医療機関(病院・クリニック)の待ち時間についての考察
みなさんお待たせしました。専門医がお答えシリーズです!
お待たせし過ぎたかもしれませんし、誰もお待ちではないかもしれません。
内視鏡といえば天白橋。内科もやっぱり天白橋。天白橋内科内視鏡クリニックの院長野田です。
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一般的な患者さん目線から見た病院やクリニックの待ち時間に関する考察
はじめに
病院やクリニックでの待ち時間は、多くの患者さんが一度は経験したことのある課題です。
体調が優れない中、長時間待つことは心身の負担となります。
本記事では、一般的な患者さんの視点から、待ち時間の現状やその影響、問題点、そして改善策について網羅的に考察します。
1. 待ち時間の現状
1.1 待ち時間の長さ
多くの医療機関では、予約をしていても実際の診療までに30分から1時間以上待つ場合があります。
特に以下のような状況で待ち時間が長くなる傾向があります。
混雑する時間帯の受診:平日の午前中や月曜日、連休明けは患者数が増加します。
専門医の診療:専門性の高い医師の元には多くの患者が集まります。
インフルエンザ等の流行時期:季節性の疾病が流行すると患者数が増加します。
1.2 待ち時間の要因
予約システムの不備:予約枠と実際の患者数のバランスが取れていない。
急患の対応:緊急性の高い患者への対応でスケジュールが乱れる。
診療時間の変動:一人ひとりの診療時間が予測不能なため。
2. 待ち時間がもたらす影響
2.1 患者のストレス
長時間の待ち時間は以下のようなストレスを引き起こします。
体調の悪化:待っている間に症状が悪化する可能性があります。
精神的な負荷:不安や苛立ちを感じることがあります。
時間の損失:予定していた他の活動ができなくなる。
2.2 医療機関への評価
待ち時間が長いと、医療機関に対する印象や満足度が低下します。
信頼感の低下:組織運営やサービスに対する信頼が揺らぐ。
再来院の拒否:次回から別の医療機関を選ぶ可能性が高まる。
3. 患者の視点からの問題点
3.1 情報提供の不足
待ち時間の目安がわからない:現在の待ち状況や予想待ち時間の情報が提供されない。
遅延の理由が不明:なぜ待たされているのかの説明がない。
3.2 待合環境の問題
快適性の欠如:座席数が少ない、スペースが狭い、空調が適切でない。
設備の不足:雑誌やテレビ、無料のWi-Fiなどのエンターテイメントがない。
3.3 コミュニケーションの不足
スタッフの対応:忙しさから患者への配慮が欠けている場合がある。
案内の不十分:次に何をすべきか分からない。
4. 待ち時間短縮のための取り組み
4.1 医療機関側の努力
予約システムの改善:オンライン予約や時間帯予約の導入。
待ち時間の可視化:電子掲示板やアプリで現在の待ち状況を表示。
業務効率化:スタッフの配置見直しや診療プロセスの改善。
急患対応の体制強化:急患と一般診療を分けることで影響を軽減。
4.2 技術の活用
AIやITの導入:問診票の電子化、診療前の予備診断アプリの活用。
遠隔医療:オンライン診療の提供で来院不要とする。
5. 患者ができること
5.1 事前予約の活用
オンライン予約の利用:24時間いつでも予約が可能。
混雑時間を避ける:比較的空いている時間帯や曜日を選ぶ。
5.2 事前準備
問診票の記入:事前にダウンロードして記入しておく。
必要書類の確認:保険証、紹介状、検査結果などを忘れずに持参。
5.3 待ち時間の有効活用
読書や学習:興味のある本や資料を持参する。
リラクゼーション:音楽を聴く、瞑想をするなど心を落ち着かせる。
6. おわりに
待ち時間の問題は、医療機関と患者双方にとって重要な課題です。
医療機関側の取り組みと患者さん自身の工夫により、待ち時間の短縮やストレス軽減が可能となります。
お互いの理解と協力が、より良い医療環境の実現につながるでしょう。
全ては患者さんの「もっと早く治療しとけばよかった・・・」を無くしたいから。
詳しくは当院のホームページ(←こちらをクリック)からどうぞ。
令和6年9月25日 天白橋内科内視鏡クリニック 野田久嗣
・医学博士
・日本内科学会認定内科医
・日本消化器病学会消化器病専門医
・日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医
参考文献
厚生労働省:「患者のための医療サービスの質向上に関するガイドライン」
日本医師会:「医療機関における待ち時間短縮のための取り組み事例集」
医療経営学会:「患者満足度向上のための待ち時間管理」
注意:本記事は一般的な情報提供を目的としており、具体的な医療機関の対応は各施設によって異なります。詳細な対応や取り組みについては、直接医療機関にお問い合わせください。