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内科でもらえる痩せる薬ってなに?メディカルダイエットについて内科医が解説!

「何をやっても痩せない…」あなたはそう嘆いていませんか?食事制限や運動を頑張っても、なかなか結果が出ないもどかしさ、経験済みの方も多いのではないでしょうか。実は、医療の力を借りて健康的にダイエットする方法があるんです。それが「メディカルダイエット」です。この記事では、内科医が解説するメディカルダイエットの基礎知識から、効果的な薬の選び方、費用やクリニック選びのポイントまで、わかりやすくお伝えします。あなたもメディカルダイエットで、理想の体を目指しませんか?

【この記事の著者の紹介】
みなさんお待たせしました。専門医がお答えシリーズです!
お待たせし過ぎたかもしれませんし、誰もお待ちではないかもしれません。
内視鏡といえば天白橋。内科もやっぱり天白橋。天白橋内科内視鏡クリニックの院長野田です。

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内科で処方される痩せる薬の種類と効果

ダイエットは多くの方にとって永遠のテーマと言えるでしょう。食事制限や運動をしてもなかなか結果が出ないと、モチベーションが下がってしまいますよね。私は内科医として、患者さんからダイエットの相談を受けることが多くあります。「何をやっても痩せないんです…」と涙ぐまれる方もいらっしゃいます。そこで今日は、内科で処方される痩せる薬について、メディカルダイエットという観点から解説します。ダイエットで行き詰まっている方、ぜひ参考にしてみてください。

GLP-1受容体作動薬の効果と副作用

GLP-1受容体作動薬は、私たちの体の中にあるGLP-1というホルモンと同じような働きをする薬です。GLP-1は、食事をすると腸から分泌され、すい臓に「インスリンを出してね」と指令を出す役割を担っています。インスリンは、血液中のブドウ糖をエネルギーに変換する重要なホルモンです。

GLP-1受容体作動薬には、食欲を抑える効果があります。例えば、以前ケーキを3つ食べていた人が、この薬を服用することで1つで満足できるようになる、といったイメージです。この食欲抑制効果によって、食べ過ぎを防ぎ、自然な体重減少をサポートします。

糖尿病の治療薬として開発されたこの薬は、2型糖尿病の患者さんに使用することで、全死亡率、心臓血管死亡率、心筋梗塞、腎不全のリスクを減少させるという研究結果も出ています。

効果 副作用(比較的多くみられるもの)
食欲抑制 吐き気
体重減少 便秘
血糖値の改善 下痢

副作用は、薬の使用開始時に起こりやすいですが、多くの場合、体が薬に慣れてくると軽くなっていきます。副作用が辛い場合は、我慢せずに医師に相談しましょう。

SGLT2阻害薬の特長と留意点

SGLT2阻害薬は、尿中に糖を排出することで血糖値を下げる薬です。尿に糖を出すことで、体の外にカロリーを捨てることになり、体重減少効果も期待できます。糖尿病の患者さんに処方することが多い薬ですが、ダイエット目的でも使用されることがあります。

特長 留意点
尿に糖を排出することで血糖値を下げる 脱水症状に注意
体重減少効果 性器感染症のリスク増加
心臓や腎臓を守る効果 高齢者の場合は低血糖にも注意

SGLT2阻害薬は、心臓や腎臓を守る効果があるという研究結果が報告されています。GLP-1受容体作動薬と同じく、2型糖尿病の患者さんに使用することで、死亡率や心筋梗塞、腎不全のリスクを減少させることが示されています。特に、心不全による入院リスクを減少させる効果が高いという報告もあります。

しかし、尿に糖を出すことで水分も一緒に排出されるため、脱水症状に注意が必要です。こまめな水分補給を心がけましょう。また、性器感染症のリスクが若干高まる可能性があるため、清潔を保つことも重要です。高齢者の場合は低血糖にも注意が必要です。

サノレックスと防風通聖散の使用方法と注意事項

サノレックスは、食欲を抑える中枢神経に作用する薬です。強力な食欲抑制効果があり、短期間で体重を落とすことができます。しかし、依存性や副作用のリスクがあるため、厚生労働省が定めた期間内のみ使用が認められています。

防風通聖散は、18種類の生薬から作られた漢方薬で、便秘がちで肥満体質の方によく用いられます。脂肪の代謝を促進し、便通を良くすることで、体重を減らす効果が期待できます。

使用方法 注意事項
サノレックス 食欲抑制効果の高い薬なので、医師の指示に従って服用する 依存性や副作用のリスクがあるため、決められた期間内での使用
防風通聖散 便秘がちで肥満体質の人のダイエットをサポート 体質に合わない場合は、効果が出にくい場合も

サノレックスは効果が高い反面、副作用のリスクもあるため、医師の指示に従って正しく服用することが大切です。防風通聖散は比較的穏やかな漢方薬ですが、体質に合わない場合は効果が期待できないこともあります。医師に相談し、自分に合った薬を選ぶようにしましょう。

メディカルダイエットの基本とその方法

ダイエットに挑戦したことがある方は多いのではないでしょうか?

「よし、明日からダイエット!」と意気込んで始めてみたものの、なかなか続かなかったり、リバウンドしてしまったり…ダイエットは多くの方にとって、挫折を繰り返す難しい課題ですよね。

食事制限や運動を頑張ってもなかなか結果が出ないと、モチベーションが下がってしまいやすいものです。

私は内科医として、患者さんからダイエットの相談を受けることが多くあります。「何をやっても痩せないんです…」と涙ぐまれる方もいらっしゃいます。

つらい食事制限やハードな運動を想像して、なかなかダイエットを始める勇気が出ない方もいるかもしれません。

そこで、この記事では、医学的な根拠に基づいて行う「メディカルダイエット」の基本と具体的な方法について、小学生でもわかるように丁寧に解説していきます。

メディカルダイエットの定義

メディカルダイエットとは、医師や管理栄養士などの専門家の指導のもと、医学的な根拠に基づいて行うダイエットのことです。

単に体重を減らすだけでなく、生活習慣病の予防や改善、健康状態の維持・向上などを目的としています。

例えば、皆さんはご飯やパンなどの炭水化物を食べた後、血糖値がどのように変化するか知っていますか?

炭水化物をたくさん食べてしまうと、血糖値はジェットコースターのように急上昇します。

すると、それを下げるために「インスリン」という物質が体の中で分泌されます。インスリンは、血糖値を下げるだけでなく、脂肪をため込む働きもあるため、血糖値の乱高下は太りやすくなってしまう原因の一つなのです。

メディカルダイエットでは、このような体の仕組みを考慮し、一人ひとりの体質や生活習慣に合わせた食事指導や運動療法、場合によっては薬物療法などを組み合わせて、健康的に痩せるためのプログラムを作成します。

例えば、私の患者さんでAさんという方がいます。Aさんは食べることが大好きで、ついつい間食をしてしまうことが悩みでした。医師との相談の結果、Aさんの食生活の問題点は、食事の時間が不規則で、栄養バランスが偏っていることだとわかりました。3食きちんと食べる時間を取らずに、お菓子やジュースで空腹を満たしていたのです。

そこで、Aさんは、3食きちんと食べること、お菓子ではなく果物やヨーグルトなどのヘルシーな間食を選ぶこと、栄養バランスのとれた食事を心がけることを目標に、私のサポートを受けながらダイエットに取り組むことになりました。

Aさんのように、自分の食生活の問題点を把握し、具体的な目標を設定することが、メディカルダイエットの第一歩です。

食事管理と運動の重要性

メディカルダイエットで特に重要なのが、食事管理と運動です。どちらもバランスよく行うことが大切です。

食事管理では、1日に必要なカロリーを計算し、栄養バランスの良い食事を摂ることが重要です。

例えば、ご飯やパン、麺類などの炭水化物、肉や魚、卵、大豆製品などのたんぱく質、野菜や果物などのビタミン・ミネラルをバランスよく摂るように心がけましょう。

成長期のお子さんであれば、給食を残さず食べることも大切です。給食は栄養バランスが考えられて作られていますので、好き嫌いせず、色々な食材を食べるようにしましょう。

また、早食いを避け、ゆっくりよく噛んで食べることも大切です。よく噛むことで満腹感を得やすくなり、食べ過ぎを防ぐことができます。

私の患者さんの中には、一口30回噛むことを目標にしている方もいます。最初は大変かもしれませんが、慣れてくると自然と噛む回数が増えてきます。

運動は、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動と、筋トレなどの無酸素運動を組み合わせることで、より効果的に脂肪を燃焼させることができます。

例えば、週に3回、30分のウォーキングと、週に2回、30分の筋トレを行うと良いでしょう。

運動が苦手な方は、まずは週に1回、15分のウォーキングから始めてみるのも良いでしょう。無理なく続けられる範囲で、徐々に運動量を増やしていくことが大切です。

体重管理に向けた心理的アプローチ

ダイエットを成功させるためには、食事管理や運動だけでなく、メンタル面も重要です。

「ダイエットはつらいもの」「必ず失敗する」といったネガティブな思考ではなく、「健康のために頑張ろう」「少しずつでも体重が減ったら嬉しいな」といったポジティブな思考を持つことが大切です。

ストレスをため込みすぎると、過食につながったり、ダイエットのモチベーションが下がったりしてしまうこともあります。好きな音楽を聴いたり、趣味に没頭したり、リラックスできる時間を作るように心がけましょう。

また、家族や友人など、周りの人にダイエットの目標を宣言することで、モチベーションを維持しやすくなります。一人で抱え込まず、周りの人に相談したり、励ましてもらったりすることも、ダイエット成功の秘訣です。

私の患者さんの中には、ダイエット仲間を作って、互いに励まし合いながらダイエットに取り組んでいる方もいます。

ダイエットは一人でするよりも、誰かと一緒に頑張る方が、成功率が高まるという研究結果もあります。

メディカルダイエットの費用とクリニック選び

ダイエットは、多くの人にとって永遠のテーマと言えるかもしれません。

食事制限や運動を頑張ってもなかなか結果が出ないと、モチベーションが下がってしまいやすいものです。

そこで近年注目されているのが「メディカルダイエット」です。

医療の力を借りて、健康的に痩せることができるメディカルダイエットですが、気になるのは費用やクリニック選びですよね。

この章では、メディカルダイエットにかかる費用相場や、信頼できるクリニックの見極め方について、内科医の視点から詳しく解説していきます。

メディカルダイエットの費用相場

メディカルダイエットの費用は、クリニックによって大きく異なります。

ダイエットに使う薬の種類や、受けられるサービス内容によっても費用は変わってきます。

例えば、自由診療になるGLP-1受容体作動薬を使う場合、薬代だけで月に約3万円〜5万円かかることが多いです。

私は以前、大学病院で糖尿病の専門外来を担当していたことがありますが、GLP-1受容体作動薬は、1日1回注射するタイプや週に1回注射するタイプなど様々な種類があります。

費用も薬の種類によって異なってきますので、医師とよく相談して自分に合った薬を選ぶことが大切です。

これに、初診料や再診料、血液検査などの費用が追加されます。

血液検査は、1回あたり5千円〜1万円程度が相場です。

私のクリニックでは、ダイエット中の患者さんの健康状態を細かくチェックするために、血液検査でコレステロールや中性脂肪、肝機能などを定期的に測定しています。

また、管理栄養士による食事指導や、運動療法士による運動指導などを受けられるクリニックでは、さらに費用が加算される場合があります。

私のクリニックには管理栄養士が常駐しており、患者さん一人ひとりのライフスタイルに合わせた食事指導を行っています。

例えば、外食が多い方には、コンビニやレストランで選べるヘルシーなメニューを提案したり、自炊する時間がない方には、簡単に作れる栄養バランスの良いレシピを紹介したりしています。

これらの費用を合計すると、メディカルダイエットにかかる総額は、クリニックやコース内容にもよりますが、月に数万円〜十数万円と、結構幅広いです。

項目 費用相場
初診料 2,000円~5,000円
再診料 1,000円~2,000円
GLP-1受容体作動薬 30,000円~50,000円/月
SGLT2阻害薬 10,000円~20,000円/月
血液検査 5,000円~10,000円/回
食事指導 5,000円~10,000円/回

例えば、AクリニックでGLP-1受容体作動薬を使ったメディカルダイエットを1ヶ月間受けたとします。

初診料が3,000円、薬代が40,000円、血液検査が8,000円かかった場合、合計で51,000円になります。

BクリニックでSGLT2阻害薬を使い、さらに管理栄養士による食事指導を受けた場合、初診料2,000円、薬代15,000円、血液検査7,000円、食事指導8,000円となり、合計32,000円になります。

保険適用の可能性と注意点

メディカルダイエットは、基本的には自由診療となるため、健康保険は適用されません。つまり、全額自己負担となります。

ただし、肥満症が原因で高血圧や糖尿病などの病気を発症している場合は、病状によっては保険適用となる可能性があります。

例えば、2型糖尿病で、かつBMIが一定値以上の場合、SGLT2阻害薬やGLP-1受容体作動薬が保険適用で処方されることがあります。

これらの薬は、血糖値を下げる効果に加えて、体重減少効果も期待できます。

しかし、保険適用となるには、厳密な基準が設けられていますので、必ずしも保険適用されるとは限らないということを覚えておきましょう。

保険適用の可否については、医師に相談してみましょう。

以前、私のクリニックにCさんという患者さんが来院されました。

CさんはBMIが30を超える高度肥満で、糖尿病の予備軍でもありました。

Cさんはメディカルダイエットを希望していましたが、経済的な負担を軽減するために、保険適用できる薬を希望されていました。

そこで私は、Cさんの食生活や運動習慣、健康状態などを詳しく問診し、血液検査や尿検査などの検査を行いました。

検査の結果、Cさんは糖尿病の診断基準には該当しませんでしたが、血糖値が高めであり、将来的に糖尿病を発症するリスクが高いことがわかりました。

そこで、Cさんには食事療法と運動療法を指導し、併せてSGLT2阻害薬を処方しました。

幸いCさんの場合は、肥満に伴う高血糖の状態であったため、SGLT2阻害薬が保険適用となりました。

信頼できるクリニックの見極め方

メディカルダイエットを安心して受けるためには、信頼できるクリニック選びが重要です。どんな点に注意すれば良いのでしょうか?

まず、医師が日本肥満学会の専門医資格を取得しているかを確認しましょう。

専門医資格を持つ医師は、肥満症に関する専門的な知識と経験が豊富です。

また、クリニックのホームページなどで、治療方針や費用について詳しく説明しているかどうかも重要なポイントです。

治療内容や費用について、事前にしっかりと説明してくれるクリニックを選びましょう。

さらに、他の患者さんの口コミや評判も参考にすると良いでしょう。

実際にそのクリニックでメディカルダイエットを受けた人の体験談は、クリニック選びの貴重な情報源となります。

信頼できるクリニックを見つけるためのチェックリストをまとめてみました。

  • 日本肥満学会認定専門医の資格を保有している。
  • メディカルダイエットに関する詳しい説明がある。
  • 費用が明確に提示されている。
  • 患者さんのプライバシーに配慮している。
  • 他の患者さんの口コミが良い。

これらのポイントを参考に、自分に合ったクリニックを見つけて、健康的にダイエットに取り組んでいきましょう。

まとめ

この記事では、内科で処方される痩せる薬の種類と効果について解説しています。

紹介されているのは、GLP-1受容体作動薬、SGLT2阻害薬、サノレックス、防風通聖散の4種類です。

GLP-1受容体作動薬とSGLT2阻害薬は、糖尿病の治療薬として開発されたもので、食欲抑制や血糖値改善、体重減少効果が期待できます。

サノレックスは食欲を抑える中枢神経に作用する薬ですが、依存性や副作用のリスクがあるため、医師の指示に従って正しく服用することが大切です。

防風通聖散は、便秘がちで肥満体質の方によく用いられる漢方薬です。

これらの薬は、それぞれ効果や副作用が異なりますので、医師と相談して自分に合った薬を選びましょう。

また、メディカルダイエットの基本や費用、クリニック選びについても詳しく解説しています。

メディカルダイエットは、専門家の指導のもと、医学的な根拠に基づいて行うダイエットであり、健康的に痩せるための有効な手段の一つです。

信頼できるクリニックを選び、医師と相談しながら、自分に合った方法でダイエットに取り組んでいきましょう。

全ては患者さんの「もっと早く治療しとけばよかった・・・」を無くしたいから。

詳しくは当院のホームページ(←こちらをクリック)からどうぞ。


 

令和6年11月9日 

天白橋内科内視鏡クリニック 野田久嗣

・医学博士
・日本内科学会認定内科医
・日本消化器病学会消化器病専門医
・日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医

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参考文献

  • Palmer SC, Tendal B, Mustafa RA, Vandvik PO, Li S, Hao Q, Tunnicliffe D, Ruospo M, Natale P, Saglimbene V, Nicolucci A, Johnson DW, Tonelli M, Rossi MC, Badve SV, Cho Y, Nadeau-Fredette AC, Burke M, Faruque LI, Lloyd A, Ahmad N, Liu Y, Tiv S, Millard T, Gagliardi L, Kolanu N, Barmanray RD, McMorrow R, Raygoza Cortez AK, White H, Chen X, Zhou X, Liu J, Rodríguez AF, González-Colmenero AD, Wang Y, Li L, Sutanto S, Solis RC, Díaz González-Colmenero F, Rodriguez-Gutierrez R, Walsh M, Guyatt G and Strippoli GFM. Sodium-glucose cotransporter protein-2 (SGLT-2) inhibitors and glucagon-like peptide-1 (GLP-1) receptor agonists for type 2 diabetes: systematic review and network meta-analysis of randomised controlled trials. BMJ (Clinical research ed.) 372, no. (2021): m4573.

追加情報

[title]: Sodium-glucose cotransporter protein-2 (SGLT-2) inhibitors and glucagon-like peptide-1 (GLP-1) receptor agonists for type 2 diabetes: systematic review and network meta-analysis of randomised controlled trials.,

2型糖尿病におけるSGLT2阻害薬とGLP-1受容体作動薬:ランダム化比較試験の系統的レビューとネットワークメタ分析

【要約】

  • 本研究は、心臓血管および腎臓リスクが異なる2型糖尿病患者におけるSGLT2阻害薬とGLP-1受容体作動薬の有効性を評価した。
  • ネットワークメタ分析により、SGLT2阻害薬とGLP-1受容体作動薬は、既存の糖尿病治療に追加することで、全死亡率、心臓血管死亡率、非致死的心筋梗塞、腎不全を低下させることが示された。
  • SGLT2阻害薬はGLP-1受容体作動薬よりも心不全による入院を減少させたが、GLP-1受容体作動薬はSGLT2阻害薬よりも非致死性脳卒中を減少させた。
  • SGLT2阻害薬は性器感染のリスクを高めるが、GLP-1受容体作動薬は重篤な消化器系イベントのリスクを高める可能性がある。
  • SGLT2阻害薬とGLP-1受容体作動薬は、体重を減らす可能性がある。
  • 本研究は、SGLT2阻害薬とGLP-1受容体作動薬は、心臓血管および腎臓リスクの異なる2型糖尿病患者において、心臓血管および腎臓の転帰を改善する効果があり、それぞれの薬剤に特有のメリットとデメリットがあることを示唆している。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33441402,

[quote_source]: Palmer SC, Tendal B, Mustafa RA, Vandvik PO, Li S, Hao Q, Tunnicliffe D, Ruospo M, Natale P, Saglimbene V, Nicolucci A, Johnson DW, Tonelli M, Rossi MC, Badve SV, Cho Y, Nadeau-Fredette AC, Burke M, Faruque LI, Lloyd A, Ahmad N, Liu Y, Tiv S, Millard T, Gagliardi L, Kolanu N, Barmanray RD, McMorrow R, Raygoza Cortez AK, White H, Chen X, Zhou X, Liu J, Rodríguez AF, González-Colmenero AD, Wang Y, Li L, Sutanto S, Solis RC, Díaz González-Colmenero F, Rodriguez-Gutierrez R, Walsh M, Guyatt G and Strippoli GFM. “Sodium-glucose cotransporter protein-2 (SGLT-2) inhibitors and glucagon-like peptide-1 (GLP-1) receptor agonists for type 2 diabetes: systematic review and network meta-analysis of randomised controlled trials.” BMJ (Clinical research ed.) 372, no. (2021): m4573.