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内科でインフルエンザの検査をするけどどういった検査?

冬になると、あの辛いインフルエンザが流行り始めます。高熱、倦怠感、咳…考えただけでもゾッとしますよね。実は、インフルエンザはただの風邪とは異なり、重症化することもある怖い感染症です。毎年、世界中で約50万人がインフルエンザで命を落としているという事実をご存知でしょうか?

もしかしてインフルエンザかも?と感じたら、迅速な検査と適切な治療が重要です。このコラムでは、内科で行われるインフルエンザ検査の種類や特徴、そして症状や治療法、予防法まで、徹底的に解説します。 あなたやあなたの大切な人を守るための、インフルエンザ対策の決定版と言えるでしょう。

 

【この記事の著者のご紹介】

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インフルエンザの検査の種類と特徴

冬になると流行するインフルエンザ。高熱や倦怠感、咳、鼻水など、様々な症状が現れ、日常生活に大きな支障をきたします。学校や会社を休まざるを得なくなったり、せっかくの楽しい予定もキャンセルせざるを得ないなど、辛いですよね。

インフルエンザはウイルスによって引き起こされる感染症であり、他の風邪のウイルスによる感染症と症状が似ているため、自己判断は難しく、適切な検査が必要です。検査を受けることで、本当にインフルエンザなのかどうかが分かります。

迅速な対応で、辛い症状を早く改善し、周りの人への感染拡大も防ぐことに繋がります。そのため、インフルエンザが疑われる場合には、早めに医療機関を受診し、検査を受けることが重要です。

当クリニックでは、患者さんの状態に合わせて最適な検査方法を選択し、迅速かつ正確な診断に努めています。

抗原検査:迅速で手軽な検査

抗原検査は、インフルエンザウイルスが持つ特定のタンパク質(抗原)を検出する検査です。鼻腔または咽頭から綿棒で粘液を採取し、検査キットを用いて分析します。

検査時間はわずか10分程度で、迅速に結果が分かります。例えば、発熱や咳などの症状が出てすぐ受診した場合でも、その場でインフルエンザかどうかを判断でき、迅速な治療開始に役立ちます。検査費用も比較的安価です。

一方で、抗原検査はPCR検査に比べて精度が低いという側面も持ち合わせています。ウイルス量が少量の場合、検出できない可能性があり、偽陰性となるリスクがあります。そのため、抗原検査で陰性であっても、症状が続く場合は再検査が必要となることもあります。

項目 内容
検査方法 鼻やのどの粘液を採取
検査時間 約10分
精度 PCR検査より低い
費用 比較的安価

PCR検査:精度の高い検査

PCR検査は、インフルエンザウイルスの遺伝子を増幅して検出する検査です。抗原検査と同様に、鼻腔または咽頭から粘液を採取します。採取した検体は検査機関に送られ、詳細な分析が行われます。検査結果は数時間から数日かかる場合がありますが、抗原検査よりも感度が高く、より正確な診断が可能です。

特に、発症初期やウイルス量がまだ少ない時期でも、インフルエンザウイルスを検出できる可能性が高いというメリットがあります。

インフルエンザウイルスは、抗原ドリフトと呼ばれる現象によって変異しやすく、ワクチンの効果を低下させる可能性があります。PCR検査による正確な診断は、最適な治療法を選択する上で非常に重要です。医学論文でも、インフルエンザの診断には臨床症状に加えて、確認のための検査が重要であるとされています。

核酸検出検査の種類と違い

核酸検出検査とは、ウイルスや細菌などの病原体の遺伝物質(DNAやRNA)を調べる検査の総称です。インフルエンザの検査では、PCR検査が広く用いられています。

PCR検査以外にも、LAMP法やNEAR法など、様々な核酸増幅検査があります。これらの検査は、増幅方法や検査機器が異なりますが、基本的にはウイルスの遺伝物質を検出するという目的は同じです。

検査方法 特徴
PCR検査 精度が高い、結果が出るまで数時間~数日かかる
LAMP法 迅速、簡便、特殊な装置が不要
NEAR法 高感度、迅速

例えば、PCR検査は結果が出るまでに時間がかかるため、迅速な診断が必要な場合は、LAMP法などの迅速検査が適しているケースもあります。当クリニックでは、患者さんの状況に合わせて最適な検査方法を選択していますので、ご不明な点はお気軽にご相談ください。

インフルエンザの症状と原因

インフルエンザは、誰もが一度は経験する可能性のある身近な感染症です。しかし、その症状はただの風邪とは異なり、時に重症化することもあります。だからこそ、インフルエンザの症状を正しく理解し、適切な対応をとることが重要です。

急な発熱

インフルエンザの初期症状として最も特徴的なのが、突然の高熱です。まるでスイッチが入ったかのように、38℃以上の高熱が急に出現することが多く、平熱が36℃の人であれば、たった数時間で4℃近くも体温が上昇することもあります。

私が診察した患者さんの中には、朝から元気に出社したにもかかわらず、お昼過ぎには39℃の高熱が出て、早退を余儀なくされた方もいました。このような急激な発熱は、身体に大きな負担をかけるため、注意が必要です。高熱が出ると、意識がもうろうとしたり、脱水症状に陥ったりする危険性も高まります。

強い倦怠感

高熱に伴い、強い倦怠感も出現します。まるで全身の力が抜けてしまったかのように、身体が重だるく感じ、動くことさえ億劫になります。普段は簡単にできる家事や仕事も、インフルエンザにかかると、非常に困難に感じられるでしょう。

ある患者さんは、「布団から出るのも辛くて、食事も摂らずに一日中寝ていました」と話していました。この倦怠感は、インフルエンザウイルスが体内で増殖し、免疫システムがウイルスと戦うことで生じる炎症反応によるものです。

鼻水、鼻づまり

インフルエンザでは、風邪と同様に鼻水や鼻づまりも起こります。初期は水っぽい鼻水が出ることが多いですが、症状が進行すると粘り気が強くなり、黄色や緑色になることもあります。鼻が詰まると、呼吸がしづらくなるだけでなく、嗅覚も鈍くなります。

特に小さなお子さんの場合、鼻づまりによってうまく呼吸ができず、夜泣きがひどくなることもあります。また、鼻水を頻繁に噛むことで、鼻の周りの皮膚が赤く炎症を起こしてしまうこともありますので、注意が必要です。

咳、喉の痛み

咳や喉の痛みも、インフルエンザの代表的な症状です。咳は最初は乾いた咳であることが多いですが、次第に痰を伴う湿った咳に変化していくこともあります。喉の痛みは、まるで焼け付くような感覚があり、物を飲み込むのも辛くなります。

私が診察した患者さんの中には、「喉が痛すぎて、唾を飲み込むのも苦痛でした」と話していた方もいます。このような症状は、ウイルスが喉の粘膜に炎症を起こすことによって引き起こされます。重症化すると、肺炎を引き起こす可能性もあるため、咳や喉の痛みが続く場合は、早めに医療機関を受診することが重要です。インフルエンザの咳は激しく、時に胸痛を伴うこともあります。

関節痛、筋肉痛

インフルエンザでは、全身の関節や筋肉に痛みを感じることがあります。これは、インフルエンザウイルスが体内で増殖する際に、筋肉や関節に炎症を引き起こすためです。痛みは軽いものから、身体を動かすのが困難になるほどの激しいものまで、様々です。

ある患者さんは、「全身が痛くて、まるで骨が砕けるようでした」と表現していました。このような痛みは、解熱剤である程度軽減できますが、痛みが強い場合は、鎮痛剤を併用することもあります。

インフルエンザの原因となるウイルス

インフルエンザは、インフルエンザウイルスというウイルスによって引き起こされる感染症です。このウイルスは、感染者の咳やくしゃみによって空気中に飛散した飛沫を吸い込むことで感染します(飛沫感染)。また、ウイルスが付着したドアノブや手すりなどを触った後、自分の目や鼻、口などを触ることで感染する接触感染もあります。

インフルエンザウイルスは、A型、B型、C型の3つの型に分類され、それぞれ異なる特徴を持っています。一般的に、A型は流行規模が大きく、症状も重くなる傾向があります。B型はA型に比べると流行規模は小さいですが、症状はA型と同様に重くなることもあります。C型は比較的軽症で、風邪のような症状で済むことが多いです。世界中で毎年約50万人がインフルエンザによって命を落としているという報告もあり、決して軽視できない感染症です。ウイルスは、抗原ドリフトと呼ばれる現象で変異しやすく、ワクチンの効果を低下させる可能性があるため、正確な診断と適切な治療が重要です。

インフルエンザの治療法と予防法

インフルエンザにかかってしまうと、辛い高熱や倦怠感で何もやる気が起きなくなり、日常生活に大きな支障をきたします。早く元気になりたい、でもどうしたら良いのか不安になりますよね。 私自身も医師として働く中で、インフルエンザに罹患した経験があり、その辛さは身をもって理解しています。

ここでは、インフルエンザを早く治すための治療法と、そもそもインフルエンザにかからないための予防法について、分かりやすく説明します。世界中で毎年約50万人がインフルエンザによって命を落としているという報告もあり、決して軽視できない感染症です。

インフルエンザの治療薬(抗インフルエンザ薬)

インフルエンザウイルスを退治するには、抗インフルエンザ薬という特別な薬が必要です。この薬は、ウイルスの増殖を抑える効果があるので、症状が早く良くなるだけでなく、周りの人に感染させてしまうリスクも減らすことができます。まるで、インフルエンザウイルスをやっつけるヒーローみたいですね。

抗インフルエンザ薬には、ゾフルーザ、タミフル、リレンザ、イナビル、ラピアクタなど、いくつか種類があります。それぞれ、薬の服用方法や効果の現れ方に違いがあるので、医師とよく相談して、自分に合った薬を選んでもらいましょう。

大切なのは、症状が出てからなるべく早く、できれば48時間以内に薬を服用することです。早ければ早いほど効果的なので、インフルエンザかな?と思ったら、早めに病院へ行きましょう。

過去に、発熱が出た翌日になってから受診された患者さんで、抗インフルエンザ薬の効果が十分に得られず、症状が長引いてしまったケースを経験しました。早期治療の重要性を改めて感じています。

対症療法:症状を和らげるための治療

インフルエンザになると、高い熱が出たり、頭や体が痛くなったり、喉が痛くなったり、様々な症状が出てきます。これらの症状を和らげるためには、対症療法という治療を行います。

例えば、熱が高いときは、解熱剤で熱を下げます。頭や体が痛いときは、痛み止めを使います。喉が痛いときは、喉飴を舐めたり、うがい薬でうがいをしたりします。咳がひどいときは、咳止めを使います。

これらの薬は、インフルエンザウイルスを直接やっつけることはできませんが、辛い症状を軽くしてくれるので、ゆっくり休んで体力を回復させることができます。まるで、辛い症状を和らげてくれる、優しい看護師さんのような存在ですね。

家庭でのケア:水分補給、安静

インフルエンザで辛いときは、お家でゆっくり休むことが一番大切です。十分な睡眠をとって、体力を回復させましょう。また、水分が失われやすいので、こまめに水分を摂ることも重要です。お水やお茶、スポーツドリンクなどを飲みましょう。

食欲がないときは、無理に食べなくても構いません。消化の良いものを少しずつ食べるようにしましょう。おかゆやうどんなどがおすすめです。まるで、疲れた体を優しく包み込んでくれる、お母さんのような存在ですね。

安静にすることで、免疫力を高め、ウイルスと戦う力をサポートすることができます。安静にすることは、倦怠感がある時には大変辛いことですが、インフルエンザウイルスが体内で増殖し、免疫システムがウイルスと戦うことで生じる炎症反応を抑えるためには大変重要です。

インフルエンザの予防接種

インフルエンザの予防接種は、注射を1回、または2回(年齢や体質によって異なります)接種することで、インフルエンザウイルスに対する免疫をつけ、感染しにくくしたり、発症しても重症化を防ぐ効果があります。

予防接種を受けても100%インフルエンザにかからないわけではありませんが、発症する確率を下げ、症状を軽くすることができます。特に、高齢者の方や小さなお子さん、持病のある方は、インフルエンザにかかると重症化するリスクが高いため、予防接種を受けることが推奨されています。

毎年、流行するインフルエンザウイルスの型が変わるため、予防接種も毎年受ける必要があります。予防接種で体の中に、インフルエンザウイルスをやっつけるための武器を準備しておくイメージです。

インフルエンザワクチンは、健康な成人がワクチンの効果で抗体のピークレベルに達するには、ワクチン接種後約14日かかります。通常10月に始まるインフルエンザシーズンの初めに受けるべきです。

インフルエンザウイルスは、抗原ドリフトと呼ばれる現象で変異しやすく、ワクチンの効果を低下させる可能性があるため、ワクチンの効果を最大限に得るために、流行前に接種することが重要です。

日常生活での予防対策:手洗い、うがい、マスクの着用

インフルエンザウイルスは、咳やくしゃみの飛沫によって感染したり、ウイルスが付着した手で口や鼻を触ることによって感染します(接触感染)。そのため、日常生活でできる予防対策として、手洗い、うがい、マスクの着用が重要です。

手洗いは、石鹸を使って流水で丁寧に洗いましょう。特に、外出先から帰ってきたときや食事の前は必ず手を洗いましょう。うがいは、水でぶくぶくうがいをするだけでも効果があります。

また、人混みに行くときや、咳やくしゃみをしている人がいる場所では、マスクを着用することで、ウイルスを吸い込むのを防ぐことができます。これらの予防対策は、まるで、インフルエンザウイルスから身を守る、盾のような役割を果たします。こまめな手洗い、うがい、マスクの着用を心がけて、インフルエンザから身を守りましょう。

インフルエンザの予防は一人ひとりの心がけが重要です。咳エチケットを心がけることも周りの方への感染拡大を防ぐために重要です。

まとめ

インフルエンザはウイルス性の感染症で、高熱や倦怠感、咳、鼻水などの症状が現れます。検査は迅速な抗原検査と精度の高いPCR検査があり、医療機関で適切な検査が必要です。

治療には抗インフルエンザ薬が用いられ、発症48時間以内の服用が効果的です。解熱剤や咳止めなどで症状を緩和する対症療法も行います。家庭では水分補給と安静が重要です。

予防には予防接種が有効で、流行前に接種することで重症化を防ぎます。また、手洗い、うがい、マスク着用などの日常的な対策も重要です。

全ては患者さんの「もっと早く治療しとけばよかった・・・」を無くしたいから。

詳しくは当院のホームページ(←こちらをクリック)からどうぞ。


 

令和6年11月9日 

天白橋内科内視鏡クリニック 野田久嗣

・医学博士
・日本内科学会認定内科医
・日本消化器病学会消化器病専門医
・日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医

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参考文献

  • Nypaver C, Dehlinger C, Carter C. Influenza and Influenza Vaccine: A Review. Journal of midwifery & women’s health 66, no. 1 (2021): 45-53.

追加情報

[title]: Influenza and Influenza Vaccine: A Review.,

インフルエンザとインフルエンザワクチン:レビュー

【要約】

  • インフルエンザは、世界中で年間約50万人を死亡させる、非常に感染力の強い致命的なウイルスです。
  • インフルエンザの典型的な症状は、発熱、疲労、咳、体の痛みです。
  • 外来では、臨床的な症状から診断が下され、必要に応じて確認のための診断検査を行うことができます。
  • 抗ウイルス薬は、症状発症後できるだけ早く、できれば24時間以内に開始する必要があります。
  • インフルエンザに対する主要な予防策はワクチン接種であり、妊娠中および産後の女性を含む、6か月以上のすべての人々に推奨されています。ただし、ワクチン接種が禁忌となっている場合は除きます。
  • ワクチン接種は、通常10月に始まるインフルエンザシーズンの初めに受けるべきです。
  • 健康な成人がワクチンの効果で抗体のピークレベルに達するには、ワクチン接種後約14日かかります。
  • ワクチン組成とワクチン接種率には課題があります。
  • 次のシーズンのワクチンに含めるべきインフルエンザ株を特定し、予測するには、約6〜8か月かかります。
  • この間に、インフルエンザウイルスは抗原ドリフトを起こす可能性があり、宿主の免疫反応を回避するために変異します。
  • 抗原ドリフトにより、一部のシーズンではワクチンの効果が低下します。
  • インフルエンザウイルスは、まれに抗原シフトを起こすことがあります。これは、ウイルスが新しいウイルスに変化し、パンデミックの可能性を生み出すことを意味します。
  • また、医療へのアクセスが不足している、または限られている、ワクチン接種に関する誤った認識など、ワクチン接種率の低下の要因もあります。
  • 医療政策、患者、医療システム、医療チームなど、複数のレベルをターゲットにした介入を実施し、インフルエンザワクチンのアクセスと接種率を向上させる必要があります。
  • 本論文では、インフルエンザの同定、管理、予防に関する情報をレビューしています。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33522695,

[quote_source]: Nypaver C, Dehlinger C and Carter C. “Influenza and Influenza Vaccine: A Review.” Journal of midwifery & women’s health 66, no. 1 (2021): 45-53.