「最近、なんだか気持ちが落ち着かない…」「夜も眠れなくてつらい…」と感じていませんか? 現代社会のストレスの渦中で、多くの人が不安や緊張、不眠といった症状に悩まされています。もしかしたら、精神安定剤が必要なのかも…と考えている方もいるかもしれません。内科でもらえるのか、それとも精神科?心療内科?いったいどこに行けばいいの?と悩んでいるあなたのために、この記事では内科、心療内科、精神科の違いを分かりやすく解説します。さらに、精神安定剤の種類や効果、副作用、注意点はもちろん、薬以外の治療法についても詳しくご紹介します。自分らしい毎日を取り戻すための一歩を、この記事で踏み出してみませんか?
【この記事の著者のご紹介】
みなさんお待たせしました。専門医がお答えシリーズです!
お待たせし過ぎたかもしれませんし、誰もお待ちではないかもしれません。
内視鏡といえば天白橋。内科もやっぱり天白橋。天白橋内科内視鏡クリニックの院長野田です。
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目次
精神安定剤を処方してもらうには?内科・心療内科・精神科の違い
最近、なんだか落ち着かない、イライラする、眠れない…といった症状に悩まされていませんか? 毎日を過ごすのが辛いと感じていませんか? 「病院に行きたいけど、どこに行けばいいんだろう?」「精神安定剤って、内科でももらえるのかな?」と迷っている方もいるかもしれません。 そんな方のために、今回は内科、心療内科、精神科の違いと、精神安定剤について、それぞれの特徴を踏まえながら詳しく解説します。
身体の不調は内科、心の不調は精神科・心療内科
病院には様々な診療科があり、それぞれ専門とする分野が異なります。風邪をひいたときは内科、骨折したときは整形外科に行くように、心の不調を感じるときは精神科や心療内科を受診するのが適切です。
内科は、主に風邪やインフルエンザ、高血圧、糖尿病などの身体的な病気を診る診療科です。もちろん、身体疾患に伴う精神的な症状(例えば、高血圧による不安感など)に対しても、ある程度の対応は可能です。しかし、心の問題が主な原因で症状が現れている場合は、専門である精神科や心療内科への受診が推奨されます。
では、精神科と心療内科は何が違うのでしょうか? どちらも心の不調を専門的に扱う診療科ですが、心療内科は身体症状を伴う心の不調に重点を置いています。例えば、強いストレスによって胃痛や吐き気、動悸などが現れる場合、心療内科が適しています。精神科は、うつ病、統合失調症、双極性障害など、より重度の精神疾患を専門的に治療する診療科です。
精神安定剤の種類と効果
精神安定剤は、主に不安や緊張を和らげるために用いられる薬です。大きく分けて抗不安薬、睡眠薬、抗うつ薬などがあり、それぞれ効果や副作用が異なります。
抗不安薬の中で最も一般的なのは、ベンゾジアゼピン系と呼ばれる薬です。この薬は、脳内の神経伝達物質であるGABAの働きを強めることで、不安や緊張を軽減する効果があります。 ベンゾジアゼピン系の薬剤は、作用時間の長さによってさらに細かく分類されます。例えば、短時間作用型の薬は効果が早く現れる一方、持続時間が短いため、頓服として用いられることが多いです。 反対に、長時間作用型の薬は効果が現れるまでに時間がかかりますが、持続時間が長いため、1日1~2回の服用で済むというメリットがあります。
睡眠薬は、その名の通り、睡眠障害の治療に用いられる薬です。 睡眠導入剤は、寝つきが悪い場合に服用することで、スムーズな入眠を促します。睡眠維持剤は、夜中に何度も目が覚めてしまう、朝早く目が覚めてしまうといった症状に効果があります。
抗うつ薬は、本来うつ病の治療薬ですが、不安や緊張を和らげる効果もあるため、精神安定剤として処方されることもあります。特に、神経発達障害児の睡眠障害の薬物治療に関する研究では、メラトニンや抗うつ薬、抗精神病薬など、様々な薬が使用されていることが報告されています。薬の選択は、症状や年齢、他の病気の有無などを考慮して、医師が慎重に決めます。
診療科の選び方、受診の目安
「最近、気持ちが落ち込む…」「イライラして仕方ない…」と感じたら、まずは心療内科か精神科に相談してみましょう。身体症状(例えば、動悸、息苦しさ、めまいなど)を伴う場合は、心療内科がおすすめです。
受診の目安は、「日常生活に支障が出ているかどうか」です。例えば、「仕事や学校に行けない」「家事ができない」「趣味を楽しめない」といった状態が続いている場合は、早めに受診することが大切です。
天白橋内科内視鏡クリニックで相談できること
当クリニックは、名古屋市営地下鉄鶴舞線「原駅」より徒歩2分、提携駐車場も完備しており、アクセスしやすい環境です。風邪などの一般的な内科診療に加え、医療アートメイクやエクソソーム点滴療法など、幅広い診療に対応しています。精神的な不調でお悩みの方も、まずはお気軽にご相談ください。ご自身の症状や生活スタイルに合った治療法を一緒に考えていきましょう。
精神安定剤の基礎知識:効果と副作用、注意点
毎日を過ごすのが苦しい、心が落ち着かない、夜も眠れない…。現代社会において、多くの方がこのような不安や緊張、不眠といった症状に悩まされています。精神安定剤は、これらの症状を一時的に緩和するための薬です。つらい症状から解放されたいと思う気持ちは当然のことですが、精神安定剤の効果と同時に、副作用や注意点についても理解することが大切です。この章では、精神安定剤を正しく理解し、使用するための基礎知識を、具体例を交えてわかりやすく解説します。
精神安定剤の主な種類と効果
精神安定剤には、主に抗不安薬、睡眠導入剤、抗うつ薬など、様々な種類があります。それぞれ効果や作用時間が異なり、症状や生活スタイルに合わせて適切な薬を選択する必要があります。
抗不安薬として代表的なのは、ベンゾジアゼピン系の薬です。この薬は、脳内の神経伝達物質であるGABAの働きを強めることで、不安や緊張を軽減する効果があります。例えば、ソラナックスやデパスなどは、日常生活で感じる不安や緊張を和らげる目的で処方されることが多いです。
睡眠導入剤は、寝つきが悪い、眠りが浅いといった睡眠障害の改善に用いられます。マイスリーやハルシオンなど、即効性のある薬が多く、一時的な不眠に効果的です。ただし、睡眠導入剤はあくまで一時的な対処療法であり、根本的な睡眠障害の解決には、生活習慣の改善やストレスマネジメントなども重要になります。
抗うつ薬は、本来うつ病の治療薬ですが、不安症状にも効果がある場合があります。特に、神経発達障害児の睡眠障害の薬物治療に関する研究では、メラトニンや抗うつ薬、抗精神病薬など、様々な薬が使用されていることが報告されています。薬の選択は、症状や年齢、他の病気の有無などを考慮して、医師が慎重に決めます。
精神安定剤の副作用:眠気、ふらつき、依存など
精神安定剤には、様々な副作用があります。主な副作用としては、眠気、ふらつき、集中力の低下、倦怠感などが挙げられます。
例えば、車の運転中に精神安定剤の影響で眠気が襲ってきたら、非常に危険です。抗不安薬を服用している患者さんで、運転中に意識がもうろうとしてしまい、事故を起こしそうになったというケースを実際に診療で経験しました。また、仕事中に集中力が低下し、ミスが増えてしまったという患者さんもいらっしゃいます。
さらに、長期連用により依存が生じる可能性もあります。精神安定剤は、最初は少量でも効果を感じられますが、使い続けるうちに効果が弱まり、量を増やさなければならなくなることがあります。これは、体が薬に慣れてしまうためです。依存を避けるためにも、医師の指示に従い、必要最小限の量を服用することが重要です。
服用時の注意点:アルコールとの併用、運転など
精神安定剤を服用する際には、いくつかの注意点があります。まず、アルコールとの併用は絶対に避けましょう。アルコールと精神安定剤を一緒に摂取すると、薬の効果が強く出すぎて、呼吸抑制などの重篤な副作用が生じる危険性があります。
また、車の運転や機械の操作など、集中力が必要な作業を行う際には、十分に注意が必要です。精神安定剤の影響で眠気やふらつきが生じる可能性があるため、安全に作業を行うことが難しくなる場合があります。
そして、最も重要なことは、医師の指示通りに服用することです。自己判断で服用量を変えたり、急に服用をやめたりすることは危険です。精神安定剤を急にやめると、離脱症状(反跳性不眠、不安の増悪など)が現れることがあります。必ず医師の指示に従い、疑問点があれば相談するようにしましょう。
精神安定剤は対処療法:根本原因へのアプローチの重要性
精神安定剤は、あくまで症状を一時的に抑えるための対処療法です。根本的な原因を解決しない限り、症状は再発する可能性があります。
例えば、過剰な仕事量や人間関係のトラブルなど、強いストレスを感じている人が、精神安定剤だけで症状を抑え込もうとしても、根本的なストレスの原因が解決しない限り、症状は改善しません。
そのため、精神安定剤を服用しながら、根本原因へのアプローチを行うことが重要です。具体的には、カウンセリングや認知行動療法などの心理療法、生活習慣の改善、ストレスマネジメントなどが挙げられます。神経発達障害における睡眠障害に対する薬物治療においても、薬物療法だけでなく、生活習慣指導や心理療法などを並行して行うことが重要視されています。
精神的な不調は、身体の不調と同じように、適切な治療が必要です。精神安定剤は、つらい症状を緩和するための有効な手段の一つですが、あくまで対処療法であることを理解し、医師と相談しながら、自分にとって最適な治療法を見つけていくことが大切です。
精神安定剤以外の治療法:自分にあった治療を見つけよう
つらい症状を緩和してくれる精神安定剤ですが、薬だけに頼るのではなく、根本的な原因にアプローチしていくことが、心の健康を取り戻すための近道です。精神安定剤はあくまで対処療法。心の健康を取り戻すためには、他の治療法と組み合わせることが重要です。自分に合った治療法を見つけることで、より早く、より確実に、自分らしい生活を取り戻しましょう。
カウンセリング:心の専門家との対話
カウンセリングとは、心の専門家と安心して話をすることで、自分の気持ちや考えを整理し、問題解決の糸口を見つける治療法です。カウンセラーは、あなたの話をじっくりと聞き、共感しながら、問題の核心に近づけるように支援してくれます。
まるで心の筋トレのようなもので、自分の心を鍛え、強くしていくためのトレーニングと言えるでしょう。例えば、家庭や職場での人間関係に悩んでいる方が、カウンセラーに話すことで気持ちが整理され、問題解決への具体的なステップが見えてくる、といった効果が期待できます。
カウンセリングには様々な種類があります。例えば、過去のトラウマ(心的外傷)と向き合うことで現在の問題を解決に導く精神力動療法や、思考パターンや行動パターンを変えることで心の状態を改善する認知行動療法などがあります。ご自身の状況や悩みに合わせて、適切なカウンセリングの種類を選ぶことが重要です。最近では、オンラインカウンセリングも普及しており、より気軽に利用できるようになっています。
認知行動療法:考え方や行動パターンを変える
認知行動療法は、考え方や行動パターンを変えることで、心の問題を解決していく治療法です。「考え方を変えるだけで気持ちが楽になるの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。しかし、私たちの感情や行動は、考え方と密接に関係しています。
例えば、プレゼンで失敗して落ち込んでいるとします。「自分はダメだ」と考えるか、「次はもっと準備して頑張ろう」と考えるかで、その後のモチベーションや気持ちが大きく変わってきます。認知行動療法では、物事をネガティブに捉えがちな思考の癖に気づき、それをより現実的でバランスの取れた考え方へと変えていくことで、心の状態を改善していきます。
うつ病や不安障害、パニック障害、強迫性障害、摂食障害など、様々な精神疾患に効果があるとされています。当クリニックでも、不眠症の患者さんに認知行動療法を勧めることがよくあります。睡眠に関する間違った考え方や行動パターンを修正することで、睡眠の質を改善できるケースが多いからです。
生活習慣の改善:睡眠、食事、運動
心と体は密接につながっています。規則正しい生活、バランスの良い食事、適度な運動は、心の健康を保つ上でも非常に大切です。
例えば、寝る直前までスマートフォンやパソコンを使用すると、ブルーライトの影響で脳が覚醒してしまい、寝つきが悪くなります。また、カフェインの過剰摂取や不規則な食事も、睡眠の質を低下させ、自律神経のバランスを崩し、精神的な不調につながりやすくなります。
質の良い睡眠をとるためには、寝る1時間前からは電子機器の使用を控え、リラックスできる環境を整えることが重要です。栄養バランスの取れた食事を心がけ、適度な運動を習慣づけることで、心身の健康を維持しましょう。神経発達障害における睡眠障害の薬物治療においても、薬物療法だけでなく、生活習慣指導や心理療法などを並行して行うことが重要視されています。
ストレスマネジメント:ストレスと上手に向き合う
現代社会で生きる私たちは、様々なストレスにさらされています。ストレスは、心身の健康に悪影響を与える大きな要因です。ストレスマネジメントとは、ストレスの原因を特定し、自分に合った対処法を見つけることで、ストレスと上手に向き合っていく方法です。
ストレスを感じた時、どのように対処していますか?例えば、好きな音楽を聴いたり、アロマを焚いたり、ウォーキングやヨガで体を動かしたり、友人や家族と話をしたりすることで、ストレスを軽減できることがあります。
自分に合ったストレス解消法を見つけることが大切です。また、ストレスを溜め込まないためには、普段からリラックスする時間を作る、趣味を持つ、睡眠時間を確保するなど、日々の生活の中で工夫することも重要です。
天白橋内科内視鏡クリニックの診療時間・アクセス
名古屋市天白区の天白橋内科内視鏡クリニックは、名古屋市営地下鉄鶴舞線「原駅」より徒歩2分とアクセス良好です。提携駐車場も完備しており、お車でも通院いただけます。
内視鏡検査をはじめ、風邪などの一般的な症状、医療アートメイク、メディカルダイエットなど、幅広い診療に対応しています。精神的な不調でお悩みの方も、まずはお気軽にご相談ください。ご自身の症状に合った治療法を一緒に考えていきましょう。
まとめ
心の不調を感じたら、精神科・心療内科への受診が適切です。 内科は身体の病気を診る診療科ですが、精神科・心療内科は心の不調を専門的に扱います。 心療内科は身体症状を伴う心の不調に、精神科は重度の精神疾患に重点を置いています。
精神安定剤は、抗不安薬、睡眠薬、抗うつ薬などに分類され、不安や緊張を和らげる効果があります。 しかし、副作用として眠気、ふらつき、依存などが生じる可能性があり、アルコールとの併用や運転時の注意が必要です。 精神安定剤は対処療法のため、根本的な原因へのアプローチが重要です。
他の治療法として、カウンセリング、認知行動療法、生活習慣の改善、ストレスマネジメントなどがあります。 自分に合った治療法を見つけることで、より早く確実に、自分らしい生活を取り戻せるでしょう。
全ては患者さんの「もっと早く治療しとけばよかった・・・」を無くしたいから。
詳しくは当院のホームページ(←こちらをクリック)からどうぞ。
令和6年11月25日
天白橋内科内視鏡クリニック 野田久嗣
・医学博士
・日本内科学会認定内科医
・日本消化器病学会消化器病専門医
・日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医
参考文献
- Bruni O, Angriman M, Melegari MG, Ferri R. Pharmacotherapeutic management of sleep disorders in children with neurodevelopmental disorders. Expert opinion on pharmacotherapy 20, no. 18 (2019): 2257-2271.
追加情報
[title]: Pharmacotherapeutic management of sleep disorders in children with neurodevelopmental disorders.,
神経発達障害児における睡眠障害の薬物治療
【要約】
神経発達障害児における睡眠障害は非常に多くみられ、適切な治療がなければ慢性化し、長年にわたって続く可能性がある。しかし、小児の不眠症に対して米国食品医薬品局(FDA)が承認した睡眠薬はなく、欧州医薬品庁(EMA)が承認した薬剤も1つのみであるため、多くの薬剤は適応外使用されている。
本稿では、神経発達障害児の睡眠問題治療に使用される一般的な薬物とサプリメントを概説している。メラトニンやメラトニン受容体作動薬、鎮静作用のある抗うつ薬、抗精神病薬、抗ヒスタミン薬、ガバペンチン、クロニジン、オレキシン受容体拮抗薬、ベンゾジアゼピン系薬剤と催眠作用のあるベンゾジアゼピン受容体作動薬の使用に関する推奨事項が示されている。
薬剤の選択と投与量は、睡眠障害の重症度と種類、関連する神経学的病態などを考慮して個別に決定する必要がある。メラトニンは神経発達障害児において広く使用され、安全であると考えられている。ガバペンチン、クロニジン、トラゾドン、ミルタザピンは有望視されているものの、さらなる研究が必要である。鉄、ビタミンD、5-ヒドロキシトリプトファンなどのサプリメントも有効な可能性がある。臨床データの不足から、投与量と忍容性については依然として不確実性が残されている。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31638842,
[quote_source]: Bruni O, Angriman M, Melegari MG and Ferri R. “Pharmacotherapeutic management of sleep disorders in children with neurodevelopmental disorders.” Expert opinion on pharmacotherapy 20, no. 18 (2019): 2257-2271.