguilar-Shea AL, Membrilla Md JA and Diaz-de-Teran J. “Migraine review for general practice.” Atencion primaria 54, no. 2 (2022): 102208.