
夏の暑さで、だるさや食欲不振、何となく不調を感じていませんか? 多くの人が「夏バテかな?」と安易に考えてしまいがちですが、実はこれらの症状、深刻な病のサインかもしれません。 2023年5月~9月の熱中症搬送者数は91,467人。 決して他人事ではありません。 この記事では、よくある夏バテの症状とその原因を詳しく解説し、さらに夏バテと似た症状が出る危険な病気についてもご紹介します。 もしかして、危険なサインを見逃していませんか? ご自身の体を守るためにも、ぜひこの記事でチェックしてみてください。
【この記事の著者のご紹介】
みなさんお待たせしました。専門医がお答えシリーズです!
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目次
夏バテの症状と原因5つ
夏の暑さが厳しくなると、なんとなく体がだるい、食欲がない、といった症状に悩まされる方が増えます。多くの方は「ああ、夏バテかな」と軽く考えがちですが、実はこれらの症状、放っておくと重篤な病気を引き起こすサインかもしれません。
当院は内科・内視鏡クリニックとして、地域の皆様の健康をサポートしています。今回は、夏バテの代表的な症状と原因を詳しく解説し、さらに夏バテと似た症状が出る病気についてもご紹介します。夏バテかな?と思ったら、まずはこの記事を読んで、ご自身の状態をチェックしてみてください。

夏バテによる倦怠感・疲労感
夏バテの代表的な症状の一つが、倦怠感や疲労感です。「体が重だるい」「やる気が出ない」「鉛を体に括り付けられているようだ」――患者さんからは様々な訴えがありますが、共通しているのは、この状態が長く続くことです。
これは、暑さによって体温調節を司る自律神経のバランスが乱れることが大きな原因です。自律神経は、体温や呼吸、消化など、生命維持に不可欠な機能をコントロールしています。暑い環境では、この自律神経が常に緊張状態に置かれ、体への負担が大きくなるのです。
また、汗をたくさんかくと、水分だけでなく、体内の塩分(ナトリウムなど)も失われます。ナトリウムは、筋肉の収縮や神経の伝達に重要な役割を果たしています。塩分が不足すると、これらの機能が低下し、倦怠感や疲労感が増強されるのです。
食欲不振・吐き気
食欲不振や吐き気も、夏バテでよく見られる症状です。冷たいものばかり飲んだり食べたり、また、暑さで胃腸の働きが弱まっていると、なかなか食欲がわきません。
吐き気を伴う場合は要注意です。脱水症状が進行している可能性があります。脱水になると、体内の水分が不足して血液がドロドロになり、循環が悪くなります。その結果、胃腸への血液供給も滞り、吐き気などの症状が現れるのです。
また、胃腸の不調は、夏バテ以外の病気が隠れている可能性も否定できません。当院では、内視鏡検査による精密検査も可能ですので、気になる症状がある方はご相談ください。
めまい・ふらつき
めまいやふらつきといった症状も、夏バテで経験する方が少なくありません。「立ちくらみがする」「目の前が暗くなる」「ふわふわする」など、症状の現れ方は人それぞれです。
これらの症状は、脱水症状によって血圧が低下したり、自律神経の乱れによって血流が不安定になることが原因として考えられます。また、暑い屋外から冷房の効いた室内へ移動するなど、急激な温度変化もめまいやふらつきを誘発する要因となります。
めまいやふらつきは、転倒のリスクを高めます。特にご高齢の方は、骨折などの重大な怪我につながる可能性があるため、十分に注意が必要です。
睡眠障害・寝不足
夏の暑さや湿度の高さは、睡眠の質を低下させる大きな要因です。「寝苦しくて、何度も目が覚めてしまう」「朝起きた時に、体が重だるい」といった経験をされた方も多いのではないでしょうか。
睡眠不足は、自律神経のバランスを崩し、夏バテの症状を悪化させるだけでなく、免疫力の低下にもつながります。免疫力が低下すると、感染症にかかりやすくなるため、注意が必要です。
集中力の低下
集中力の低下も、夏バテのサインです。「仕事や勉強に集中できない」「ミスが増えた」「ぼーっとしてしまう」など、日常生活に支障をきたすこともあります。
これは、夏バテによって脳への血流が悪くなったり、疲労が蓄積していることが原因として考えられます。集中力の低下は、仕事の能率を下げるだけでなく、事故のリスクも高めます。
夏バテと間違えやすい病気4選
夏バテかな?と思ったら、実は他の病気が隠れているかもしれません。だるさや食欲不振、吐き気などは、夏バテ以外にも様々な原因が考えられます。今回は、夏によく見られる4つの病気について、内科内視鏡クリニックの医師の視点から解説します。自己判断は危険です。医療機関への相談も検討してください。

熱中症
熱中症は、高温多湿な環境で体温調節機能がうまく働かなくなり、体内の水分や塩分のバランスが崩れることで起こります。
初期症状は比較的に軽く、めまい、筋肉痛、こむら返り、大量の汗、立ちくらみなどが挙げられます。まるで、軽い運動の後のような状態です。しかし、熱中症は進行すると重症化し、頭痛、吐き気、倦怠感、集中力の低下、意識障害、けいれん、運動障害などを引き起こす可能性があります。
熱中症の怖いところは、炎天下だけでなく、湿度の高い日や曇りの日、夜間、屋内でも発症する可能性があることです。例えば、風通しの悪い部屋で長時間作業をしていると、気づかないうちに熱中症になっているケースもあります。2023年5月~9月の救急搬送者数は91,467人で、決して他人事ではありません。
熱中症は重症度によって3段階に分けられます。
- Ⅰ度(軽症): めまい、筋肉痛、こむら返り、大量の汗、立ちくらみ
- Ⅱ度(中等症): 頭痛、吐き気、倦怠感、体の力が入らない、集中力や判断力の低下
- Ⅲ度(重症): 意識障害、けいれん、運動障害
予防として、こまめな水分と塩分補給、涼しい環境を確保することが重要です。当院では、NEAR法を用いた迅速な検査で、熱中症の診断を迅速に行うことが可能です。
脱水症
脱水症は、体内の水分と電解質(塩分が水に溶けたもの)のバランスが崩れた状態です。主な原因は、汗や尿、呼吸などで水分が失われる一方で、十分な水分補給ができていないことです。
私たちの体は、体重の約60%が水分でできており、血液やリンパ液、細胞内液など、さまざまな体液が生命維持に重要な役割を果たしています。これらの体液は、栄養素や酸素を体の隅々まで運んだり、老廃物を体外に排出したりするなど、常に体内を循環しています。しかし、脱水状態になると、これらの体液の循環が悪くなり、体の機能に様々な悪影響を及ぼします。
脱水症になると、血液量が減少し、血圧が低下します。その結果、必要な栄養素が体の隅々まで行き渡らなくなり、老廃物を体外へ排出する力も弱まります。また、体温調節機能も低下し、熱中症のリスクが高まります。
症状としては、食欲不振、吐き気、めまい、ふらつき、脚のつり、しびれなどがあります。健康な状態であれば、尿は薄い黄色でほぼ無臭ですが、脱水症状が進むと、尿の色が濃くなり、量も少なくなります。軽度の脱水症であれば、水分補給で改善しますが、重症の場合は点滴などの治療が必要になることもあります。
食中毒
食中毒は、細菌やウイルス、寄生虫などに汚染された食品を食べることで発症する病気です。主な症状は、腹痛、下痢、嘔吐、発熱などです。
食中毒の原因となる病原体は様々ですが、特に夏場は、高温多湿な環境で細菌が繁殖しやすいため、食中毒のリスクが高まります。例えば、サルモネラ菌やカンピロバクター、腸炎ビブリオなどは、夏場に発生しやすい食中毒の原因菌です。
食中毒は、潜伏期間(病原体が体内に侵入してから症状が現れるまでの時間)が数時間から数日と、病原体によって様々です。初期症状として吐き気や嘔吐がみられるケースが多く、その後、腹痛や下痢、発熱などの症状が現れます。多くの場合、数日で回復しますが、乳幼児や高齢者、免疫力が低下している方などは、重症化することもあります。
食中毒を予防するためには、食品の適切な保存、調理、衛生管理が重要です。生肉や魚介類は中心部まで十分に加熱し、生野菜は流水でよく洗いましょう。また、調理器具や食器も清潔に保つように心がけてください。
感染性胃腸炎
感染性胃腸炎は、ウイルスや細菌によって引き起こされる胃腸の炎症です。主な症状は、下痢、嘔吐、腹痛、発熱などです。感染経路は、ウイルスや細菌に汚染された食品や水、または感染者との接触などです。
感染性胃腸炎は、一年を通して発生しますが、特に夏場に流行しやすい病気です。これは、高温多湿な環境でウイルスや細菌が繁殖しやすいためです。また、夏場は冷たいものを多く摂取するため、胃腸の働きが弱まり、感染しやすくなることも原因の一つと考えられています。
感染性胃腸炎の原因となるウイルスや細菌は様々ですが、代表的なものとして、ノロウイルスやロタウイルス、アデノウイルス、サルモネラ菌、カンピロバクターなどが挙げられます。これらの病原体は、感染力が非常に強く、少量のウイルスや細菌でも感染を引き起こす可能性があります。感染予防のためには、こまめな手洗いやうがいが効果的です。また、感染者との接触を避けることも大切です。
夏バテ対策と予防法4選
夏バテは、夏の暑さによって引き起こされる様々な不調の総称です。倦怠感や食欲不振、めまいなど、日常生活に支障をきたす症状が現れることもあります。これらの症状を予防・改善するためには、適切な対策を講じることが重要です。内科全般を診療する当クリニックでは、夏バテをはじめとする様々な内科疾患に対応しております。お困りの際は、お気軽にご相談ください。

適切な水分・塩分補給
夏は体温調節のために汗をかきます。汗は水分だけでなく、ナトリウムなどの電解質も含んでいます。電解質は体液のバランスを保ち、神経や筋肉の働きを正常に保つために不可欠です。汗をたくさんかくと、これらの水分と電解質が失われ、脱水症状を引き起こす可能性があります。
脱水を予防するためには、こまめな水分・塩分補給が重要です。のどが渇く前から、意識的に水分を摂るように心がけましょう。水や麦茶だけでなく、電解質を含むスポーツドリンクや経口補水液も有効です。また、味噌汁やスープなどの塩分を含む温かい飲み物もおすすめです。
ただし、カフェインを含むコーヒーや緑茶、紅茶などは利尿作用があるため、水分補給にはあまり適していません。アルコールも同様です。これらの飲み物は、かえって脱水を悪化させる可能性があるので注意が必要です。
バランスの取れた食事
夏バテで食欲が低下すると、栄養不足に陥りやすくなります。栄養不足は、免疫力の低下や疲労の蓄積につながり、夏バテの症状をさらに悪化させる可能性があります。
バランスの取れた食事を摂ることは、夏バテ対策として非常に重要です。特に、ビタミンB群、ビタミンC、タンパク質、ミネラルなどを積極的に摂取するようにしましょう。
ビタミンB群は、炭水化物、脂質、タンパク質の代謝を助け、エネルギーを産生するために必要な栄養素です。豚肉、うなぎ、レバーなどに多く含まれています。ビタミンCは、免疫機能の維持や抗酸化作用に重要な役割を果たします。果物や野菜に多く含まれています。タンパク質は、筋肉や臓器、血液などの体の組織を作るために必要な栄養素です。肉、魚、卵、大豆製品などに多く含まれています。ミネラルの中でも、カリウムは体内の水分バランスを調整する働きがあり、夏バテ対策に効果的です。海藻類、果物、野菜などに多く含まれています。
適度な運動と休息
夏バテで体力が落ちているときは、激しい運動は控え、ウォーキングやストレッチなどの軽い運動を心がけましょう。適度な運動は、血行を促進し、自律神経のバランスを整える効果が期待できます。
また、十分な休息も重要です。睡眠不足は、自律神経の乱れや免疫力の低下につながり、夏バテの症状を悪化させる可能性があります。
睡眠の質を高めるためには、寝る前にカフェインを含む飲み物を避け、リラックスできる環境を作ることも大切です。ぬるめのお風呂に入ったり、アロマを焚いたり、ヒーリングミュージックを聴いたりするのも良いでしょう。
室温調整と快適な睡眠環境の確保
夏の暑さは、睡眠の質を低下させる大きな要因となります。室温や湿度を適切に調整し、快適な睡眠環境を確保することで、質の高い睡眠をとることができます。
一般的に、快適な室温は26~28℃、湿度は50~60%と言われています。エアコンや扇風機、除湿機などを活用し、室温と湿度を調整しましょう。
また、寝る前にパソコンやスマートフォンなどの電子機器を使用することは、睡眠の質を低下させる可能性があります。寝る1時間前からは、電子機器の使用を控え、リラックスして過ごすように心がけましょう。
まとめ
夏バテかな?と感じたら、まずはこの記事で紹介した症状や原因、夏バテに似た病気を参考に、自分の状態をチェックしてみましょう。もしかしたら、熱中症や脱水症、食中毒、感染性胃腸炎など、他の病気が隠れているかもしれません。自己判断は禁物です。水分・塩分補給、バランスの良い食事、適度な運動と休息、そして快適な睡眠環境を意識して、暑い夏を元気に乗り切りましょう。それでも症状が改善しない場合は、迷わず医療機関に相談してくださいね。
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全ては患者さんの「もっと早く治療しとけばよかった・・・」を無くしたいから。
詳しくは当院のホームページ(←こちらをクリック)からどうぞ。
令和7年6月 23日
天白橋内科内視鏡クリニック 野田久嗣
・医学博士
・日本内科学会認定内科医
・日本消化器病学会消化器病専門医
・日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医