名古屋市天白区原にあります、天白橋内科内視鏡クリニックです。原駅から徒歩約二分のところにあり、無料駐車場もあります。名古屋市天白区原にあります、天白橋内科内視鏡クリニックです。原駅から徒歩約二分のところにあり、無料駐車場もあります。

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炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)とは

みなさんお待たせしました。専門医がお答えシリーズです!
お待たせし過ぎたかもしれませんし、誰もお待ちではないかもしれません。
天白橋内科内視鏡クリニックの院長野田です。

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今回は、腸の炎症を引き起こす炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)についてです。

慢性的な下痢や腹痛、血便などをつらい症状に悩まされる炎症性腸疾患が我が国でも年々増加傾向にあります。この疾患にかかってしまったら早期の治療を開始する必要があります。そこで今回は炎症性腸疾患について、疾患概念や、特徴、治療などを解説していきます。


◯炎症性腸疾患とは?

炎症性腸疾患とはどのような疾患なのか見ていきましょう。ヒトには自分の細胞以外のもの(菌やウイルスなど)が侵入してきたときにそれを攻撃する免疫細胞が存在します。この免疫細胞が攻撃の対象を間違えて自分の細胞を攻撃してしまうことがありこれを自己免疫といいます。自己免疫が腸でおこると、腸に炎症が起きます。これが炎症性腸疾患です。

炎症性腸疾患には潰瘍性大腸炎とクローン病の2つがあります。

 

◯潰瘍性大腸炎とクローン病の病態

2つの炎症性腸疾患はどのように症状が出てくるのでしょうか。

まず潰瘍性大腸炎について解説していきます。潰瘍性大腸炎は大腸に炎症が起こることで下痢や血便をきたす疾患です。個人差はありますが概ね1日5−10回位の下痢や血便を起こしこれがメインの症状です。治療を行うと一旦は症状が良くなることが多いですが、治療をやめると再発することも多いのが特徴です。

クローン病は口から肛門までの間のすべての消化管で炎症を起こす可能性があります。よく炎症を起こす部分は小腸や大腸、肛門です。深い潰瘍を形成することがおおく、その影響で腸管が狭窄してしまったり、穿孔(穴が開くこと)してしまうこともあります。

 

◯炎症性腸疾患の診断

診断には血液検査で炎症反応を調べたりCTなどの画像検査で腸の様子を見たりしますが、最も重要な検査が下部消化管内視鏡(大腸カメラです)内視鏡で直接粘膜の潰瘍を確認し、病変部の粘膜をつまみとって顕微鏡で確認して診断をつけます。

炎症性腸疾患を疑うような症状がある人は内視鏡専門医が在籍している医療機関を早めに受診することをおすすめします。

 

◯炎症性腸疾患の治療

まずは潰瘍性大腸炎の治療を解説していきます。潰瘍性大腸電では炎症があまり強くない状況では5―アミノサリチル酸という薬を使います。これは大腸直接作用する薬剤です。飲み薬や座薬、注腸剤もあります。より重症の場合にはステロイドを使用します。ステロイドは免疫を抑制したり炎症を強力に抑える効果があります。

クローン病の治療も見ていきましょう。クローン病は症状が悪いときに食事をすると悪化することが知られています。症状が強く出ているときは絶食して腸管を休ませる必要があります。何も食べず、飲まずでは生きていけないため入院して点滴などで水分や栄養を補う必要があります。また脂肪を控えた食事をすることや脂肪の含有量の少ない栄養剤を用いることも重要です。薬物治療としてはステロイドで過剰な免疫や炎症を抑えます。また炎症を抑える薬剤であるTNFα阻害薬というタイプの薬剤を使用することもあります。

上記の内科的治療の他に場合によっては外科的な治療を行うことがあります。重症の潰瘍性大腸炎が起こったり、クローン病で狭窄や穿孔が起こった場合には手術で腸管の一部を切除することもあります。

どちらの炎症性腸疾患も長期間かかっていると、癌化する危険性があります。特に治療不十分で炎症が抑えられていない場合に癌の可能性が上がるため、しっかりと治療を受けること、定期的に癌になっていないかフォローすることが重要であると言えます。

 

◯まとめ

今回は下痢や腹痛、血便を生じる疾患である。炎症性腸疾患について解説しました。

炎症性腸疾患は早期のコントロールと定期的なフォローアップが重要になる疾患です。

症状にお悩みの方は早めに消化器内科医、内視鏡専門医の所属する医療機関を受診することをおすすめします。

全ては患者さんの「もっと早く検査や治療しとけばよかった・・・」を無くしたいから。

詳しくは当院のホームページ(←こちらをクリック)からどうぞ。

令和3年10月25日 天白橋内科内視鏡クリニック 野田久嗣

・医学博士
・日本内科学会認定内科医
・日本消化器病学会消化器病専門医
・日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医
・がん治療認定医

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